2020/12/24

オオイタドリの花蜜を吸うクロアナバチ

 

2020年8月下旬・午前9:05頃・晴れ 

堤防路に沿って咲いたオオイタドリの群落でクロアナバチSphex argentatus fumosus)が忙しなく訪花していました。 
白い花穂で口吻を伸ばして吸蜜した後、すぐに飛び去ってしまいました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、頭楯が真っ白だったのでコクロアナバチではなくクロアナバチだと思います。 
クロアナバチの性別の見分け方を私は知りません。


▼関連記事(同日に撮影)

2020/12/23

水門から川の魚を探すカワセミ♂(野鳥)

 

2020年8月下旬・午前7:50頃・晴れ
▼前回の記事 
早朝の川に飛び込んで魚を捕るカワセミ♂(野鳥)
ようやく朝日が高く登り、ギラギラした夏の日差しが川に差すようになりました。 
顔馴染みになったカワセミ♂(Alcedo atthis bengalensis)が飛来し、用水路から川の本流に注ぐ水門の右のコンクリート護岸の天辺に止まりました。 
あまりにも至近距離なので、私はドキドキしながら息を潜めてそっとカメラをカワセミに向けました。 
カワセミがすぐに飛び立ってしまい、落胆しかけたのですが、今度は水門を挟んで左のコンクリート護岸の天辺に止まり直しました。 
「青い宝石」が間近で飛ぶ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
ホバリングしながらコンクリートの先端に止まり直す素振りを一瞬見せてから水門の反対側に飛んだのが見どころです。 
水門を挟んで両側のコンクリート護岸を行ったり来たりしています。  

護岸に止まったカワセミ♂は、ときどき首を上下に伸ばす仕草を繰り返し、川面を見つめています。 
藤田祐樹『ハトはなぜ首を振って歩くのか』岩波科学ライブラリーを読むと、この行動の意味が分かりました。
歩くでも泳ぐでもなく、じっとしているときに首を上下に振る鳥たちもいる。たとえばカワセミだ。(中略)このカワセミを観察していると、ひょいっと首を上に伸ばして、その後に縮める仕草を見せる。この一連の動作は、いったい何なのだろうか?  実はこれは、光の反射などによって見づらくなっている水中の獲物や天敵を見やすくするための行動である。私たちも、川や池にいる魚を見ようとすると、光の加減で水面が反射してしまい、よく見えないことがある。そんなとき、ちょっと頭の位置を変えてみると、見やすくなることがある。それと同じことを、カワセミは上下に首を振ることで行っているのである。 ここでも首振りは、視覚と、そして採食行動が関係しているのだ。 (p101〜102より引用)
水中の魚影を探しながら、小声で鳴いていました。 
※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。  

美しい翡翠色とオレンジ色の羽根が真夏の直射日光で輝いて見えます。 
後頭部から白い綿毛のような羽毛が寝癖のように飛び出ているのが愛嬌ありますね。(換羽中?) 
顔を向ける角度によっては下嘴の下面が少し赤く見えましたが、♀ならもっと全体が赤いはずです。 (もしかして、この個体は♂ではなく若い♀?)
憧れのカワセミをこれほど至近距離から撮らせてもらえて、痺れるほど感動しました。 

 最後はコンクリート護岸から身を翻しながら右へ飛び去り、続けて右から左へ川面スレスレの低空飛行で倒木の方へ飛び去りました。 
もしかすると隠し撮りしている私の存在にはとっくに気づいていて、フェイントをかけたつもりなのかもしれません。 (別個体、例えばつがい相手の♀とすれ違った可能性もありそうです。)


カワセミ♂が止まっていたコンクリート護岸上には白い鳥糞が多数付着していました。 
今回は飛翔前に脱糞しませんでしたが、ここはカワセミが魚を狙うお気に入りの場所のひとつなのでしょう。 
カワセミが吐き出したペリットは見つかりませんでした。(川に落ちてしまうのでしょう。) 
実は以前、ここの対岸でカワセミを目撃したこと、水門の陰から飛び去るカワセミを目撃していました。
更に、水門コンクリート護岸に残された鳥糞の存在からカワセミが来ることを予想(確信)して、私はここに夜明け前からブラインドを張って待ち構えていたのです。 
作戦が見事に成功したので最高の気分です。 
川辺りで徹夜した甲斐がありました。 

水門の真下を覗くと、川の中に黒っぽい小魚が群れていました。 
※ 水中の小魚を早朝6:30頃に撮ったラストシーンだけあまりにも暗過ぎたので、自動色調補正を施しています。

2020/12/22

ヒトリガ♀(蛾)長い準備運動後の飛翔と羽化液の排泄【暗視映像】

 

ヒトリガ(蛾)の飼育記録#7

▼前回の記事 
ヤマグワの若葉を蚕食するヒトリガ(蛾)終齢幼虫【100倍速映像】

2020年8月下旬・午後22:35頃頃 

飼育ケース内で暴れる羽音がするので中を覗くと、いつの間にかヒトリガArctia caja phaeosoma)成虫が羽化していました。 
ヒトリガの蛹は容器の底で6月上旬からずっと、長い眠りに就いていました。
羽化の予定日や前兆が分からなかったので、放置してしまいました。 
それでも成虫まで無事に育ってくれて一安心。 
左右の前翅の翅頂が変形してしまっているのは、翅伸展の際に足場となる止まり木を入れてやるのを私が忘れたせいで、翅先まで充分に伸び切らなかったのでしょう。(羽化不全個体)


 

2020年9月上旬・午前00:25頃・室温26.2℃、湿度55%  

羽化してから2日後。 
夜行性のヒトリガの飛翔行動を記録するために、赤外線の暗視カメラで撮影してみました。 
深夜に様子を見ると、ヒトリガ♀はプラスチック飼育容器の内壁に上向きにへばりつくように静止していました。 
Digital Moths of Japanサイトでヒトリガを調べると「触角は♂で櫛歯状、♀で歯牙状」とのことなので、この個体は♀のようです。 

容器の蓋をそっと外して暗視カメラを近づけても、ヒトリガ♀は寝ているのか無反応でした。 
蛾の翅に指で繰り返し触れると覚醒し、嫌々ながらも壁面を登り始めました。 
容器の一番上に達すると、上縁に沿って歩いて移動します。  

小休止の後に、翅を閉じたまま細かく震わせ始めました。 
しばらくすると急に翅を広げて細かく羽ばたき、飛翔筋の準備運動が本格化しました。 
後翅の眼状紋のような水玉模様が見えるようになりました。 
容器に翅を打ち付ける羽音がパタパタパタ…♪と静かな室内で聞こえます。 
どうも飛び立つには足場が不安定で気に入らないようで、少し移動しました。 
準備運動を止めてしまったので疲れたのか?と思いきや、すぐに再開。 

遂に羽ばたきながら飛び降りました。(@5:15) 
「飛び立ち」というには程遠く、ほとんど落ちるように飛び降りただけでした。 
床で暴れ回り、再び容器の外壁を登り、天辺で激しく羽ばたき続けます。 

急に準備運動の羽ばたきを止めると、腹端から白い?液状便(蛹便・羽化液)を3滴ポタポタと排泄しました。(@6:11) 
飛び立てないのを自覚して、軽量化のため排泄したのでしょう。 

すぐにまた準備運動の羽ばたきを再開すると、床に飛び降りて暴れ回ります。 
翅先が曲がっている羽化不全個体は、とにかく飛翔力が弱くて、残念ながらまともに飛び立てませんでした。 
上手く飛べずにすぐに墜落してしまいます。 
あるいは、多数の卵を体内に蓄えている♀は体重が重過ぎて、飛ぶのは苦手なのかもしれません。 
交尾のために♂が飛来するのをひたすら待つのがヒトリガ♀の配偶戦略なのでしょう。 
♀は性フェロモンを放出するコーリング行動をするはずですが、私は見逃してしまったのか、よく分かりませんでした。  

最後に、白色LEDの照明を点灯しても、疲れ切ったヒトリガ♀は逃げませんでした。 
指で前翅を広げると、後翅に眼状紋のような水玉模様があります。 
蛾の目の前に私が左手を差し出すと、自発的に登ってきてくれました。 
手乗り状態から腕を少し登り、活動停止。 

飼育記録シリーズ完。

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