高圧線の鉄塔#21でのハシボソガラス営巣記録#7
2017年6月上旬・夕方
ハシボソガラス(Corvus corone)の親鳥が一羽、鉄塔の左から高速で飛来し、直接帰巣しました。
親鳥から餌をもらって食べると、雛の一羽が頭を下げて尾羽を左右に細かく震わせました。
これが雛の排泄行動なのかな?
巣の周りの鉄骨が邪魔でよく見えないのですが、直後に親鳥がゼラチン質で覆われた新鮮な糞を嘴で巣から拾い上げたような気がしました。
すぐに巣から離れた親鳥はこちらへ向かって飛んで来て、高圧線に止まりました。
ムクドリの排糞行動では、出巣の際に親鳥が嘴に雛の糞を咥えて運び去る様子を何度も観察しています。
▼関連記事ところがハシボソガラスの場合は、嘴に糞を咥えて巣から飛び去るのを見たことがありません。
・雛の糞を巣の外へ捨てに行くムクドリ【野鳥:HD動画&ハイスピード動画】
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遠くてよく見えないだけかと思っていました。
私はてっきりカラスも嘴の先で咥えて排糞するのではないかと思い込んでいたのですが、宮崎学『カラスのお宅拝見!』によると、
(ハシボソガラスの)親鳥はヒナに餌をやると、つぎにヒナがだす糞を口に入れ、外へ捨てにいく。親ガラスの喉袋は、買い物袋にも、ゴミ袋にもなっている。(p80より引用)
送電線で親鳥は下を向いて嘴を開くと、雛の糞をボタボタっと落としました。
ペリットを吐き出したのではなく、ダラーっと糸を引くように軟便を捨てました。
親鳥の唾液や胃液も一緒に吐き出すのでしょうか?
背景の空が逆光になり、糞のシルエットがしっかり写ったのがラッキーでした。
排糞を終えた親鳥は嘴を足元の高圧線で拭います。
その後は飛び去らずにしばらく辺りを監視していました。
おそらく親鳥は、撮影ポイントを少しだけ移動した私のことを気にして、偵察に来たのでしょう。
高圧線を綱渡りのように歩いて近づいてきます。
念願だったカラスの排糞行動をバッチリ撮影出来て、感無量です。
実は昨年に一度だけ、偶然に撮っています。
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雛の糞を巣から捨てに行くハシボソガラス親鳥(野鳥)
今回はなんとか給餌と排糞シーンをセットで撮ろうとかなり粘って、遂に成功したので、大満足。
雛の糞を毎回わざわざ遠くまで捨てに行かなくても、巣から糞をそのまま鉄塔の下に落としても衛生面では別に問題ない気がします。
しかし、おそらくヘビなどの天敵を誘引することを懸念して用心しているのでしょう。
次に気になる疑問は、親鳥が排糞する場所は縄張り内で決まっているのか?という点です。
雛が巣立つまで、更にしつこく観察を続けます。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。(実際はもっと空が薄暗い)
つづく→#8:ハシボソガラス雛の羽ばたき練習(野鳥)
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