2019年9月上旬・午後16:45頃
秋の田んぼでイネが実ると、スズメ(Passer montanus)の群れが稲穂を食べに襲来します。
スズメは警戒心が強いので、広い田んぼの中央部ではなく端から侵入します。
しかも、危険が迫るとすぐに避難できるように近くに電線や樹木がある所を選ぶことが知られています。
この習性は、鳥害対策をする際には重要なポイントになります。
▼関連記事(2年前の撮影)※ 田んぼ内の食害分布が中心部よりも辺縁部に集中するというのは、一種のエッジ効果(edge effect)と呼んでも良いのでしょうか?
田んぼの稲穂を食害するスズメの群れ(野鳥)
今回観察した群れはさらに狡猾でした。
田んぼの横を車やバイクが通りかかる度に近くの電線に飛び上がって避難するのも面倒になったのか、田んぼの端の畦道に並んで一時避難していました。
車道から見ると、畦道は一段下がった死角になっているのです。
しかし自転車が通りかかるとスズメは警戒して田んぼから飛び立ち、散り散りになりました。
逃げたスズメはほとぼりが冷めるとすぐにまた引き返して来て、イネの実を啄みます。
畦道では落穂拾いしたり横の稲穂に飛びついて食べたり、メヒシバなど雑草の種子を採食している個体もいます。
スズメが続々と田んぼに飛来して、頭を垂れた稲穂に着陸する様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:49〜)
着陸する前に見事なホバリング(停空飛翔)を披露しました。
田んぼの周囲の電線や樹木を止まり木として使えないように対策すればスズメによる食害が防げるはず…と思っていたのですが、そう簡単ではないようです。("Life will find a way.")
畦道に沿って鳥よけの赤銀テープを張り巡らせていれば、食害を減らすことが出来たかもしれません。
今回もスズメの群れは田んぼの中央部には決して行きませんでした。
見通しが悪い中で採食すると天敵に襲われるリスクが高いのでしょう。
その天敵(捕食者)が何なのか、知りたいところです。猫かな?
【追記】
日本の多くの田んぼは縦横に走る畦道によって小さな区画に分けられています。
もしも区分けしないで広大な田んぼのままならば、スズメが安心できる端っこ(畦道)が無くなりますから、食害しなくなるのでしょうか?
スズメ(野鳥)群れ@水田/畦道+稲穂採食 |
スズメ(野鳥)群れ@水田/畦道+稲穂採食 |
スズメ(野鳥)群れ@水田/畦道+稲穂採食・全景 |
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