2023年6月上旬
ニホンアナグマ(Meles anakuma)が営巣地(セット)で採食するシーンをまとめてみました。 採食行動または探餌行動だと解釈しているのですけど、後ろ向きだったりやや遠かったりして、口の咀嚼を確認できていません。
シーン1:6/2・午前0:42・(@0:00〜)
小雨がぱらつく深夜にアナグマ♀が奥にある巣口Rを点検してから、左奥の林縁に向かいました。
木の根元に穴を掘り始めました。
ミミズや虫などの獲物を探しているのでしょうか。
少し奥に歩いてから地面に座って、体を掻きました。
立ち上がると、二次林を探餌徘徊。
シーン2:6/6・午前4:01・気温10℃(@0:59〜)日の出時刻は午前4:14。
4日後の明け方に、♀が身震いしてから奥の二次林へ入って行きました。
林床のあちこちで浅く穴を掘って餌を探しているようです。
遠くの田畑(または休耕地)からキジ♂がケンケーンと鳴いて朝一番の縄張り宣言をする声がかすかに聞こえました。(@1:50〜)
シーン3:6/8・午前4:12・気温14℃(@1:59〜)日の出時刻は午前4:13。
2日後の日の出直前には、2匹のアナグマ(♀とヘルパー♂)が巣穴の外に出ていました。
個体識別にあまり自信がないのですが、1頭(おそらくヘルパー♂)が林縁に横たわって体を掻いたり仰向けで毛繕いしている間に、もう1頭(おそらく♀)が手前の巣口Rで地面を浅く掘り返しながら鼻面を土の中に突っ込んでいました。
巣穴Rを拡張するための穴掘りではなく、採餌のための穴掘りと思われます。
シーン4:6/8・午前4:13・(@2:59〜)
続けてトレイルカメラが起動した際には、なぜか暗視モードの赤外線照射が切れてしまいました。
ちょうど日の出時刻を迎えた林内は未だ真っ暗で、ほとんど何も見えません。
ちなみに、気温20℃と表示されているのは異常値です。(連続動画撮影によるカメラ自体の発熱)
動画編集で強引に明るく加工してみると、アナグマの興味深い行動が撮れていました。
光量不足のため、まるでモザイク処理したような非常に粗い映像ですが、目を細めて見ると、林縁で仰向け毛繕いしていたヘルパー♂が前足をミズキ?灌木の幹に掛けて後足で立ち上がったのです。 (@3:39〜)
アナグマが2本足で起立するシーンは珍しいです。
立木へのマーキング行動なのかな?
♀はときどき巣材集めの際に落ち葉が足りないと、後足で立ち上がって木の枝や蔓植物から生の葉を前脚で採取することがあります。
しかし、今回の映像ではヘルパー♂が立ち上がって前脚で届く範囲に若葉は生えてませんでした。
もしかすると、木登りしていたクワガタなどの甲虫を見つけて捕食したのではないか?と想像を逞しくしてみました。
一方、手前にいる♀は探餌の穴掘りを続けながら手前に移動しました。
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。