2023/10/19

春の池でヤマアカガエルの幼生を捕食吸汁するマツモムシ

 

2023年4月上旬・午後14:15頃・晴れ 



山中の池でトウホクサンショウウオHynobius lichenatus)の卵嚢を水中に見つけて撮ろうとしたら、水面を背泳するマツモムシNotonecta triguttata)が写り込んでいました。 
黒いオタマジャクシを捕食・吸汁していたのに、撮影中の私はなぜか全く気づかずに中断してしまいました。 
明るい日向での撮影では、カメラのバックモニター(液晶画面)が非常に見えにくいのです。 
マツモムシの捕食シーンは珍しいのに、見過ごすとは痛恨のミスです。 

せっかくですので、スロー再生してみましょう。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイする際に、1.5倍に拡大しました。 
餌食となった黒い小さなオタマジャクシは、尻尾を振って必死に暴れています。 
この獲物はトウホクサンショウウオの幼生ではなく、岸辺に産み付けられたヤマアカガエルRana ornativentris)の卵塊から孵化した幼生だと思います。 
トウホクサンショウウオは幼生が孵化するどころか、胚発生も未だ進んでいません。





2023/10/18

小川の岸辺を深夜に往来し丸木橋を渡るニホンイタチ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年4月上旬

シーン0:3/31・午後14:54・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間に偶々撮れた現場の状況です。 
小川が左から右へ緩やかに流れていて、数十m先で川の本流に合流します。 
倒木が天然の丸木橋となっていて、様々な野生動物が使っています。


シーン1:4/4・午前0:52(@0:05〜) 
画面の赤丸に注目してください。 
深夜に対岸(左岸)の崖穴からニホンイタチMustela itatsi)が現れ、小川の下流へ(右へ)向かいました。 
左岸の水際をへつるように移動してきたのかな? 

前日に現れた黒ネコと同じルートの獣道?を辿ったのが興味深く思いました。 

そのまま暗視動画を撮り続けると、約25秒後になんと同一個体のイタチが左岸の水際を戻って来ました! 
丸木橋に戻ると此岸に渡り、小川の右岸を上流へ向かいました。 

イタチの営巣習性について私は全く勉強不足なのですけど、丸木橋の根際にもしかするとイタチの巣穴があるのではないかと勝手に思い込み、俄然興奮してきました。 
このまま監視を続ければ、自ずと分かってくるでしょうか。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

雪解け田んぼの餌場で小競り合いするコハクチョウの羽ばたき誇示♪【冬の野鳥:4K動画】

 

2023年3月下旬・午後15:25〜16:50頃・晴れ 

雪解けが進む早春の刈田にコハクチョウCygnus columbianus bewickii)が集結して落ち穂拾いしています。 
採餌群の中でときどき勃発する小競り合いのシーンを高画質の4K動画でまとめてみました。 
広大な雪解け田んぼの中に散開した大群のどこで喧嘩が始まるのか予測できないので、喧嘩の原因やきっかけも含めて一部始終を動画に記録するのは、なかなか難しいミッションです。 
鳴き騒ぐ声を聞きつけてズームインしたときには、もう遅かったりします。 
餌場が密になってくると、個体あたりの餌の割当量が減りますから、苛々していざこざが増えるのでしょう。 
白鳥は家族群を単位に行動しているらしいので、餌資源を巡って家族間で縄張り争いになり、よその家族群を追い出すと思われます。 


シーン1:(@0:00〜) 
仲良く並んで採食しているペアに注目していたら、2羽がほぼ同時に頭を上げて首を前に伸ばし、鳴きながら一緒に翼を広げ、その場で羽ばたき始めました。 
♀♂ペアが気分を高め合う求愛誇示なのかと思いきや、右から別の2羽も集まって来て、一緒に羽ばたきディスプレイに参加しました。 
鳴いて羽ばたきディスプレイしながら、この4羽は少し左に移動しました。 
元から居た個体の1羽が新参者の相手を嘴でつついて牽制するような素振りを見せたので、♀へのアピールというよりも、餌場をめぐるペア間の争いではないかと思います。 
騒ぎが収まって平静を取り戻してからも、勝ったペアがその場で力強く羽ばたいて周囲に誇示します。 
ときどき翼を大きく広げて羽ばたくことで、餌場で適切な個体間距離を互いに保っているのかもしれません。 

その後、近くのローカル線で踏切がカンカン♪と鳴り始め、列車が轟音を立てて通過しました。 
しかし白鳥は全く怯むことなく、夢中で採食を続けています。 



シーン2:(@1:13〜) 
刈田で採食シーンを撮っていたら、残雪がある右奥の区画で急に小競り合いが始まり、慌ててズームアウトしました。 
4羽のコハクチョウが輪になって向き合い、鳴きながら翼を広げて口論しています。 
嘴で激しくつつき合う喧嘩になりました。 
最後に背伸びしながらバサバサと羽ばたきます。 

その間、小競り合いから離れた位置にいる個体は、全くの無関心で採食を続けています。 


シーン3:(@1:58〜) 
3羽のコハクチョウが羽ばたき誇示しながら雪田を走り回っています。 
じっくり観察すると、どうやら♀♂ペアにうっかり近づき過ぎた1羽の余所者を奥に向かって追い払ったようです。 

たまたま奥の区画で採食していたハシボソガラスも、手前で鳴き騒ぐ白鳥の剣幕に驚いたようで、トコトコ歩いて退散しました。 



シーン4:(@2:26〜) 
2羽のコハクチョウが田んぼの畦道に登り、鳴きながら小競り合いしていました。 畦
道の残雪はもうすっかり溶けているのに、喧嘩中に水かきの足がスリップして慌てる様が可笑しかったです。 
後から畦道に登った個体が左の区画に追い払われました。 

最後はスローモーションで小競り合いをリプレイするつもりだったのに、動画編集に失敗しました。(ただのリプレイになってしまった) 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


白鳥の小競り合いについて勉強しようと思っても、手元にある本で喧嘩の行動を解説したものは多くありません。 
世界文化社 しぜんのせかい10『はくちょう』という古い本によると、
・ハクチョウたちは、向かい合って首を上下に振ったり、水面を羽でたたいたりして、賑やかな挨拶(ディスプレイ)をかわします。(p8より引用) 
・ハクチョウもけんかをすることがあります。長い首をからませ、羽を強く打ち振り、相手をねじ伏せようとします。(p9より引用)
嵯峨悌二『白鳥 SWANS (クォークスペシャル) 』という写真集には喧嘩やディスプレイの瞬間を捉えた見事な生態写真が多数掲載されています。 
巻末にある解説によると、
 毎日次々とオオハクチョウが越冬地に到着する頃には、家族同士でけたたましい口論が繰り返され、時には派手なけんかもする。勢力の強さは主に餌を採る権利と結びついているようである。けんかはふつう数分間つづき、翼の“手首”で相手を叩いたり、相手の肩をかんだりする。その間、幼鳥たちやほかのグループの白鳥は喧しくはやし立てる。負けたほうはおとなしく退散するので、相手を傷つけるようなことはめったにない。(p91より引用)
私が観察したコハクチョウも喧嘩の作法はオオハクチョウと全く同じなのか知りませんが、参考のため(比較のため)に記しておきます。
詳しく観察すると種間で微妙な違いが出てくるかもしれません。

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