前回の記事:▶ 雪山で灌木の枝先を食べ歩くニホンカモシカ♂
ニホンカモシカ♂(Capricornis crispus)が雪山で食樹を食べ歩きしています。
深雪の斜面を登るときなどは、少しでも楽をするために(体力温存)古いラッセル跡を辿ることがあるようです。
斜面の途中に生えた落葉灌木(樹種不明)の群落に辿り着くと、カモシカ♂は細い幹に左前足を掛け体重を載せて折り曲げました。
そのまま両前足で踏みつけると、柔らかい枝先を口元に引き寄せて食べ始めました。
雪山の斜面に対してカモシカの頭が下向きになりました。
後半になると、首を伸ばして口が届く範囲の枝先を次々に食べています。
この灌木は細くてしなやかで、カモシカが折り曲げても押し倒してもバキッと破壊的(非可逆的)に折れることはありません。
倒伏した灌木はカモシカが立ち去ると弾性で元に戻りました。
ヤギは身軽で少し木登りができるそうですが、カモシカは木に登れません。
その代わりに、細い灌木を折り曲げる採食法を編み出しました。
彼らは時に前肢を枝にかけて手前に引き寄せたり、幹に両前肢をかけて立ち上がって高い所のものも食べる。(中略)ことにえさの乏しくなった冬の間に行うことが多いようである。(中公新書の千葉彬司『カモシカ物語』p73より引用)私がこの採食法を実際に観察したのはこれで2回目です。
関連記事(9年前の撮影)▶ ニホンカモシカが冬の川原で小枝を採食【前編】
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