2018年7月下旬・午後16:30〜16:34
里山の雑木林で朽ちかけた倒木の上を見慣れない地味なカミキリムシが歩き回っていました。
鞘翅が短くて後翅が剥き出しの個体です。
やがて、剥がれかけた樹皮の裏の隙間に潜り込みました。
朽木は幹だけで、特徴となる枯葉の付いた枝がもう残っておらず、私には樹種が見分けられません。(広葉樹であることは確かです。コナラかミズナラ?)
倒木の苔むした樹皮をバリバリ剥がすと、潜んでいたカミキリムシが現れました。
すぐには逃げずにじっとしていました。
ヤスデの仲間も樹皮の裏に1匹見つかりました。
樹皮裏は古いフラス(穿孔性昆虫が排泄した糞)が詰まっていました。
私の知らない種類のカミキリムシなので、撮影直後に採集。
以下は標本の写真。
鞘翅が短いのは、異常な羽化不全個体ではなく、そういう種類のカミキリムシなのだろう。
と思い直し、図鑑などで調べてみるとコバネカミキリ(Psephactus remiger remiger)と判明。
次に機会があれば、短翅による飛翔シーンを観察してみたいものです。
この個体は♀ですかね?
カミキリムシに疎い私は形態(触角の長さ?)で性別が見分けられません。
樹皮の隙間に潜り込んだのはてっきり♀が産卵するためかと思ったのですが、そうとも限らないようです。(♂の探雌行動だとしても納得できる)
鈴木知之『日本のカミキリムシハンドブック(旧版)』でコバネカミキリについて調べると、
ホストは広葉樹の白色腐朽材。(中略)
♂は日没前の薄暮時に現れ、朽ちた広葉樹の立ち枯れや倒木、シイタケほだ木の廃材の周囲を、♀を求めて飛翔する。昼間は、朽ち木の樹皮の隙間や脱出孔の中に潜んでいることが多い。♀は朽ち木の亀裂や他の昆虫が空けた脱出孔などに乳白色の卵を10卵ほどまとめて産む。(p16より引用)
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
コバネカミキリ@倒木(朽木)徘徊 |
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