2013/08/19

ヘビイチゴの果実で争うナガカメムシ科幼虫の群れ



2013年7月上旬

ヘビイチゴの群落で赤い果実に見慣れないカメムシを何匹も見つけました。
体長が不揃いですけど、未だ幼虫なのか性差なのか、カメムシに疎い私には分かりません。
全て同種のカメムシでしょうか?
未採集、未採寸。

ヘビイチゴの痩果をめぐって数匹が激しく喧嘩しています。
赤く熟した果実に口吻を突き刺して甘い汁※を吸いたいのだと思いますが、餌資源の占有行動でしょうか。
(※ ヘビイチゴの実は我々ヒトが食べても甘くありません。)
吸汁しながらお山の大将のように、下から登ってくるライバルの接近を長い後脚で妨げたり(牽制)払い除けたりしています。
最終的には体の大きい個体がやはり有利のようです。

群落内でヘビイチゴの果実は幾つも実っているのに、なぜ特定の果実で争いになるのか不思議でなりません。
一番熟して大きな果実の争奪戦でしょうか。
もし成虫ならば、♂が質の良い餌場を占有した後で交尾相手の♀を待ち受ける作戦なのかもしれません。
株によっては果実にカメムシが一匹しか来ておらず、その個体はのんびり平和に吸汁しています。

争いが落ち着くと、同じ果実上でも互いに少し離れて吸汁するようになりました。
(完全に独占することを諦めた?)
それでも果実の天辺は優位の個体が占めており、劣位の個体は実の辺縁部に甘んじています。

いつもお世話になっているカメムシBBSに問い合わせたところ、kameotakuさんより以下の回答を頂きました。

ナガカメムシ科の幼虫ですね。種名まではわかりません(当てずっぽうでアムールシロヘリナガ?) 
動画像では終齢幼虫も混じってましたので、飼育すれば羽化するかもですね。
私も、地面に落ちたクワの実を巡ってオオモンシロナガ成虫・幼虫・ダンゴムシの三者が争っているのを見たことがあります。
幼虫同士の喧嘩だとすると、配偶者獲得のためではなく単に食料を独り占めしたいようです。
カメムシの飼育は未経験ですけど、もしヘビイチゴの実と一緒に幼虫を採集したら、同定可能な成虫まで勝手に育ってくれますかね?
もし次に機会があれば試してみようと思います。

関連記事→「アキノキリンソウの花蜜を吸うアムールシロヘリナガカメムシ

動きが激しく、なかなか良い写真が撮れませんでした。



水溜まりで遊ぶハシボソガラス(野鳥)



2013年7月上旬

住宅展示場の裏庭に前夜の雨で大きな水溜まりが出来ました。
そこへハシボソガラスCorvus corone)の群れ(3羽)がやって来ました。
小石や枝を拾い上げたり仲間と奪い合ったりして長時間遊んでいます。
水深はカラスの足首ぐらいあります。
嘴をつっこんで、水を飲んでいるかと思いきや小枝を拾い上げました。
(ハト以外の鳥は嘴で水をすくってから上を向かないと飲み込めないはず。参考サイト→「ハトの水飲み」)

水溜まりで草を毟っているのは餌となる虫を探してるのかな?
水中から拾い上げたゴムの切れ端を、2羽で引っ張り合い喧嘩を始めました。
岸の小石を拾い上げて遊んでいると、これも取り合いになりました。
とにかく一羽が何かを見つけて拾い上げると、仲間は気になってすぐに近寄ってきて取り合いになります。
そのくせ奪った物にすぐ興味を失います。
ヒトの子供が遊ぶ様子と大差なく、とても微笑ましい光景でした。

この日「カラスの行水」は見られませんでした。





2013/08/18

獣糞を吸汁するハラビロヘリカメムシ



2013年7月上旬

林道の真ん中にタヌキの溜め糞と思われる獣糞が落ちていて、そこにハエとカメムシが集まっていました。
ハラビロヘリカメムシHomoeocerus dilatatus)だと思うのですがどうでしょう?※
真っ黒の糞は未だ新鮮で、やや臭気がありました。
消化されずに排泄された植物の種子がゴロゴロと混じっています。
カメムシ類が汚物や獣糞で吸汁する光景は今まで見たことがなく、衝撃的でした。※※
このカメムシは糞の中に混ざった未消化の植物の種子が目当てではなく、明らかに糞そのものから吸汁しています。
側面から口吻を接写して確認しました。

それとも小さな(草の)種子を摂食吸汁しているのでしょうか?
どうやったら実証できるか考えてみました。
タヌキの食性の調査法の一つとして、採取した溜め糞をザルで水洗いし未消化の種子を得る方法があります。
得られた種子をついでにカメムシに与えてみて、糞汁と比べどちらを好んで口を付けるかどうか調べてみれば…?
まー、「言うは易し」で究極の3K調査ですけど。

ハラビロヘリカメムシは獣糞の上を歩いて移動すると、ここぞという所で口吻を差し込んでいます。
映像では動きのあるシーンを中心にまとめましたが、実際は静止している時間が長いです。
よく見ると赤い触角が印象的。
複眼の間に単眼が2個しか見えません。
昆虫の単眼は3つあるのが普通だと思っていたので、気になりました。

カメムシに何か細長いゴミが付いているのかと思ったら、小さな蓑虫のような物がカメムシの体表を移動しています。
寄生性、吸血性の虫なら面白いのですけど、正体不明です。

ちなみに途中で聞こえる「キンミー、キンミー♪」という甲高い鳴き声の主はサシバという猛禽類の野鳥だと思います。(@0:55〜1:05)
すぐ近くの樹上に止まって鳴いていました。
そちらも気になったのですが、カメムシの撮影を優先しました。

※ 【追記】
いつもお世話になっているカメムシBBSに投稿したところ、kameotakuさんより以下のコメントを頂きました。

動画拝見しました。確かに口吻立てて、吸汁してますね。 初めて見ました、驚きです! アップ画像で触角2,3節が扁平なのが良くわかります。ホシハラビロではなく)ハラビロヘリの方ですね。 頭から胸背辺りを這い回っているミノムシ?も微笑ましいです。

※※ 南十字星さんよりカメムシBBSにて次のコメントを頂きました。
タイで犬糞から吸汁しているキンカメムシの一種を見たことがあります。めちゃ暑い日でした。またやはりタイで、人糞を入れたPITにカメムシ科の一種が多数集まっていたこともありました。注意して見ればけっこうあるのかもしれません。



胸背に蓑虫?



【追記2】

『カメムシ:おもしろ生態と上手なつきあい方』p31によると、野生動物の糞を吸う変わった食性をもつカメムシとして、ヘリカメムシ科のホシハラビロヘリカメムシが紹介されていました。
普段は、マメ科植物のフジ、クズ、ヌスビトハギなどをはじめ、畑のダイズにもよく見かける種である。(中略)唾液と混ぜながら吸収しやすい状態にして多少乾いた糞でも口吻を差し込むのである。



関連記事(10年後に撮影)▶ ホンドタヌキの溜め糞に集まり吸汁するハラビロヘリカメムシ 



ランダムに記事を読む