2023年3月上旬・午後12:50頃・晴れ
残雪に覆われた河畔林を探索していると、謎の長大な豆果が雪面に散乱していました。
辺りを見渡すと、川岸にサイカチの大木が自生していました。
幹には鋭い棘が生えています。
落葉した枝には豆果が少し残っていて、風でぶらぶらと揺れています。
採取した豆果を軽く振ると、ジャラジャラ、シャカシャカ♪と乾いた音が鳴ります。
硬い莢を開くと、中に黒い種子が10個含まれていました。
川の水に落ちたら、浮いて下流まで流されそうです。
だとすれば、サイカチの種子散布は風散布型または水散布型と予想されます。
ここまで書いてからネット検索してみると、サイカチの種子散布について非常にエキサイティングなストーリーがありました。
絶滅したナウマンゾウがサイカチの種子を散布していたとの説があるそうです。
もしもナウマンゾウの糞の化石が国内で発掘されたら、糞内容物を調べて検証して欲しいものです。
【参考サイト】
・樹木シリーズ140 サイカチ @あきた森づくり活動サポートセンター
・サイカチ @山川草木図譜
サイカチの種皮は固くて水を通さないらしく、種子食性のサイカチマメゾウムシが食い破らないと発芽できないのだそうです。
昆虫写真家であられる安田守氏のブログには、サイカチマメゾウムシの成虫がサイカチの種子から脱出する瞬間を撮った見事な写真が掲載されていました。
私も保管していたサイカチの種子をチェックしてみたのですが、残念ながらサイカチマメゾウムシは1匹も羽化していませんでした。
サイカチマメゾウムシを調べるのなら、もっと大量にサイカチの種子を集める必要がありそうです。
ちなみに、サイカチの豆果を鞘ごと水に浸すと界面活性剤のサポニンが抽出されて、水が泡立つそうです。
次回はそれを実演してみるつもりです。
サイカチ種子の風散布や水散布の可能性についても、実験してみないといけません。
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