2022/12/20

木の根から滲み出る樹液を舐めるスジクワガタ♂

 

2022年8月中旬・午前9:40頃・くもり 

里山をつづら折れで登る細い山道で、地面に半ば埋もれた木の根っこ(樹種不明)の下に開いた穴にスジクワガタ♂(Dorcus striatipennis striatipennis)が潜んでいました。 
初めはただの落枝が埋もれかけているだけかと思いきや、木の根っこでした。
周囲は二次林(雑木林) ですが、どの木に繋がっている根っこなのか、分かりませんでした。

スジクワガタ♂にズームインしてみると、口吻を伸縮させて樹液を舐めていました。 
大顎に細かい木屑が付着しているということは、木の根っこを傷つけて樹液の分泌を促しているのかもしれません。 

動画とは別に写真でも記録したら、穴の左奥に別個体のお尻も写っていました。 (下に掲載した1枚目の写真)
スジクワガタの♀♂つがいだったのかもしれません。 
現場では2匹目の存在に全く気づきませんでした。 
私はクワガタムシの生態について詳しくないのですが、スジクワガタは木の幹の樹液酒場よりも、なぜか木の根っこに好んで集まる習性があるようです。
関連記事(8年前の撮影)▶  
苔むしたコナラの根際で争うスジクワガタ♂ 
コナラの根際でスジクワガタ♂が地面に穴掘り
スジクワガタ♂の他に、クロクサアリLasius fuji)のワーカー♀も木の根っこの樹液酒場に群がっていました。 
周囲ではエゾゼミ♂、ミンミンゼミ♂、ウグイス♂などが鳴いています。 

撮影後に同定するため採集してみるとスジクワガタ♂で、かなり小型の個体でした。 
持ち帰って、2匹のコクワガタ♂と一緒に飼育することにしました。


【追記】
wikipediaではスジクワガタの食性について、以下のように説明しています。
山地ではヤナギ、ミズナラ、白樺などの樹液に集まるが、樹液を出す樹木が少ないため、ヒメオオクワガタのように枝先などで自ら樹皮を削る、もしくはヒメオオクワガタのおこぼれに与るように一緒か、その食痕の樹液を吸っていることもある。樹液目当てに樹皮を削る行動はミヤマクワガタやヒメオオクワガタなどにも見られるように、主にメスが行う。また、樹液だけではなく草の茎をかじって液を吸うことや落下した栗の実の中に潜み、それを食す例もあり樹液以外にも摂食対象としている。都市部の僅かな樹木の生える公園などでも生息できるコクワガタ同様、僅かな量の樹液でも生息するには十分な様で、小さな餌場に多数の個体が群がる光景も時折観察される。なお競合種の多い地域では、他の甲虫類が多く集まる様な大量の樹液が流れる場所ではなく、他の虫が寄り付かない様な少量の樹液の流れる樹木にひっそりと集まる姿も見られ、同所的な棲み分けとも言える行動を取る場合もある。


私の乏しい経験と照らし合わせて納得できたのは、最後の下線部の記述だけです。

スジクワガタは樹液酒場を巡る闘争で弱い(序列が低い)ことが予想されます。 

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