2024年4月上旬
平地の二次林で、死んだニホンアナグマの旧営巣地(セット)を自動撮影カメラで監視し続けています。
早春に登場したホンドギツネ(Vulpes vulpes japonica)のシーンをまとめました。
シーン1:4/7・午前8:11・晴れ・気温18℃(@0:00〜)
(朝日を直接浴びてカメラが熱せられ、実際の気温よりも高く表示されています。)
尻尾の毛並みが立派な個体(疥癬に感染していない健常個体フサ尾)が手前から来たようです。
冬毛から夏毛に生え変わり始まる時期らしいのですが、キツネ観察歴の浅い私にはまだ見分けられません。
ホンドギツネは及び腰で巣口Lを頻りに覗き込んだものの、巣穴Lの中には入らず、左に立ち去りました。
シーン2:4/7・午前8:11・晴れ・気温14℃(@0:40〜)
別アングルで設置した監視カメラで続きが撮れていました。
(このカメラは朝日に背を向けて設置したので、こちらの気温データが正しいはずです。)
キツネは隣の巣口Rにも興味を示したものの、タヌキの強い匂いがするのか、遠慮して中には入りませんでした。
タヌキの縄張り宣言に対抗して周囲に排尿マーキングすることもなく、右に立ち去りました。
シーン3:4/7・午後16:51・晴れ・気温24℃(@1:08〜)
8時間40分後の夕方に、同一個体らしきキツネが再び現れました。
左から来てアクセストレンチから巣口Lを見下ろしながら、匂いを嗅いでいます。
獣道を右上奥へ立ち去りました。
足音を立てないように、慎重な足取りでした(忍び足)。
【考察】
キツネが昼間に現れたのは珍しい気がします。
1年前も営巣地を探索するキツネがアナグマの営巣地(セット)に来ていました。
関連記事(同所で1年前の撮影)▶
登場時刻はほとんど薄明薄暮でした。 しかし、明るい昼間は監視カメラを節電のためにスリープさせているので、もしキツネが来ていても記録されません。 実際は日中もキツネが通ってきている可能性があります。(基本的に夜行性だと思うのですが…。)
下半身の麻痺した「いざりタヌキ」が巣穴Lの奥で餓死しているのではないか?と私は疑っています。
(しかし発掘しない限り、死骸の有無を私には確かめようがありません。)
その死臭をキツネが嗅ぎつけたのでしょうか?
キツネは新鮮な死骸なら食べるらしいのですが、腐敗の進んだ死骸を忌避するのだそうです。
キツネは繁殖期に備えて、自分の営巣地に適した巣穴を探しているのかもしれません。
しかし、アナグマとタヌキが続けざまに死んだ曰く付きの事故物件の巣穴はキツネも嫌でしょう。
夏なら巣口Lでキイロコウカアブやハエの群れがブンブン飛び回っているはずですが、撮影日はまだ気温の低い早春なので、ハエも来ていません。
つづく→