2012年10月中旬
スジボソヤマキチョウ♀(Gonepteryx aspasia)が林縁に咲く野菊(種名不詳)の群落に訪花していました。
吸蜜して次の花へ飛び立つ瞬間を220 fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
ひらひらと舞う羽ばたきが優雅ですね。
秋風が吹いて虫撮りには悪条件でしたが、スローモーションで見れば気になりません。
保育社『標準原色図鑑全集1蝶・蛾』p28によると、本種の雌雄の見分け方として、
♂の翅の色は濃黄色であるが、♀はやや薄く青みを帯びた白色で、外観から♂♀は容易に見分けられる。
2012年10月中旬
雑木林でエナガ(Aegithalos caudatus)の群れが鳴き交わしながら樹上で採食していました。
枝から枝へ飛び回り、葉裏をつついています。樹種は不明。
【追記】
採食メニューが何なのか、映像では突き止められませんでしたが、中村登流『エナガの群れ社会』によると、
エナガの食物は、かなり変わっている。アブラムシの卵とか成虫などを食べていることが多い。少なくとも昆虫食に相当偏っていて、カラ類のように種子などは食べない。 (p209より引用)
エナガの鳴き声を声紋解析してみる
いつものように元のMTS動画ファイルから音声をWAVファイルにデコードしてから、スペクトログラムを描いてみました。
ピーピーピー♪という鋭い鳴き声を発した初めの2回の部分を8秒間だけ切り出しました。
【追記】
松原卓二『エナガのねぐら』という素敵な本(写真集)を読むと、p88に様々な鳴き声についてその意味がまとめてありました。
ピーピーピー(チーチーチーと聞こえることも)
群れ全体に「おーい」と呼びかけるときの声。群れのリーダーが移動時に発したり、群れからはぐれた個体が仲間を探すときに、この声を出します。カラ類の出すピーピーピー声とそっくりです。
2012年10月中旬
右翅の損傷して飛べないチャイロスズメバチ♀(Vespa dybowskii)を採集した翌日に蜂蜜を一滴与えてみると、舌を伸ばして舐め始めました。
おとなしく吸蜜している間に顔正面から接写すると触角が12節あったので♀と確定しました。(♂は13節)
見るからに頑強な大顎が印象的です。
スズメバチ♀の腹部は体節を数えると6です。(♂は7)
つづく