2024/01/24

夕方の営巣地で親子水入らずで過ごすホンドタヌキ【トレイルカメラ】

 

2023年5月下旬

休耕地に掘られたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の巣穴を自動センサーカメラで監視した記録映像です。

シーン1:5/31・午後18:32・(@0:00〜)日の入り時刻は午後18:58。 
日没前の薄暮にトレイルカメラが起動しました。 
草むらの緑がうっすらと見えます。 
タヌキの親子が巣口に出て来ました。 
親は大きく動き回って周囲を警戒しているのに対して、幼獣は巣口からあまり離れず、何頭居るのかよく見えません。 
雑草の草丈よりも幼獣は未だ小さいので、ローアングルの監視映像では全身が見えず、もどかしいです。 
やがて親ダヌキが巣口で幼獣に対他毛繕いをしてから、右に立ち去りました。 

ちなみに、前半(0:22〜0:40)画面の左下隅でレンズの至近距離を動いているのは、別個体のタヌキがトレイルカメラの匂いを嗅いでいるのでしょうか? 
鼻息などが聞こえなかったので、マイマイガLymantria dispar japonica)の幼虫などの毛虫がレンズの表面を這い回っただけという可能性もありそうです。 


シーン2:5/31・午後18:42・(@1:00〜) 
10分後、タヌキの成獣が原っぱに佇み、左を眺めながら欠伸をしました。 
(写真集:中川遊野『どうぶつのあくび』)
遠くでカラスが鳴いています♪ 

やがて右の巣穴から外に出てきた別個体の成獣が背後から近づき、対他毛繕いを始めました。 
パートナーの毛皮を甘噛みしています。 
どうやら、この2頭は♀♂つがいのようです。 
巣口では2頭の幼獣が動いているのが見えます。 


シーン3:5/31・午後18:57・(@2:00〜) 
15分後、親ダヌキの1頭が巣口の近くで佇み、辺りを警戒したり自ら毛繕いしたりしています。 


シーン4:5/31・午後19:00・(@3:00〜) 
親ダヌキが居なくなりましたが、奥の巣口付近の草むらで幼獣が遊んでいます。 

やがて親ダヌキが右から現れました。(出巣した?) 
奥の草むらに少し移動してから体を掻いています。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


野生ニホンカモシカの抜け毛【フィールドサイン】

2023年6月上旬・昼頃・晴れ 

里山のスギ林道の横の斜面に落枝が引っかかり、折れた先端部が道端から突き出したまま放置されています。 
この辺りを縄張りとするニホンカモシカCapricornis crispus)がこの林道を通りかかる度に、このスギ落枝の尖った先端に眼下腺でマーキングしていることがトレイルカメラによる撮影で分かっています。 


関連記事(2022年の撮影)▶  


すでに監視カメラを撤去してしまったのですが、久しぶりに現場入りしてみると、スギ落枝の先端部に白っぽい体毛が何本も絡みついていることに気づきました。 
これはカモシカが顔をゴシゴシと擦り付けた際に抜けた体毛と考えられます。 

撮影後、念の為に抜け毛を採取しました。 
もし毛根が残っていればDNA鑑定が可能となり、眼下腺マーキングした複数個体の識別や血縁関係などが明らかになるはずです。
このときピンセットを持参してなかったのでやむなく素手で摘み取りました。
したがって、私のDNAでサンプルを汚染してしまいました。

カモシカの話から外れますが、農耕地を取り囲む有刺鉄線に絡みついた抜け毛を積極的に集めて顕微鏡で分析するだけでも、有刺鉄線をくぐり抜ける害獣の種類がある程度見分けられるのだそうです。

田植え後の水田で採食するカルガモ(野鳥)

 

2023年6月上旬・午前10:35頃・晴れ 

田植えの済んだ水田に1羽のカルガモAnas zonorhyncha)が飛来、着水しました。 
(映像はここから。) 
ときどき嘴を開閉して鳴き声を発しているようですが、風が強い上に遠くて聞き取れません。 
仲間を呼んでいるのでしょうか? 
(私の見る限り、周囲にカモ類は全くいないようです。) 

しばらくすると、田んぼの水面を遊泳しながら嘴を水中に突っ込んで採食を始めました。 
採食の合間にもときどき鳴いています。 

やがて、キジ♂(Phasianus versicolor)が母衣打ちをする絶叫♪がケンケーン♪と辺りに響き渡りました。(@1:10〜) 
縄張りを宣言するキジ♂の声量は圧倒的です。 

稲作で除草剤や殺虫剤をなるべく使わないようにする有機農業にアイガモ農法という試みがあります。 
私は未だ実際に見たことはありませんが、アイガモの雛鳥や若鳥を田植え後の水田に放ち、自由に遊泳・採食させることで、雑草や害虫の発生を抑えることが期待できます。 
アイガモの糞はそのまま水田の肥料となり、育ったアイガモは鴨肉として食べる、という一石二鳥どころか、三鳥、四鳥もあるアイデアです。 
しかし手間の割には肝心の除草効果が安定しないなどの課題が浮かび上がってきたそうです。 

水田で採食する野生のカルガモの数が多ければ、アイガモ農法と同じ原理で除草効果が期待できます。
しかし、野鳥は自由気ままに飛び去ってしまうのが問題です。
(だから合鴨農法では飛べない雛や若鳥を使うのです。)
実は今回、カルガモが採食する田んぼの隣の区画では、最先端のアイガモ・ロボットが黙々と稼働していました。 


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