2011/06/26

オオフタオビドロバチ♂尾端に生えた謎の刺状突起

昨年の夏(2010年8月)にオオフタオビドロバチが(Anterhynchium flavomarginatum)営巣していた竹筒トラップを回収し、中の独房から蜂の子を取り出し室内飼育していました。
関連記事はこちら→「オオフタオビドロバチの芋虫搬入」、「竹筒内のオオフタオビドロバチ幼虫R1ab」。


前蛹のまま越冬し、蛹を経てようやく成虫が羽化しました。
オオフタオビドロバチ成虫の性別判定法は体長が♀>♂としか知らなかったのですが、触角の先が鈎状に曲がるのがドロバチ科の雄蜂の特徴であると教えてもらいました
またこちらのサイトによると、オオフタオビドロバチ♂は触角第一節(根元)の前面半分が黄色になるようです。
おそらく触角の前面というのがポイントで、交尾に先立ち求愛の際に互いに顔を見て性別が分かるようになっているのでしょう(まさにお見合い)。


♀よりも先に♂が羽化する(雄性先熟)のは本で読んだ通りでした。
これについては別に記事を書く予定です。


死んだ♂二匹を眺めていると、尾端に気になるものを発見。


オオフタオビドロバチ♂2a(水色)

なんと、鋭く長い刺が二本生えているのです。
私は展翅の技術を知らないので、標本の腹端からピンセットで引き出した訳ではありません。
この状態で死んでいました。
一対の刺に挟まれるように、腹端中央から交尾器と思われる突起も伸びていました。
別個体の♂でも同じでした。


オオフタオビドロバチ♂4b(白色)

謎の刺は生きている状態の雄蜂には見られません。
自衛用に隠し持った武器かもしれません。
捕まえると毒針をもつ♀のように刺す真似をするかもしれない(ブラフ、行動擬態)と考えました。
これは昔教えてもらったキンケハラナガツチバチ♂の話からの連想です。
尾端に3本の鋭い刺を有し、捕まえると刺してくる。
関連記事はこちら→「キンケハラナガツチバチ♂の吸蜜」。



長い前置きはこれぐらいにして、実験した様子を動画に撮りました。
2011年6月中旬





実際にオオフタオビドロバチ♂の翅をピンセットや指で摘み上げてみると、腹部を捩って逃れようとします。
ところが暴れる♂の腹端をよく観察しても、一対の刺は伸びていませんでした。
素手で捕まえたときも指に針で刺される痛みは感じられず、大顎で噛み付いてくる反撃も少しくすぐったい程度でした。


という訳で、残念ながら私の素人予想は外れました。
よく考えてみると、ツチバチ♂の刺(偽毒針)は伸びたままである(伸縮性が無い)点が♀の毒針や今回のオオフタオビドロバチ♂の刺とは異なります。
オオフタオビドロバチ♂死骸の刺に指先で触れてみると、スズメバチ科♀の毒針より柔らかい印象でした。
蜂の体の解剖学について私はまるで無知なので、詳しい専門家にこの謎の刺状突起の正体(正式名称や機能)を教えてもらいたいです。
武器でないとしたら、交尾の際に把握器として使うのでしょうか。
飼育下で交尾時の結合部を観察してみれば機能が分かるかもしれません。
腹端から伸びる突起は蛹のときから目立っていたので、気になっていました。

追記
実は上の動画に示した素人実験は少し問題があるかもしれません。
後日、比較としてオオフタオビドロバチ♀を使って同様の動画を撮ってみたのですが、意外にも毒針を伸ばす様子は観察できませんでした。
謎は深まるばかりです。

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