サイカチの枝先に作られたイラガ(Monema flavescens)の繭を採集した際に1個割れてしまいました。
中の前蛹を取り出して飼育してきました。
前の記事はこちら→「繭から出したイラガ前蛹(蛾)の激しい徘徊運動【微速度撮影】」
2012年6月中旬・室温21℃
イラガ蛹の変態が順調に進み、褐色が所々で濃くなってきました。
成虫の体の作りがもうはっきり分かります。
ときどき腹端をグルグル回すように激しく動かします。
容器内で蛹を転がす度に繰り返し見られる運動です。
腹端の回し方は決まっておらず、途中で逆回転になりました。
やがて疲れたのか、蠕動が止まりました。
自然界では硬い繭に密閉された状態で蛹の変態が行われる訳ですが、狭くて暗い繭内でも蛹はこのように激しく寝返りを打っているのだろうか?
イラガの繭をレントゲンで微速度撮影して中にいる蛹の動きを透視したら面白そうです。
可動域は腹部に限られており、大きく育った翅原基(翅芽)や触角は羽化しないと動かせないようです。
2日後には蛹を転がしても蠕動が見られなくなりました。
いよいよ成虫の羽化が近いのかな?
(つづく)
【追記】
鈴木知之『さなぎ(見ながら学習・調べてなっとく)』に読むと、ヒントが書いてありました。
イラガ科の繭は、蛹の頭部側の内壁だけが薄く、ここが羽化に際して出口となります。羽化が近づくと、蛹は破繭器 を使って脱出孔を開け、半身を繭外にせり出して羽化します。破繭器は、繭内で体を回転させて缶切りのように使ったり、梃 のように押し上げて使うようです。 (p77より引用)
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