2011/09/09
エンマコオロギ♂が鳴かない夜:謎の行動
2011年9月上旬
一匹で飼育しているエンマコオロギ♂(Teleogryllus emma)がある晩、奇妙な行動を示しました。
いつもなら機嫌よく鳴いているはずの時刻なのに、飼育容器からブルブルと何やら聞き慣れない低い音が持続的に聞こえます。
覗いてみると、立ち止まったまま翅を激しく振るわせていました。
映像をよく見直すと前翅だけでなく後翅も振るわせています。
しかし鳴くときの翅の動きとは明らかに違います。
正常に鳴く際はもう少し前翅を立てています。
これは何か意味のある行動あるいは特殊な鳴き声なのだろうか?
ヒトの耳には聞こえない周波数(不可聴域)で鳴いているのかもしれません(超音波、あるいは低周波数)。
それとも異常行動(神経症状?)なのだろうか。
てっきり老化で発音器官が磨り減り鳴けなくなったのかと思いきや、しばらくしたら正常に鳴いたので一安心。
同じ行動をこの日は何度も目撃しました。
しかし照明下の動画に撮れたのはこの一回だけです。
映像の最後で跳躍しました。
もしかすると、飛び立つための準備運動なのだろうか?
夜蛾が飛び立つ前に体温を上げるため飛翔筋を激しく震わせる準備運動を連想しました。
独り身で寂しくなったエンマコオロギ♂が♀を求めて飼育容器から飛んで脱出したがっていたのかもしれません。
この不思議な行動について何かご存知の方がいらっしゃいましたらコメントを頂けると幸いです。
【追記】
後日、エンマコオロギの交尾行動を飼育下で観察した際にヒントが得られたかもしれません。
♀にマウントされた♂は精包を排出しながら激しく身震い(貧乏揺すり)しました。
つまり、上記の謎の行動も独身生活の長い♂が溜まった精包を出した可能性が考えられます。
当時は翅の動きにばかり気を取られて、腹端の様子は観察していませんでした。
謎の行動は一晩で何度も繰り返したので、この仮説は違うかもしれません。
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バッタ・キリギリス(直翅目),
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