2023/09/11

氷の下で泳ぐ早春のオタマジャクシ?|雪解け水の気泡

 

2023年3月上旬・午前11:40頃・晴れ 

登山道に向かう山麓の坂道で、薄い氷のようにシート状になった残雪の下を何か黒い物がニョロニョロと動いています。 
まるで人魂やオタマジャクシを連想させる動きです。 
傾斜のある舗装路と残雪の間に隙間ができていて、そこを雪解け水がチョロチョロと流れています。 
ときどき大きな気泡も一緒に流れて来るのです。 
半透明の氷の下に透けて見える気泡の動きが微妙に不規則で、なかなか面白いですね。



↑【おまけの動画】 Twitter(現X)でバズっていた動画です。 

似たような動画はYouTube上にもいくつか公開されています。 

 



2023/09/10

残雪に覆われた河畔林の笹薮で最大のタヌキ溜め糞場を見つけた!

 

2023年3月上旬・午後12:30頃・晴れ 

川沿いに点在するホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場を3ヶ所(※上流から下流にwn➔rv➔bLの順)調べているのですが、どれも小規模です。
おまけに、季節によってはほとんど使われなくなったりします(季節消長)。 
この流域のどこかにメインの溜め糞場があるに違いないと思い、雪原に残るタヌキの足跡を辿ってみるなど、あの手この手で探しています。 

次の作戦として、河畔林がまとまった広さで残されている場所に目星をつけて、スノーシューを履いて踏査することにしました。 
すると予想通り、新たに最大規模の溜め糞場rpを発見しました。 
(他の溜め糞場との位置関係は、上流から順にwn➔rv➔bL➔rp。)
場所はオニグルミ大木の根元で、残雪の上です。 
落葉したオニグルミ樹上に見える常緑の葉は、ツルマサキという蔓植物の葉です。 
オニグルミの幹にはツルマサキやフジの蔓が巻き付いているのです。 

【追記】
大木の樹種をニセアカシアだと思い込んでいたのですが、オニグルミと分かったので訂正します。

周囲の林床には笹薮が発達しています。 
深い雪に埋もれていたササが早春の雪解けと共に再び立ち上がります。 

未だ気温が低く、食糞性の昆虫はハエ1匹さえも溜め糞場rpに来ていませんでした。 
糞を分解してくれる昆虫が休眠越冬中で居ない冬季には、糞が溜まる一方です。
溜め糞場はひたすら巨大化することになります。 

早速ここにトレイルカメラを設置して、タヌキが排便に通って来ることを確かめましょう。 
ここは比較的自然豊かな河畔林でヒトも立ち入らないので、タヌキの営巣地があるのではないか?という期待もあります。



川沿いの雪原でサイカチの豆果を拾う

 

2023年3月上旬・午後12:50頃・晴れ 

残雪に覆われた河畔林を探索していると、謎の長大な豆果が雪面に散乱していました。 
辺りを見渡すと、川岸にサイカチの大木が自生していました。 
幹には鋭い棘が生えています。 
落葉した枝には豆果が少し残っていて、風でぶらぶらと揺れています。 
採取した豆果を軽く振ると、ジャラジャラ、シャカシャカ♪と乾いた音が鳴ります。 
硬い莢を開くと、中に黒い種子が10個含まれていました。 
大きさもスイカの種ぐらいでした。
雪面のサイカチ落果に15cm定規を並べて採寸



サイカチ豆果の莢が細長く捻れているということは、枝から落ちると回転しながら風に乗って遠くまで飛ばされるのでしょうか? 
川の水に落ちたら、浮いて下流まで流されそうです。 
だとすれば、サイカチの種子散布は風散布型または水散布型と予想されます。 

ここまで書いてからネット検索してみると、サイカチの種子散布について非常にエキサイティングなストーリーがありました。 
絶滅したナウマンゾウがサイカチの種子を散布していたとの説があるそうです。
もしもナウマンゾウの糞の化石が国内で発掘されたら、糞内容物を調べて検証して欲しいものです。

 
【参考サイト】
樹木シリーズ140 サイカチ @あきた森づくり活動サポートセンター
サイカチ @山川草木図譜

サイカチの種皮は固くて水を通さないらしく、種子食性のサイカチマメゾウムシが食い破らないと発芽できないのだそうです。
昆虫写真家であられる安田守氏のブログには、サイカチマメゾウムシの成虫がサイカチの種子から脱出する瞬間を撮った見事な写真が掲載されていました。 
私も保管していたサイカチの種子をチェックしてみたのですが、残念ながらサイカチマメゾウムシは1匹も羽化していませんでした。 
サイカチマメゾウムシを調べるのなら、もっと大量にサイカチの種子を集める必要がありそうです。

ちなみに、サイカチの豆果を鞘ごと水に浸すと界面活性剤のサポニンが抽出されて、水が泡立つそうです。 
次回はそれを実演してみるつもりです。 
サイカチ種子の風散布や水散布の可能性についても、実験してみないといけません。


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