2024/01/27

昼間に巣外で相互毛繕いするニホンアナグマ♀とヘルパー♂【トレイルカメラ】

 



2023年6月上旬

ニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)で巣穴の主である♀とヘルパー♂が明るい日中に相互毛繕いするシーンをまとめました。 


シーン1:6/1・午前8:43・気温17℃・(@0:00〜) 
よく晴れた午前中に、互いに相手の毛皮を甘噛みするように舐めています。 
手前の巣口Rから上半身を乗り出した左の個体が、首筋に白斑があるので、♀だと思います。 
その後は自分の体で痒い部分を掻き始めました。 


シーン2:6/5・午前6:11・気温13℃・(@1:00〜)日の出時刻は午前4:14。 
4日後の早朝にも2頭(親子)が朝日を浴びながら、巣口R付近で念入りに相互毛繕いしていました。 


シーン3:6/5・午前6:14・気温14℃・(@2:00〜) 
そのまま巣口Rから林縁の広場に移動して相互毛繕いを続けていました。 
延々と続く毛繕いを見ていても退屈なので、5倍速の早回し映像でお届けします。 


シーン4:6/5・午前6:22・気温14℃・(@2:24〜) 
林縁で2頭が並んで仰向けになり、各自の体を掻いています。 
その後は相互毛繕いに戻りました。 


シーン5:6/5・午前8:43・気温23℃・(@2:49〜) 
ヘルパー♂が単独で右の林縁に座り込み、手前の巣口Rを見つめています。 
やがて巣口Rから♀が顔を出し、互いに見つめ合いました。 
互いに歩み寄ると、巣口Rで相互毛繕いが始まりました。 
相互毛繕いを始める瞬間を初めて観察することができました。 

巣口Rから右の広場に少し移動して、相互毛繕いを続けます。 


シーン6:6/5・午前10:14・気温23℃・(@3:13〜) 
ヘルパー♂が単独で右の林縁で仰向けに座って、毛繕いと体掻きを始めました 
股間に陰茎が見えるので、♀ではなく若い♂(1年仔)のヘルパーですね。 
 やがて巣穴Rから♀(首筋に白斑)が出て来ました。 
ヘルパー♂は広場で出迎えて、♀と相互毛繕いを始めました。 


シーン7:6/9・午後12:30・気温18℃・(@3:38〜) 
昼過ぎに2頭が広場に出てきました。 
身震いしてから、互いに向かい合って相互毛繕いを開始。 


いつもヘルパー♂が先に巣外に出ており、後から出巣してくる♀を待ち受けて、相互毛繕いが始まるようです。 


つづく→

スギ防風林でタヌキの溜め糞場に群がるクロボシヒラタシデムシの幼虫と成虫【10倍速映像】

 

2023年5月下旬・午前11:00頃・くもり 

平地でスギ防風林でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残したと思われる溜め糞場phを新たに見つけたので、ときどき定点観察に通っています。 
スギの根元と倒木に挟まれた地面に新鮮な糞が追加されていました。 

横に三脚を立てて、糞食性昆虫の活動を8分間微速度撮影してみました。 
スギ植林地の林床はかなり薄暗いので、カメラの設定で明るさを上げました。 
10倍速の早回し映像をご覧ください。 
一番多いのはクロボシヒラタシデムシOiceoptoma nigropunctatum)の幼虫で、成虫も少し来ていました。 
他にはキンバエ類や微小なハエ(種名不詳)も集まっています。 

後にこの地点にもトレイルカメラを設置して、タヌキが排便に通っていることを確かめました。(映像公開予定



手前にスギ倒木。(右下隅にちらり)

2024/01/26

アナグマの営巣地に出没する野ネズミの巣穴を見つけた!【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年5月下旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)が営巣する二次林の林床に夜な夜な出没する野ネズミ(ノネズミ)の記録です。 
夜の林床をチョロチョロと駆け回って餌を探しているようです。 
アナグマの巣穴RとLにも出入りしているように見えるのですけど、同居しているのか、それとも単なる探索行動なのか、はっきりしません。 
個人的な見解としては、後者に傾きつつあります。 

シーン1:5/26・(@0:00〜) 
野ネズミがアナグマの巣穴LやRに飛び込んでも、アナグマが怒って追い払っている様子はありません。
巣穴の奥まで侵入してないような気がします。


シーン2:5/27・(@2:17〜) 


シーン3:5/28・(@5:07〜) 


シーン4:5/29・(@5:42〜) 
遂に野ネズミの巣穴の位置が判明しました。 
画面の赤丸に注目してください。(@5:48〜) 
カメラの起動が遅れたので一瞬の出来事ですが、手前にあるアナグマの巣穴Lの左上エリアで野ネズミが地中に潜り込みました。 
地面に小さな巣穴があるようです。 
今後はこの野ネズミの巣穴にも注目していきます。 
野ネズミが自分の巣穴に出入りする動きは素早いようで、なかなか監視カメラに記録されません。 

次は野ネズミが自分の巣穴からひょっこり外に出てくる瞬間が撮れていました。 (画面の赤丸@6:04〜) 


シーン5:5/30・(@6:51〜) 
次は野ネズミが自分の巣口をうろつく様子です。 (画面の赤丸@7:08〜) 

野ネズミが巣口から顔だけ出しているのか、白い目だけが光って見えます。(画面の赤丸@8:06〜) 
かすかに動いているので、地面にうずくまって何か食べたり毛繕いしたりしていたのかもしれません。 

次は野ネズミが出巣する瞬間が撮れました。(画面の赤丸@8:55〜) 


シーン6:5/31・(@9:33〜) 
珍しく日没直後の午後19:02から野ネズミが活動を始めました。(画面の赤丸) 
日の入り時刻は午後18:58。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


遂に野ネズミ自身の巣穴の位置が判明したのは朗報ですが、現場検証で巣口を確かめてはいません。 
子育て中のアナグマ♀を刺激したくないので、トレイルカメラの電池を交換するために現場入りしたときも、巣穴付近のエリアには決して立ち入らないようにしています。 
アナグマの暮らしに興味がある私としては、林内の野ネズミは厄介な存在です。 
野ネズミが頻繁に出没するせいで、自動センサーカメラがいちいち反応して電池が消耗してしまうのです。 
これから「ねずみ算」で増えるとなると、アナグマ営巣地(セット)に「ネズミ捕り」を仕掛けたくなります。 
ところが、ある時期を境にして、野ネズミの出現頻度が減りました。 
どうやら捕食者が活躍するようになったようです。 
生物多様性が保たれた森ではうまいことバランスが保たれているなーと実感しました。 
あるいは、野ネズミも繁殖期は特に忙しく探餌活動していたのかもしれません。


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