2021/01/06

アレチウリの花で採餌するニホンミツバチ♀

 

2020年9月中旬・午後16:10頃・くもり 

川沿いの土手に蔓延るアレチウリの群落でニホンミツバチApis cerana japonica)のワーカー♀が訪花していました。 
吸蜜する蜂の後脚を見ると、花粉籠は空荷でした。  

この組み合わせは意外にもこれまであまり撮影していませんでした。

▼関連記事(7年前の撮影) 

2021/01/05

アケビの蔓棚を守る鳥よけ棒(螺旋オブジェ)防鳥グッズ

 

2020年7月中旬・午後15:10頃・くもり 

民家の庭でアケビの蔓棚に見慣れない防鳥グッズがぶら下がっていました。 
蔓棚で育つアケビの未熟果を野鳥や動物の食害から守るための工夫なのでしょう。  
プラスチック製の赤くて細長い螺旋状のオブジェが糸で吊り下げられていて、風が吹くとクルクルと回ります。 
調べてみると、「鳥よけ棒」という名前で色とりどりの商品が売られていました。 
鳥よけ棒の両側には、片面が銀色に光るCD-ROMを糸でぶら下げていました。 
回転の仕方が鳥よけ棒とCDは違うので、併用することで鳥に慣れが生じないようにする効果がありそうです。 

※ 動画編集時のミスで無音になってしまいました。 
風の音が無いと雰囲気が伝わりませんね。 


しかし、そもそもアケビの実を食害する野鳥がいるのでしょうか? 
候補としてはヒヨドリやカラスなどが考えられそうです。 
アケビの実は熟しても赤く色づかないので、種子散布に鳥はあまり当てにしていない気がします。 
むしろ哺乳類に種子散布してもらいたいはずです。 

 『種子散布:助け合いの進化論〈2〉動物たちがつくる森』によると、
種子がヌルヌルした甘い果実に包まれているのは、歯のある哺乳類に食べられても種子が破壊されずに丸呑みしてもらうための適応。(p111より引用)
これはまさにアケビに当てはまる特徴です。
タヌキやハクビシンなどの野生動物が民家の庭に忍び込んでアケビの実を盗み食いするのかな? 
さすがにニホンザルはこんな街なかに出没しないはずです。

  wikipediaでは、アケビ果実の種子散布戦略について次のように説明しています。
成熟した果実の果皮は心皮の合着線で縦に裂開し、内部に乳白色で柔らかい果肉(胎座)と、そこに埋もれた多数の黒い粒状の種子を裸出する[7]。種子は黒色の径5 - 6ミリメートル (mm) の偏楕円形で、エライオソームがつく[6]。この胎座の部分は甘くて可食でき[7]、様々な鳥類や哺乳類に食べられて[6]、種子散布に寄与する。
また、アケビの種子の周囲にエライオソームが付いていることから、アリによっても種子散布されると考えられます。 

アケビを巡る生態学だけでも今後撮影してみたい多くの題材があります。  

もしかすると、鳥よけ棒やCDは必ずしも蔓棚のアケビ果実を食害から守るために設置したのではなくて、周囲の家庭菜園の作物を守るためかもしれません。


【追記】
飯島正広『野生動物撮影ガイドブック: 機材選びから撮影テクニック、動物の探し方まで』というハウツー本を読んでいたら、アケビの実を食べに来たらしいヤマネの見事な生態写真がp119に掲載されていました。
ただし今回の撮影現場は郊外の住宅地なので、ヤマネが生息しているとは考えにくいです。


交尾中のミドリヒョウモン♀♂

 

2020年9月中旬・午後15:25頃・くもり 

私が河川敷を歩いていると、交尾中のミドリヒョウモン♀♂(Argynnis paphia)が下草から?飛び立ち、堤防路の横に立つニセアカシア(別名ハリエンジュ)の枝先の葉に止まりました。 
互いに逆向きの交尾姿勢で、左の個体が♂、右が♀です。  

交尾器を連結したままの交尾飛翔を1/5倍速のスローモーションで見ると、左の♂が主導権を握り♀を引っ張って行ったようです。 
古い資料(1972)ですが、保育社『原色日本昆虫生態図鑑IIIチョウ編』には「交尾中における飛翔習性」と題した章があります(p88〜89)。
(ミドリヒョウモンの)交尾飛翔は←♂+♀、←♀+♂の両型。(p214より引用)
この表記に従うと、今回の事例では♂が飛翔し♀は交尾したまま♂に連行され飛翔しなかったので、←♂+♀となります。  

ニセアカシアの葉上で交尾を続けながら翅を緩やかに開閉するL♂に対して、R♀は翅を閉じたままおとなしく静止しています。 
たまに♀も翅を開閉したのは、風で枝が揺れた時に羽ばたいてバランスを保つためのように思いました。  

交尾が完了して♀♂ペアが別れるまで長撮りしても良かったのですが、いまにも雨が降り出しそうなので諦めました。 
直後に小雨が降り始めた中、同じ河川敷の数百メートル離れた場所で、別のミドリヒョウモン♀♂ペアの交尾飛翔も目撃しました。  

ミドリヒョウモンの求愛行動と交尾拒否、そして交尾飛翔はたまに観察できるものの、依然として求愛が成就して交尾に移行する肝心の瞬間を見届けることができていません。
▼関連記事(6、10年前の撮影) 
ミドリヒョウモンの交尾 
ミドリヒョウモン♀♂の交尾 
交尾中に連結飛翔するミドリヒョウモン♀♂

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