2021/01/07

キセキレイ♀とセグロセキレイ♂が朝の河原で採食(野鳥)

 

2020年8月下旬・午前6:55頃・晴れ 

朝の河原で囀りながら採食(虫の捕食)するセグロセキレイ♂(Motacilla grandis)を撮っていると、近くにキセキレイ♀(Motacilla cinerea)も居ました。 
喉元が黒くないので、夏羽の♀と分かります。 
岩だらけの河原をどんどん右に歩きながら餌を探しています。  

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。  

今回興味深く思ったのは、2種のセキレイが互いに争わなかったことです。 
特にセグロセキレイ♂は囀りさえずりの鳴き声を発して朝の縄張り宣言をしていたのに、異種のキセキレイ♀に対して寛容だったことはとても意外でした。 
縄張り争いは、♂同士、♀同士で戦うのかな?(♂は異種の♀に対しては寛容なのかな?)
まさかこの異種の♀♂がつがいを形成しているのでしょうか?!  
そもそもキセキレイをこんな中流域の河原で見かけるのは珍しいです。
(セグロセキレイは)ハクセキレイやキセキレイとは概ね棲み分けている。(中略)縄張り意識がとても強く、同種のほかハクセキレイ、キセキレイと生活圏が競合する場合には追いかけ回して縄張り争いをする様子がよく観察される。なお、他のセキレイと競合した場合に本種が強い傾向がある。(wikipediaより引用)
(キセキレイの)雄は特に縄張り意識が強く、同種およびセグロセキレイ、ハクセキレイと追いかけ回して縄張り争いをする様子もよく観察される。(wikipediaより引用)
キセキレイ♀が右へ右へどんどん逃げて行ったのは、対岸から撮影する私を警戒したのかと初めは思いました。 
あるいは、キセキレイ♀はセグロセキレイ♂に遠慮して餌場をさり気なく譲ったのかもしれません。 

実は対岸の河原でセキレイ類の縄張り争い(空中戦)もちらっと見かけたのですが、動画に撮り損ねました。 

ストーリーを説明しやすいように、記事を公開する順序を逆にしました。 

早朝の観察こそがバードウォッチングの王道だと改めて実感しました。 
様々なドラマが巻き起こり、まさに早起きは三文の得。

イチモンジセセリの求愛と交尾拒否@ニラ花

 

2020年9月中旬・午後15:00頃・くもり 

川沿いの土手に咲いていたニラの群落で訪花中のイチモンジセセリ♀(Parnara guttata)に同種の♂が背後からしつこくつきまとって求愛していました。 
口吻を伸ばしてニラの花蜜を吸っている♀のすぐ背後に♂が密着するように止まっていて、♀に交尾を迫っています。
一方、吸蜜中の♀はしっかり閉じた翅を小刻みに高速で羽ばたいていました。 
これは飛び立つ前の準備運動というよりも、交尾拒否の意思表示だと思います。 
おそらく♀は既に交尾を済ませていて、「色気より食い気」の状態なのでしょう。  
細かく震わせている♀の翅に♂は右触角で触れていました。 
ニラの茎にしがみついた♂もゼンマイ状の口吻を軽く曲げ伸ばししていました。 
ときどき♂は飛び立つと♀に背後から頭突きでぶつかり、文字通り求愛のアタックを繰り返しています。 
私の想像ですが、♂は♀のしっかり閉じた翅を背後から頭でこじ開けて交尾体勢に入りたいのかもしれません。 
♂のしつこいセクハラに嫌気が差した♀はあちこちに飛んで逃げ、近くのニラの花序に止まり直しました。 
それでも♂は♀を密着マークし続けます。 

後半になると♀は吸蜜を止めてしまいました。 
♂にしつこくセクハラされてる間、♀は吸蜜行動や産卵行動が邪魔されたり(機会損失)、目立って天敵に捕食されるリスクが高まったりするので、性的対立は深刻な問題です。 
性的対立の解消法(妥協点)は生物の種類によって異なるので、それを調べるのが面白いところです。 
やがて求愛を諦めた♂は潔く紳士的に飛び去りました。 

そのままカメラを左にパンして、振られたイチモンジセセリ♂がニラに吸蜜して栄養補給するシーンを撮影。(@1:42〜) 
…したつもりだったのですが、映像をよくよく見直すと、同一個体の♂どころか別種のオオチャバネセセリZinaida pellucida)でした。
(ストーリーがブレるので編集でカットすべきでしたね)

残念ながら私は未だイチモンジセセリの求愛が成就して交尾が成立する過程を観察できていません。

2021/01/06

ミゾソバの花を舐めるアシブトハナアブ♂:吸蜜・身繕い・飛び立ち【HD動画&ハイスピード動画】

 

2020年9月下旬・午後14:45頃・晴れ 

山麓の農村部の道端に咲いたミゾソバの群落でハナアブの仲間が訪花していました。 
口吻を伸縮させて花粉や花蜜を舐めています。  
体に白い花粉が付着するので、食事の合間に身繕い。
種数が膨大なハナアブ類は名前を調べるのが億劫で敬遠していました。 
今回はよく見かける種類なので重い腰を上げて調べてみると、アシブトハナアブ♂(Helophilus eristaloideus)と判明。 
黒い後脚の太い腿節が名前の由来です。  
苦手意識を払拭するには、普通種でも1種ずつ地道に覚えていくしかありません。

ミゾソバの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:08〜) 
隣の花へは飛ばずに歩いて移動しています。 

少し離れた場所で2匹を撮影。

【追記】
アシブトハナアブの後脚の腿節が太いという形質は、♂だけの性的二型ではありません。(♀も太いらしい)
交尾の際に♀を♂が後脚でがっちり捕まえて離さないようにしたり、♀を巡る闘争で♂同士が蹴り合いをしたりするのか、配偶行動をじっくり観察してみたいものです。
参考:石井誠『昆虫のすごい瞬間図鑑: 一度は見ておきたい!公園や雑木林で探せる命の躍動シーン』p142

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