2012年6月上旬
イタドリの葉表に乗ったトラフカニグモ(Tmarus piger)が蟻を捕食・吸汁していました。
餌食となったのはムネアカオオアリ(Camponotus obscuripes)で、首を噛まれた獲物は既に絶命しておりピクリともしません。
『日本のクモ』p254によると、本種は
他のカニグモと異なり飛翔性の昆虫はあまり捕らず、茎や枝を上って来るアリ類を捕食する。2010年にも黒い蟻を捕食するトラフカニグモ♀を観察しています。
指をそっと近づけてクモに触れると、獲物は咥えたまま素早く横に動いて逃げました。
カニグモ科だけあって確かにカニのような動きで、クルッと葉裏に隠れたりします。
未採集、未採寸ですが、触肢は♀タイプでした。
獲物に一瞬小さなヌカカ?が飛来したように見えました。
【追記】
『クモのはなしII:糸と織りなす不思議な世界への旅』の第14章「アリに似たクモ」によると、カニグモ科で中南米に生息するアリクイカニグモ亜科は特定のシワアリ類に形態的に擬態しているばかりか、アリを襲って捕食するそうです。
ベーツ型擬態と攻撃的擬態の両面を併せ持っているユニークな例です。
一方、トラフカニグモ類もアリを好んで捕食しますが、からだはアリには似ていません。
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