2023/03/24

下痢の獣糞(タヌキ?ツキノワグマ?)に集まるキバネクロバエ?とツヤホソバエSepsis?【名前を教えて】

 

2022年9月下旬・午後13:55頃・晴れ 

里山の急斜面を直登する細い山道が廃れて、藪に覆われた獣道になっています。 
その廃道に新旧の下痢便が点々と2箇所にまとめて残されていました。(溜め糞場w) 

今回は糞塊の一つ(新鮮な方)に注目します。 
焦げ茶色をした軟便の糞塊で、未消化の植物種子が混じっています。 
形状が崩れている下痢便では私には何者の糞か見分けられないのですが、タヌキの溜め糞ではなく、よく下痢をするアナグマの仕業かもしれません。 
もし1回分の獣糞だとすると、量がかなり多いので、ツキノワグマUrsus thibetanus)の糞のような気もします。 
現場で糞をほぐしてみて、内容物をしっかり調べてみれば何かヒントが得られていたかもしれませんね。(糞内容物調査) 
トレイルカメラを設置して排便シーンの証拠映像を撮りたくなります。 
しかし、後日ちょくちょく見に通っても安定した溜め糞場ではないようなので、トレイルカメラの設置は後回しになったまま実現できていません。 

金属光沢に輝く(メタリックな構造色)微小のハエが4匹も集まっていました。 
続々と飛来して獣糞の表面を歩き回っています。 
今回はマクロレンズで接写しませんでしたが、ツヤホソバエ科Sepsis属の一種(Sepsis sp.)ですかね?
関連記事(別地点の溜め糞場で撮影)▶ タヌキの溜め糞に集まり産卵するツヤホソバエ科の一種【名前を教えて】
なんとなく、♂が翅を広げて同種♀に求愛誇示しているようです。 

Sepsisよりも今回は、単独で来ていた大きなハエに注目しました。 
糞塊の表面を歩き回り、口吻を伸ばして舐めています。(吸汁) 
胸背は地味な黒色ですが、複眼は赤色です。 
翅の根元がオレンジ色で、脚も中脚と後脚のみオレンジ色でした。 
平均棍を覆う鱗弁もオレンジ色でした。 
あちこちの溜め糞場でよく見かける(常連客)種類のハエなのですが、名前をしっかり調べたことがありませんでした。 
ネット上で調べ物をしていると、キバネクロバエ(イエバエ科)というハエの存在を知りました。 
クマの糞から発生するのだそうです。 
素人目には似ているような気がしたのですが、細部を見比べると、違うかもしれません。 
ネット上の写真でキバネクロバエの体表がもっと黒光りしているのはストロボの影響?


【追記】
安田守『集めて楽しむ昆虫コレクション』という本(写真集)のフン虫を特集した見開きページ(p50〜51)にそっくりのハエの写真を見つけました。
ハナゲバエの仲間
ハエ目イエバエ科/イエバエ科のハエはおもに食植性で、動物のフンや腐敗した植物質に集まるものが多い。(p50キャプションより引用)
ハナゲバエなんていう名前は初耳です。
写真のキャプションを読んでもイエバエ科の解説に終始していて、ハナゲバエ属の生態についてあまりよく分かってないようです。
そもそも私は恥ずかしながらイエバエ科の識別点すら知りません…。
少し深堀りしてみると、ハナゲバエ属とはDichaetomyia属のことらしいです。


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2023/03/23

林道脇から突き出たスギ落枝に眼下腺マーキングし合うニホンカモシカたち【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年9月下旬 

里山のスギ植林地を通る林道をトレイルカメラで見張っていると、縄張りを日夜パトロールするニホンカモシカCapricornis crispus)が頻繁に写ります。 
この時期は毎日欠かさず往来していました。 
夜行性であるだけではなく、明るい昼間でも活動しています。 
個体識別も性別判定もできていないので、計何頭のカモシカが写っているのか、私には分かりません。 

最近(9/20)、対面に見える杉の大木から横枝が折れて落ち、画面奥の斜面の途中で引っかかったままになっています。 
落枝と呼ぶにはかなり太くて長いのですが、杭の先端のように鋭い折口が林道の脇から突き出していることになります。 
このスギ落枝に眼下腺マーキングするのがカモシカたちの間で流行り始めました。


シーン1:9/21・午後21:37・気温13℃ 
林道を右から歩いてきたカモシカが、斜めに突き刺さった落枝に気づくと立ち止まりました。 
匂いを嗅いでから、顔をゴシゴシと擦り付けました。 
眼下腺で匂い付けのマーキングをした直後は、いつものように舌をペロペロと出し入れしています。 
この行動はカモシカのフレーメン反応なのでしょうか?
そのまま左に立ち去りました。 


シーン2:9/22・午後16:45・気温17℃ (@0:25〜) 
翌日の夕方に林道脇の法面(斜面)を降りてきたようです。 
林道を渡ってスギの太い落枝にまっしぐらに向かうと、匂いを嗅いでから眼下腺マーキングしました。 

薄暗い林道を右へ立ち去ろうと向きを変えた際に、右の肩に黒いスポットのような目立つ模様があることに気づきました。 
生まれつきの母斑だとしたら、個体識別に使えるかもしれません。 
実は、同じ山系の別の地点(尾根を越えて反対側の斜面)に設置したトレイルカメラでも右背に黒点のあるカモシカが同時期に撮れています。(映像公開予定) 


シーン3:9/23・午前4:32・気温16℃ (@0:54〜) 
夜明け前の真っ暗な林道を右から歩いて登場しました。 
ちなみに、この日の日の出時刻は午前5:24。 
この個体もスギ落枝に眼下腺マーキングして行きました。 
右肩に黒いスポットの有無を確かめたいのですが、体の左側しか見せてくれません。 
林道の逆側にも監視カメラを設置する必要がありそうです。 


シーン4:9/23・午後16:46・気温20℃ (@1:22〜) 
夕方で薄暗いだけでなく、雨上がりの霧が発生しているようです。 
ちなみに、日の入り時刻は午後17:38。 
林道を左から登場したカモシカが、いつものスギ落枝に顔をゴシゴシ擦り付けてから、右に立ち去りました。 
この個体には右肩に黒いスポットがありませんでした。 
これで少なくとも2頭のニホンカモシカが互いに対抗するようにスギ落枝に眼下腺マーキングして、縄張りを主張していたことになります。 
カモシカは基本的に単独で暮らしているのですが、縄張りが重なり合う場合は、匂い付けでコミュニケーションを取り合っているのでしょう。


シーン5:9/24・午後19:16・気温17℃ (@1:46〜) 
林道を右から左にパトロールする個体が通りすがりに、スギ落枝の匂いを嗅いでいました。 
眼下腺を軽く擦り付けたかもしれません。 
雨が降っていて、カモシカの毛皮が少し濡れています。 
残念ながら体の左半身しか見えず、右肩に黒いスポットの有無を確認できませんでした。 


シーン6:9/24・午後20:14・気温16℃ (@2:01〜) 
1時間後にカモシカがまた林道を右からやって来ました。 
どうも別個体のようです。 
前回の個体は体つきが少し華奢なので若いカモシカではないかという気がします。 
今回の個体は体格がしっかりしています。(成獣?) 

スギ落枝の先端の匂いを嗅いだだけで、眼下腺マーキングせずに左へ立ち去りました。 
霧雨がまだ降っています。 


シーン7:9/25・午前9:01・気温16℃ (@2:16〜) 
翌朝の晴れた林道を右から歩いて来たカモシカが、カメラ目線で立ち止まっていました。 
警戒を解くと、スギ落枝の匂いを嗅いだだけで左へ立ち去りました。 
右から左へ通過する場合は、右肩に黒いスポットがあるかどうか見えません。 


このスギ落枝は斜面に引っかかっているだけで突き刺さっている訳ではない(固定されていない)ので、カモシカが顔を擦り付けるたびにグラグラと動いて不安定です。 
それでも、この林道を行き交うカモシカ達にとってお気に入りの眼下腺マーキング・ポイントになったようです。 
一頭がやり始めると、別個体はそれに対抗して匂い付けするようになります。 
眼下腺マーキングに適したスギ落枝という新しい対象物が林道上に急に出現すると、それまで時折マーキングしていたコシアブラ幼木(スギ大木の右隣)には全く匂い付けしなくなりました。 



モクゲンジの花蜜を吸うルリシジミ♂

 

2022年7月中旬・午後15:55頃・くもり 

民家の庭に咲いたモクゲンジに見慣れないシジミチョウが訪花していました。 
翅をしっかり閉じたまま吸蜜しています。 
残念ながら、動画を撮り始めたらすぐに飛び去り、見失ってしまいました。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 (@0:14〜)
羽ばたきが速過ぎて、ハイスピード動画で撮らないと翅表が全く見えませんね。 

翅裏に散りばめられた黒点以外に思わせぶりなシミ(黒い滲み)のような斑紋があるせいで、私の知らないゼフィルスなのか?(それとも新種のシジミチョウか?)と一人で色めき立ちました。 
落ち着いて調べてみると、おそらくルリシジミ♂(Celastrina argiolus)のようです。
翅裏が何かと擦れて鱗粉が剥がれ落ちたのでしょう。
もし反対側の翅にも左右対称の黒班があれば、新種(あるいは個体変異)説の信憑性が少し上がるかもしれませんが、確認する前に逃げられてしまいました。
誰かに一時捕獲されて翅を指でつままれたら、左右対称でこんな斑紋が残りそうです。

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