2023年6月中旬・午前11:50頃・ くもり
里山で山腹の上空を低く飛び去るトビ(Milvus migrans)を何気なく動画に撮ったら、興味深い行動を披露してくれました。
滑空と羽ばたきながらの巡行飛行を交互に繰り返してから、急に空中でクルッと裏返しの体勢になりました。
背面飛行は長く続かず、すぐに正常飛行に戻りました。
近くに営巣木がありそうだと予想しているのですけど、飛び去るトビをいつも見失ってしまい、突き止められません。
トビは図体ばかり大きくて、帆翔など不器用な飛び方しかできないというイメージがあります。
こんな器用な飛び方をするトビを初めて見ました。
山腹の上昇気流が急に乱れて失速したようには見えず、意図的に背面飛行になったようです。
カラスの群れにモビング(擬攻撃)されて逃げている訳ではなく、単独で飛んでいました。
求愛のためのディスプレイ飛翔だとしたら、もっと目立つ高度で披露するはずです。
背面飛行を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:29〜)
同時に1.5倍に拡大しました。
翼下面にあるトビ特有の斑紋が見えるように、逆光補正してあります。
トビは裏返って急降下すると、ハリギリ(別名センノキ)高木の樹冠の枝葉に足が一瞬触れていました。
通過後にハリギリの葉が大きく揺れています。
樹上に着地するなら、もっと減速するはずです。
どうやら、ハリギリの葉の上に止まっていた昆虫など何か小さな獲物を見つけて、通りすがりに素早く狩ったようです。
直後のトビの足に注目しても、鉤爪で何か獲物を掴んでいるようには見えませんでした。
獲物が小さ過ぎて見えないだけなのか、それとも狩りに失敗したのか、不明です。
謎の背面飛行は、獲物に狙いを定めて咄嗟に急降下するための旋回運動だったのでしょう。
この特殊な飛び方の正式名称をご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてください。
トビと言えば死肉食性の掃除屋(スカベンジャー)というイメージがあります。
関連記事(1ヶ月前の撮影)▶ 動物の死骸を独り占めする恐妻家のトビ(野鳥)
ハリギリ高木の葉の上に小動物の死骸があるとは考えにくいので、生きた虫を狩ろうとしたと思われます。
その点でも、珍しい事件簿でした。
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