2021/09/30

山林で聞こえたサンコウチョウ♂のさえずり♪(野鳥)

 

2021年7月中旬・午後16:45頃・晴れ 

里山を歩いていると(標高約430m地点)、山林の奥(やや遠く)から憧れのサンコウチョウ♂(Terpsiphone atrocaudata)がさえずる鳴き声が聞こえました。 
スギ林の奥は雑木林のようですが、残念ながら鳴き声の主の姿は見つけられませんでした。 
山形県でサンコウチョウは絶滅危惧種Ⅱ類(VU)に指定されています。 
美しい鳴き声だけでも証拠として録音しておきます。 
実はもっと前から鳴いていたのに私は聞き流していて、「サンコウチョウだ!」と気付くまでに時間がかかってしまいました。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。  


サンコウチョウの囀りを声紋解析してみる?  

(サンコウチョウの)地鳴きは、「ギィギィ」と地味だが、囀声は、「ツキヒーホシ、ホイホイホイ」月・日・星、と聞えることから、三光鳥と呼ばれている。(wikipediaより引用)
日本の野鳥さえずり・地鳴き図鑑』でサンコウチョウの鳴き声を調べると(p66)、
さえずり: ピーチャポイ、ホイホイホイとさえずる。 地鳴き: ギィギィと地味な声で鳴く。


暗い森でひっそりと暮らすサンコウチョウの姿を撮るのは至難の業です。 
関連記事(9年前の撮影:警戒の地鳴き)▶ サンコウチョウ♂の鳴き声【野鳥】
最近『所さんの目がテン』というテレビ番組を視聴していたら、プロのバードウォッチャーがサンコウチョウの写真(動画)を撮る裏技として、プレイバック実験を紹介していました。 
予め録音しておいたサンコウチョウの鳴き声を野外で流すと、縄張り意識の強い♂が対抗して鳴きながら近づいて来るのです。 
私もいつか試してみたいのですが、一般論として、繁殖期の野鳥に対してプレイバック実験を繰り返すと♂に大きなストレスを与えてしまう(撹乱)らしいので最小限に留めるべきです。 
その点について番組で一言、配慮を呼びかけた方が良かったかなと思いました。 
番組に対して揚げ足を取ったり何でもかんでも苦言を呈するクレーマーにはなりたくないのですけど、これは気になりました。

2021/09/29

アベリアの花で穿孔盗蜜するクロマルハナバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年7月中旬・午後16:20頃・晴れ 

民家の庭の生垣として植栽されたアベリア(別名ハナツクバネウツギ、ハナゾノツクバネウツギ)の白い花が満開に咲いています。 
そこにクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。 
複数個体がブンブン♪と羽音を立てて飛び回っています。 
吸蜜法をよく観察すると、花筒の入り口から顔を突っ込んで口吻を差し込んではいません。 
つまり、正当訪花する個体は1匹もいませんでした。 
ラッパ状の花筒の根元に外側から蜜腺を狙って口吻を突き刺す穿孔盗蜜を毎回繰り返していました。 
雄しべや雌しべに体が全く触れませんから、アベリアの花の受粉に寄与しません。 
したがって、クロマルハナバチ♀の後脚の花粉籠は当然ながら空荷でした。 
アベリアにしてみれば、せっかく送粉者への報酬として用意した花蜜が盗まれ損になります。 

クロマルハナバチの盗蜜行動自体は既にFHD動画で撮影済みです。
関連記事(4年前の撮影)▶ アベリアの花で盗蜜するクロマルハナバチ♀
今回は240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:34〜) 
アベリアの花筒の根元には盗蜜痕が残り、傷口が薄い褐色に変色しています。 
花筒に小さな盗蜜痕が既にある場合、クロマルハナバチ♀は目敏く見つけてそこに口吻を差し込んでいます(二次盗蜜者)。 
無傷の花筒に一番乗りで盗蜜する場合は大顎で噛み傷を付けるのではないかと推察されるのですが、そのような一次盗蜜者の行動を私は未だしっかり観察できていません。 
隣の花へ移動する際は、わざわざ飛ばずに歩いて行きます。 
次の花へ向かう途中、空中でホバリングしながらなぜか左右の後脚を互いに擦り合わせていました。 

本当に面白いのは、この先の話です。 
つづく→


【追記】
石井博『花と昆虫のしたたかで素敵な関係 受粉にまつわる生態学』という本のp190に「アベリアの花のつけ根に穴を開けて強奪型の盗蜜をするクロマルハナバチ」と題した見事な生態写真が掲載されていました。
花の破壊を伴わないタイプの盗蜜行為を「窃盗型盗蜜(または泥棒型盗蜜)」というのに対し、花筒の横に顎(または嘴)を使って穴を開け、そこから花蜜を吸うタイプの盗蜜を「強盗型盗蜜(または略奪型盗蜜)」といいます。(p189より)

雨上がりの堤防路に上陸したアメリカザリガニ♀と遊ぶ:威嚇・起き上がり運動・一時捕獲など

 

2021年7月中旬・午後12:15頃・くもり 

堤防路から水辺に降りる緩やかなスロープの舗装路を散歩する大型のアメリカザリガニ♀(Procambarus clarkii)を見つけて驚きました。 
雨上がりに湿地帯から上陸して、こんな上までスロープを自分の脚で登って来たようです。 
ザリガニは鰓呼吸ですが、鰓が濡れていれば陸上でも呼吸が可能なのです。
関連記事(1年前の撮影)▶ 干上がった小川の土手に巣穴を掘って隠れるアメリカザリガニ

私がカメラを持って近づくと、左右のハサミを同時に高々と振り上げて威嚇してきます。 
持っていたビニール傘の先で突こうとすると、ザリガニはハサミで反撃してきます。 
しかし反応がいまいち遅いので、怖くありません。 
アメリカザリガニはハサミで私を牽制しながら、じりじりとスロープを後退し始めました。 

アメリカザリガニを仰向けにひっくり返す度に、ジタバタ暴れてから5対の脚および尾を使って自力で起き上がりました。 
起き上がった後は威嚇姿勢(ファイティングポーズ)を続けています。 

隙を見てザリガニの頭胸甲の側面を左手で摘んで一時捕獲しました。 
ハサミで指を挟まれないように注意しながら、腹面や側面を接写。 
腹面の腹肢をよく見ると、この個体は♀と判明しました。 
囚われたアメリカザリガニ♀はハサミが使えなくても腹肢を背側に回して私の指を払いのけようとしています。 

左右のハサミを高々と持ち上げて威嚇誇示した際に、バランスを崩して自ら転ぶことがありました。 
それでもすぐに自力で起き上がります。 
15cm定規を横に置いて採寸しました。 
ザリガニの目の前に私が薄い定規を差し出しても、なかなかしっかり挟んでくれず、挟む力も弱いです。 
武器としては見掛け倒しでした。 
ハサミを閉じた状態で隙間ができるのが♀の特徴の1つなのだそうです。 

私がしつこく構ったせいで、アメリカザリガニ♀は顔の左側からブクブクと白い泡を吹き始めました。 
この位置に鰓があるのかな? 
撮影後はスロープの下に広がる湿地帯に戻してやりました。
(今後、外来種のアメリカザリガニは駆除の対象となりそうです。)

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