2019年8月中旬・午前11:50頃
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チゴハヤブサとカラスの縄張り争い?(野鳥)
いつも定点観察している地点とは違うのですが、数百m離れた小さな鎮守の森でもチゴハヤブサ(Falco subbuteo)の聞き慣れた鳴き声をときどき耳にしたり飛ぶ姿を一瞬ちらっと目撃したりして、ずっと気になっていました。
遂にこの日、決定的な証拠映像を物にすることが出来ました!
おそらく同じ♀♂番の縄張り圏内なのでしょう。
スギの神木がそびえ立つ上空をキィキィ♪甲高い声で鳴きながら素早く飛び回っています。
青空を背景に滑翔と羽ばたきを繰り返しています。
複数個体が鳴いているような気もするのですが、何羽飛んでいるのか不明です。
周囲を鎮守の森に囲まれた中で撮影を試みても空があまり見えず、断片的な映像しか撮れません。
私も近くの空き地(広場)を目指して急行します。
ようやく鎮守の森を抜けて見晴らしの良い空き地に着くと、飛んでいるチゴハヤブサも私に気づいて警戒したのか鳴かなくなりました。
ポプラ(=セイヨウハコヤナギ)高木の周囲を黙って飛び回っています。
ポプラの樹冠に着陸しそうになったチゴハヤブサがなぜか思い直し、左隣りの電柱の天辺に着陸しました。
見張り台ならポプラの梢の方が見晴らしが良いはずなのに、それより低い電線に止まったのはどうしてでしょう?
風が強いと未だ上手く飛べない幼鳥の飛行訓練中なのかと思いきや、下腹部の赤茶色が見えたので成鳥でした。
辺りを見回しながら、電線から鋭くキィキィ♪と鳴き続けています。
※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
肝心のチゴハヤブサの鳴き声をしっかり聞き取りたいのですけど、風切り音と周囲の蝉しぐれ(ミンミンゼミ♪)が耳障りですね。
私も小走りで追いかけたので息が切れました。
(チゴハヤブサが)鳴くことは稀である。繁殖期には、親鳥は「キュッキュッキュッ」と警戒鳴きをする。若鳥も同じような声で鳴くが、少し声が弱い感じであるという。(『山渓カラー名鑑:日本の野鳥』p166より引用)
チゴハヤブサが電線から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画(無音)でも撮ってみました。(@3:29〜3:59)
嬉しいことに、力強い羽ばたきで私の方に向かって飛んで来てくれました!
飛翔時は後脚を胴体に引きつけて空気抵抗を減らしています。
再び通常のHD動画に切り替えましたが、すぐに見失ってしまいました。
今回はカラスと大喧嘩している様子も無かったのに、チゴハヤブサが飛び回りながら頻りに鳴いていた理由は不明です。
私に対する警戒声だったのかな?
今季2019年に私がチゴハヤブサの姿を見たのは、この日が最後でした。(終見日)
繁殖期を終えて南方へ渡去したのでしょう。
チゴハヤブサのプロジェクトは撮影の難易度が高いために遅々として進みませんが、それでも毎回ささやかながら新しい発見がありました。
【追記】
山形新聞社『やまがた野鳥図鑑』でチゴハヤブサについて調べると、意外なことが分かりました。
県内で初めて繁殖が確認されたのは1989年。以来、チゴハヤは少しずつ増え始め、近年は内陸一円の市町村に最低1つがいはいる勢いだ。(中略)
空中でセミやトンボを捕るため繁殖時期は遅く、巣立ちはお盆前後が多い。(中略)野鳥の繁殖がほとんど終わる真夏は、観察できる野鳥が少ないのだが、この時期に楽しめるのがチゴハヤだ。(p75より引用)
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チゴハヤブサ(野鳥)@電線 |