2012/01/16
ウスバフユシャクの一種♀を見つけた!(無翅の冬尺蛾)
2011年12月中旬・気温10℃
山中の建物で白壁に止まっている冬尺蛾♀を発見。
日当たりの良い西面で、地上150cmの位置でした。
完全な無翅型を見つけたのは初めて。
翅の痕跡すら残っていません。
腹端に毛束があり、夕刻になると♂を誘う性フェロモンを放出する(コーリング)そうです。
虫我像掲示板にて質問したところ、ウスバフユシャクの一種(Inurois sp.)♀で産卵前の個体とご教示頂きました。
有翅♂と交尾中の現場を押さえないと、♀を同定するのは難しいようです。
「産卵前は縦長でもこもこしてますが産卵後はお腹がへこみ、全体が丸くなります」とのこと。
軽く触れたら壁を登り始めました。
壁面がツルツルしていていかにも登り難そう。
案の定、動画撮影中に滑落。
地面で姿を見失ってしまいました。
冬尺蛾の交尾を未だ見たことが無いのですけど、一般に暗くなってから行われるらしい。
近くで見つけた冬尺蛾♂(同種なのか不明)と一緒に捕獲して求愛交尾行動を観察できないかと思案していたので残念。
この♀だけでも採集できれば、飼育下で産卵行動を観察できたかもしれません。
いずれにせよ、この白壁に止まったままでは仮に♂と交尾出来ても食草と異なる無機質な壁面に産卵することになり、孵化した幼虫が困ることになります。
【参考文献】(掲示板で教えてもらった冬尺蛾の総説)
「冬に出現する尺蛾 : 新・フユシャク類の採集」
やどりが (152), 2-28, 1993-02-25
(全文PDFが無料ダウンロードできます。)
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