2011年12月中旬
今季はコカマキリ♀(Statilia maculata)を4匹も飼育していました。
寿命で次々と死んでいく中、♀bの一匹だけが元気に生き残っています。
この個体は9月下旬に成虫を採集して以来、飼育下で5個も卵鞘を産んでくれました。
最も多産かつ長寿の個体ということで、どうしても情が湧いてきました。
しかし冬になると雪国では生き餌を安定して確保するのが極めて困難になります。
ハエ類すらも見当たらなくなりました。
インターネットで検索してみると、カマキリの代用食として牛乳を与えている人がいらっしゃいました。
確かに栄養豊富かつ手軽(入手が容易・安価)で、なかなか良さそうです。
早速私も試してみることに。
毎日給水していた方法と同じで綿棒に浸してからコカマキリ♀bの口元に近づけると、初回は少し嫌がる素振りを見せたものの、すぐに吸い付いて雫を飲み始めました。
(関連記事→「飼育ウスバカマキリ♀への給水)皆さんはスポイトやストロー、注射器、筆など、各自がやり易い方法で与えれば良いと思います。
冷蔵していた牛乳をそのまま与えると体温が下がるので、常温まで戻してから給餌するようにしています。
一日一回満腹するまで飲ませます。
(うちのコカマキリは満腹するともう嫌がって綿棒から顔を背けたり仰け反ったり鎌で押し退けたりします。)
牛乳は腐るので綿棒は使い捨てにします。
果たして寿命がどれだけ伸びるか実験です。
驚くべきことに、この記事を書いた現在(年を越して1/18)もコカマキリ♀bは毎日の牛乳だけで生き続けています。
外は根雪となりカマキリ成虫は当然死に絶えているはずです。
室温は15℃前後、朝の最低室温は約12℃。
ただし活動性は低く、終日止り木で静止しているだけです。
足腰もめっきり弱くなりました。
ご存知の通り、牛乳は栄養素のバランスに優れた完全食品と言われています。
孵化直後のカマキリ若齢幼虫も小さな生き餌の確保に苦労します(飼育経験の未熟な私はいつも失敗)。
もしカマキリ幼虫も牛乳だけである程度まで大きく育ってくれるのなら非常に助かります。
【追記】
最後は牛乳も飲まなくなり、このコカマキリ♀bは1/30遂に大往生を遂げました。
死ぬ一週間ぐらい前に一度だけ、ようやく採れた一匹のハエを飼育容器に投入してみたのですが捕食しませんでした。
餌を牛乳だけにしてから糞にも変化があり、粘り気の強い便を排泄するようになりました。
【参考動画】
↑この方は脱脂綿に牛乳を含ませて給餌しています。
『机の上で飼える小さな生き物』という飼育指南書 p104 によると、
「カマキリがミルクを飲むことは一部の専門家の間ではよく知られていることらしい。」
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