2024/10/14

越冬用の営巣地をうろつくニホンアナグマの諸活動:12月上旬〜中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年12月上旬〜中旬

シーン0:12/4・午後12:59・くもり(@0:00〜) 
シーン0:12/4・午後13:45・晴れ(@0:04〜) 
平地の落葉した二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が越冬する営巣地(セット)を新旧2台のトレイルカメラで監視しています。 
しかし巣穴Rを監視するトレイルカメラがなぜか不調で、ほとんど撮れていませんでした。 

この時期に単独行動するアナグマの様子をまとめました。
特筆すべき行動は個別の記事にしたので、残り物です。


シーン1:12/4(@0:07〜) 

シーン2:12/6・(@2:18〜) 

シーン3:12/9・(@4:09〜)
最近こっそり巣穴Lに出入りしているイタチの残り香をアナグマが気にしているようです。

シーン4:12/11・(@6:33〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
昼間の活動は撮れておらず、冬のアナグマは夜行性に戻ったようです。 
気温が氷点下(-2℃)に下がった晩にもセットをうろついています。 
ときどき林床の落ち葉の下鼻面を突っ込んで餌を探していますが、ミミズなどを採食している様子はありません。 
今のところアナグマは秋に蓄えた脂肪で丸々と太っていますが、冬の間ほとんど絶食するとなると、春まで生き延びれるのか心配です。 

初冬のアナグマの動きはとにかく緩慢なので、あまりにも退屈なシーンは5倍速の早回しにしました。 
餌の乏しい冬季は無駄なカロリー消費を極力抑えようとしているのでしょうか。 
それならクマのようにおとなしく巣内で冬眠すればよいのに、と思ってしまいます。 

今回の動画では単独行動のアナグマしか登場しません。
アナグマの個体識別ができてませんが、唯一顔馴染みの個体♀(右目<左目)は登場してないようです。 
おそらくどこか別の巣穴で越冬しているのでしょう。
♀(右目<左目)は死んだのではないかと密かに心配していたのですが、実は翌年に再会できました。

先にお伝えしておくと、今季は異常に積雪が少ない記録的な暖冬になりました。 
アナグマの観察を始めたばかりの1年目なので、トレイルカメラで録画されたアナグマの行動が平年通りなのか、それとも暖冬の影響を強く受けているのか、判断が付きません。 
それを見極めるには、これから何年も定点観察を続ける必要があります。 

ワタ(綿花)の種子散布を考える

2023年10月上旬・午後 

民家の庭に置かれた植木鉢にフワフワの白い綿が実っていました。 
ワタの綿花を実際に見るのは初めてです。 
綿花と言っても花ではなく、熟して裂けた果実(蒴果)から出てきた綿毛です。 
天然コットンの手触りや中に含まれる種子を調べてみたかったのですが、他人様の庭に勝手に入れないので、公道から写真に撮るだけにしました。 
夏に咲くワタの花(アオイ科)を見逃したのが残念です。 

綿花で思い出すのは、幼少期に図書室で読んだ『アンクル・トムの小屋』というストウ夫人の小説です。
米国南部の大規模なプランテーションで黒人奴隷に綿摘み(綿花の収穫)をさせたという知識をこの本から得たので、てっきりワタは南国の植物だと思い込んでました。
日本のこんな北国(雪国)でもワタが育つとは知りませんでした。
現状では日本で使われる綿(コットン)の国内自給率はほぼ0%で、全て輸入に頼っているのだそうです。
国産のワタを栽培しようという試みが少しずつ広がっているらしい。

さて、ワタの種子散布について考えてみましょう。 
植物の白い綿毛と言えば、てっきり風散布されるための適応進化なのかと初めは思いました。 
しかし念のためにネット検索で調べてみると、綿花の種子は比較的重く、風に乗って遠くまで飛ぶことができないのだそうです。 
むしろヤナギの綿毛(柳絮りゅうじょ)のように、水に浮いて水流散布されるためのものと考えられているそうです。 
もしかすると、「ひっつき虫」のように、通りかかった動物の毛皮に綿毛ごと絡みついて種子が遠くに運ばれる可能性もありそうです。(動物付着散布)
誰か実験してみて下さい。

朽木を登りながらつついて虫を探す初冬のコゲラ(野鳥)

 

2023年12月上旬・午後13:00頃・晴れ 

里山の雑木林で朽木にコゲラDendrocopos kizuki)が来ていました。 
立ち枯れした朽木には枝葉がまったく残ってなくて、樹種は不明です。 
コゲラは身軽にピョンピョン木登りしながら、朽木をあちこちつついて中に潜む虫を探しています。 
朽木の裏側に回り込んでから、隣の別な朽木に飛び移りました。 
朽木をつつく合間に幹に立ち止まって羽繕いを始めました。 
飛び去る瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

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