2022年9月下旬・午後13:55頃・晴れ
里山の急斜面を直登する細い山道が廃れて、藪に覆われた獣道になっています。
その廃道に新旧の下痢便が点々と2箇所にまとめて残されていました。(溜め糞場w)
今回は糞塊の一つ(新鮮な方)に注目します。
焦げ茶色をした軟便の糞塊で、未消化の植物種子が混じっています。
形状が崩れている下痢便では私には何者の糞か見分けられないのですが、タヌキの溜め糞ではなく、よく下痢をするアナグマの仕業かもしれません。
もし1回分の獣糞だとすると、量がかなり多いので、ツキノワグマ(Ursus thibetanus)の糞のような気もします。
現場で糞をほぐしてみて、内容物をしっかり調べてみれば何かヒントが得られていたかもしれませんね。(糞内容物調査)
トレイルカメラを設置して排便シーンの証拠映像を撮りたくなります。
しかし、後日ちょくちょく見に通っても安定した溜め糞場ではないようなので、トレイルカメラの設置は後回しになったまま実現できていません。
金属光沢に輝く(メタリックな構造色)微小のハエが4匹も集まっていました。
続々と飛来して獣糞の表面を歩き回っています。
今回はマクロレンズで接写しませんでしたが、ツヤホソバエ科Sepsis属の一種(Sepsis sp.)ですかね?
関連記事(別地点の溜め糞場で撮影)▶ タヌキの溜め糞に集まり産卵するツヤホソバエ科の一種【名前を教えて】なんとなく、♂が翅を広げて同種♀に求愛誇示しているようです。
Sepsisよりも今回は、単独で来ていた大きなハエに注目しました。
糞塊の表面を歩き回り、口吻を伸ばして舐めています。(吸汁)
胸背は地味な黒色ですが、複眼は赤色です。
翅の根元がオレンジ色で、脚も中脚と後脚のみオレンジ色でした。
平均棍を覆う鱗弁もオレンジ色でした。
あちこちの溜め糞場でよく見かける(常連客)種類のハエなのですが、名前をしっかり調べたことがありませんでした。
ネット上で調べ物をしていると、キバネクロバエ(イエバエ科)というハエの存在を知りました。
クマの糞から発生するのだそうです。
素人目には似ているような気がしたのですが、細部を見比べると、違うかもしれません。
ネット上の写真でキバネクロバエの体表がもっと黒光りしているのはストロボの影響?
【追記】
安田守『集めて楽しむ昆虫コレクション』という本(写真集)のフン虫を特集した見開きページ(p50〜51)にそっくりのハエの写真を見つけました。
ハナゲバエの仲間ハエ目イエバエ科/イエバエ科のハエはおもに食植性で、動物のフンや腐敗した植物質に集まるものが多い。(p50キャプションより引用)
ハナゲバエなんていう名前は初耳です。
写真のキャプションを読んでもイエバエ科の解説に終始していて、ハナゲバエ属の生態についてあまりよく分かってないようです。
そもそも私は恥ずかしながらイエバエ科の識別点すら知りません…。
少し深堀りしてみると、ハナゲバエ属とはDichaetomyia属のことらしいです。
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