2010/12/31
ハキリバチの花粉貯蔵
2010年6月上旬
山寺で木の柱の節穴(
育房にせっせと花粉を詰め込んでいるようです。
帰巣した蜂は頭を先に巣穴に入れて点検(?)した後、向きを変えて下半身を中に入れます。
次に腹部腹面のスコパ(集粉毛)から黄色の花粉を掻き落とします。
前脚は巣穴の外に出しているので、中脚と後脚を使って掻き落としているのだろう。
頭を巣穴に入れているときにキュッキュと音がするのが興味深い(要ヘッドフォン)。
これは蜂の羽音なのかそれとも満足気に鳴いているのだろうか。
育房の点検ではなく、集めてきた花蜜を吐き戻しているのかもしれない。
作業が終わると蜂はすぐに飛び去ってしまいます。
動画を撮るのに精一杯で、写真は撮る余裕はありませんでした。
蜂類情報交換BBSにて映像を見てもらったところ、「大顎の形状からハキリバチの仲間であるが種名までは分からない」と教えていただきました。
5日後に再訪すると、既に巣穴は泥(または木屑を練った物?)で閉じられていて蜂の姿はありませんでした。
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ハチ・アリ(膜翅目),
貯食
巣立ち前のクロオオアリ♂
2010年6月上旬
日当たりの良い砂利道の林道上でアリの巣を発見。
羽アリが数匹、巣穴から顔を覗かせてソワソワしていました。
近寄ると驚いた一匹が飛び立ちました(映像なし)。
羽アリは飛翔筋を収めた胸部が非常に発達していて頭部がとても小さいことから、女王アリではなくて雄アリと判明。
結婚飛行が見られるかと期待しましたが、いつまでたっても巣立ちしません。
気象条件や時間帯が良くなかったのだろうか(マリッジブルー?)。
ワーカーも業を煮やしたのか、一度♂を巣穴から引きずり出しました。
2つの巣口は中でつながっているようなので、あるいは「未だ早い」と♂を引っ張り込んだのかもしれない。
近くで働くワーカーの体長がまちまちです(多型)。
かなり大型の個体もいました(兵アリ?)。
二匹ほどワーカーを採集して調べてみるとクロオオアリ(Camponotus japonicus)のようです。
残念ながら♂は巣の奥に戻ってしまい、採集できませんでした。
アリの本によるとクロオオアリの結婚飛行は、
「先に飛び立った女王アリが振りまくフェロモンの匂いを頼りに、♂アリは女王アリを追跡、交尾を目指す」そうです。
「クロオオアリが空への新婚旅行をおこなうのは5月の末から6月の中旬にかけてである。その出発の時間も一定していて、大体、午後の7時から8時半までの間である。(中略)クロオオアリの場合には、晴れて蒸し暑く、しかも風のない夕方のみに結婚飛行が行われるということになる。(中略)条件の悪いときには結婚飛行に行くのを巣入口の働き蟻が制止しているように見える。」
≪参考図書≫
『カラーサイエンス4:クロオオアリ』 集英社
『科学のアルバム:アリの世界』 あかね書房
『アリの生態ふしぎの見聞録:60年の研究が解き明かすアリの素顔』技術評論社 p6, 210
『蟻の結婚』法政大学出版局 p66〜
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