2021/03/22

カラムシの葉を綴り中で繭を紡ぐフクラスズメ(蛾)終齢幼虫【100倍速映像】

 

フクラスズメ(蛾)の飼育記録#7

▼前回の記事 
カラムシの実を食すフクラスズメ(蛾)の終齢幼虫【10倍速映像】
2020年11月上旬

フクラスズメArcte coerula)の終齢幼虫の食欲が無くなり、朝から休んでいるだけになりました。 
やがて食草のカラムシを離れて、盛んに徘徊するようになりました。 
食草に戻してやっても、しばらくすると再び自発的に落下しました。 
繭を作る場所を探しているようです。 

てっきり本種は地中に潜って営繭するのだと思っていた※ので、試しに植木鉢の土の上に幼虫を置いてみました。 


ところがなぜか落ち着かず、何度も植木鉢からの脱走を試みています。 
鉢植えの植物が枯れた後に放置したままだったのですが、中の土がカビ臭い(ドブ臭い)ことに気づきました。 
なるほどそれならフクラスズメ幼虫が嫌がるのも納得です。 

改めて庭の表土を新たに採取してきました。 
小石などを取り除いた後で、なるべくサラサラな土をすくって、プラスチックの豆腐パック容器に入れました。 
大きなプラスチック飼育容器の中に土と食草カラムシの残りも入れてやり、幼虫を一緒に閉じ込めてみましょう。 
土の中に潜るのが嫌なら、もしかしたら、カラムシの葉を綴って営繭用の巣を作るかも知れません。 
新鮮な土を入れた容器からフクラスズメの終齢幼虫は脱走し、カラムシの葉裏に隠れました。 

やがて予想通り、カラムシの葉を絹糸で綴り合わせて巣を作り始めたので、午後(15:50〜21:50)から微速度撮影してみました。 
100倍速の早回し映像をご覧ください。 
自身の周りに巣を作ると、次はその中で繭を紡いでいます。 
カラムシの葉でしっかりと包まれているので、中の様子が見えなくなってしまいました。 

日本人はカラムシの茎の繊維から織物を産み出して、一部地域の伝統的な特産物になっています。 
一方、フクラスズメという蛾の幼虫は、カラムシの葉や実を食べて育ち、絹糸で繭を紡ぎます。 
品種改良されたカイコのように、フクラスズメの繭からも絹糸を採取できたら面白そうです。 

※ 透明プラスチックの飼育容器越しに撮った不鮮明な映像なので、照明がプラスチックの表面に反射して被写体が見えにくかったです。 
それを解消するために、動画編集時に自動色調補正(イコライザー)を施しています。 
その副作用でフクラスズメ幼虫の色彩がどぎつく強調されてしまいました。 

同時期に飼育している別種の幼虫でも同じ日に異変が起きたので、記録するカメラのやり繰りが大変でした。
翌日、飼育容器の底で完成した繭を手に取って見ました。 
繭を手で持ってひっくり返しても、中で幼虫や前蛹が暴れる振動は感じませんでした。 
方眼紙に巣を載せて採寸します。 

フクラスズメは成虫越冬なので、今年中に羽化するはずです。 
ところが、待てど暮せど成虫が羽化してくれません。 
冬が終わり春になっても未だに羽化しませんでした。 
体内寄生されて死んだのかもしれません。 
寄主から脱出した寄生者が飼育容器の蓋のスリットの隙間から逃げてしまったとしたら、私はそれを完全に見逃したことになります。 
繭を密閉容器に入れておくべきでしたが、寄生された兆候が全く無かったのです。 
繭を温かい室内に放置したまま越冬させるのではなく、寒い外気に晒すべきだったかもしれません。
あるいは、営繭の直前の幼虫を私がカビの生えた土に触れさせたせいでカビに感染して死んでしまったのでしょうか?

シリーズ完? 

↓【おまけの動画】 
同じ素材で早回し速度を落とした50倍速およびオリジナルの10倍速映像をブログ限定で公開しておきます。 

 

 

2021/03/21

ヤブガラシ訪花中にアルマンアナバチ同士が誤認求愛/縄張り争い?

 

2020年7月下旬・午後12:20頃・晴れ  

民家の裏庭に蔓延るヤブガラシに忙しなく訪花するアルマンアナバチIsodontia harmandi)の吸蜜シーンを動画に撮っていると、同種の大型個体が飛来して突然飛びかかりました。 
襲われた小型の個体は飛んで逃げました。 
私にはアルマンアナバチの性別を見分けられないのですが、蜜源植物を巡る縄張り争いなのか、あるいは♂を♀と見間違えた誤認求愛なのでしょう。 
日本語で「アタックする」と言えば攻撃にも求愛にも両方の意味で使えますね。
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

※ 月日が経って冷静に見直すと「もっと引きの絵で(広角で)撮れよ!」と自分でも思うのですが、アルマンアナバチが私にとって珍しい被写体なので、撮影時はとにかく嬉しがって限界までクローズアップしてしまいました。

 

セイタカアワダチソウで訪花吸蜜するアシブトハナアブ♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2020年11月中旬・午後15:00頃・くもり 

堤防路に咲いたセイタカアワダチソウの群落でアシブトハナアブ♀(Helophilus eristaloideus)が訪花していました。 
普通種でもハナアブ類を少しずつ見分けられるようになると嬉しいものです。 
花穂を歩き回りながら花粉や花蜜を舐めています。 
側面から見ると腹部がぺったんこでした。 
産卵後の♀で空腹状態なのでしょう。 

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:32〜) 
ところが気温がやや低いせいか、カメラを近づけても物を投げつけても花穂を揺すっても、アシブトハナアブ♀はなかなか飛び立ちません。 
指で触れそうになったらようやく飛んでくれました。 

少しだけ飛んで近くのセイタカアワダチソウの葉に移動したアシブトハナアブ♀は、食後の身繕いを始めました。 
前脚を擦り合わせたり触角を拭ったりしています。 
化粧が済むと自発的に飛んでくれました。

 

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