2024/08/13

アナグマの旧営巣地に1〜2頭で来るホンドタヌキの諸活動:10月中旬〜下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年10月中旬〜下旬

ニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)に日夜通って来るホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の諸活動をまとめました。 

シーン0:10/12・午後14:38・晴れ・気温28℃(@0:00〜) 
シーン0:10/12・午後16:59・晴れ(@0:04〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
新旧2台の自動センサーカメラで2つの巣穴L、Rを監視しています。 


シーン1:10/15・午前11:28・気温11℃(@0:08〜) 
雨上がりでタヌキの毛皮が濡れています。 
2頭ペアで来たうちの1頭が巣口Lの匂いを嗅いでから中にスルリと潜り込みました。 
「同じ穴のむじな」の証拠映像を昼間に初めて撮れました。 
しばらくすると、侵入したタヌキは頭から外に飛び出しました。 
巣内で方向転換したことになります。 
獣道を左へ走って行きましたが、巣穴の主(アナグマ)は追いかけてきませんでした。 
留守だったのかな? 
タヌキは巣内のアナグマに威嚇されて走って逃げたのではなく、先行するパートナーに遅れを取ったので追いつこうとして走り出したのかもしれません。 


シーン2:10/15・午前11:27(@0:47〜) 
別アングルで設置した監視カメラでも同じシーンが撮れていました。 
タヌキのペアは二次林からセットに来ていました。 
立ち止まって身震いし、雨で濡れた毛皮の水気を切ります。 
走り去るタヌキにつられて、別個体も後を追って右へ駆けて行きました。 


シーン3:10/15・午後15:58(@1:27〜) 
右の二次林から登場したタヌキが地面の匂いを嗅ぎながら、忍び足でアナグマの巣口Rに近づきます。 


シーン4:10/15・午後15:58・気温12℃(@2:27〜) 
別アングルのトレイルカメラに続きが写っていました。 
獣道を通って右上奥へ歩き去りました。 
雨上がりなのか、レンズが一部曇っています。 


シーン5:10/17・午後17:00(@2:51〜) 
2頭のタヌキが仲良く横に並んでアナグマの巣口Rの匂いを嗅いでいました。 
1頭は左に立ち去ったものの、もう1頭は巣口Rに頭だけ突っ込んで何か虫をパクっと捕食したようです。 


シーン6:10/17・午後17:01・気温15℃(@3:51〜) 
薄暗いので、こちらのカメラでは赤外線の暗視モードで起動しました。 
アナグマの巣口Lの匂いを嗅いでから、左へ立ち去りました。 


シーン7:10/17・午後17:02(@4:51〜) 
奥の二次林へと立ち去りかけたのに、戻ってきてアナグマの巣口Rを点検してから左へ向かいました。 


シーン8:10/17・午後17:04(@5:16〜) 
獣道を右上奥へ全力疾走で走り去る2頭のタヌキが写っていました。 


シーン9:10/20・午後14:16(@5:22〜) 

シーン10:10/21・午前5:43・気温9℃(@5:25〜) 
小雨が降る夜明け前に、タヌキがペアでやって来て、アナグマの巣口Lの匂いを嗅いでいます。 
獣道を右上奥へ立ち去る前には、ミズキ立木の匂いを念入りに嗅ぎました。 
1頭が排尿マーキングする際に片足を持ち上げたので、♂と判明。 


シーン11:10/21・午前5:43・気温9℃(@5:53〜) 
別アングル(広角)の監視カメラでも同じシーンが撮れていました。 
時系列は逆ですね(シーン11➔シーン10)。 
奥の二次林からセットに来たタヌキの♀♂ペアがアナグマの巣口Rを点検してから左へ向かいます。 


シーン12:10/22・午後13:21・気温13℃(@6:36〜) 
右から来たタヌキ♂が獣道を右上奥へ立ち去る途中でミズキ立木に排尿マーキングして行きました。 
右後脚を上げて小便したので、♂と判明。 


シーン13:10/23・午後18:01・気温12℃(@7:11〜) 
単独のタヌキが奥の獣道を右上奥へ。 


シーン14:10/23・午後18:03・気温18℃(@7:11〜) 
後続個体はアナグマの巣口Lには立ち寄らず、少しショートカットして行きました。 
いつものように、獣道の横に立つミズキの根元の匂いを嗅いで(排尿マーキングしてから?)立ち去りました。 
手前に生えたマルバゴマギ灌木の枝が邪魔で、よく見えませんでした。 


シーン15:10/23・午後21:23・気温9℃(@7:11〜) 
左からやって来たタヌキが、ミズキの根元の匂いを嗅いで(排尿マーキングしてから?)立ち去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【余談】
1300年前の須恵器からタヌキの足跡が発見され話題に」 というネットニュースを見て興味深く思いました。
土器を焼く前の柔らかい状態のときにタヌキが踏んで歩き、足跡が付いたまま焼かれた土器が見つかったのだそうです。




朽木の樹皮を剥いで虫を探すカケスと木をつつくアオゲラ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年10月下旬・午前8:25頃・小雨・気温7℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地がある平地の二次林を自動センサーカメラで見張っていると、小雨が降る朝に、カケスGarrulus glandarius)が登場しました。
画面の左端手前にある朽ちかけたミズキの幹に止まって、樹皮を嘴で器用に剥がしていました。 
樹皮の裏側に隠れている虫を探しているようです。 
カケスのこのような探餌行動を見るのは初めてです。 
剥がれかけた樹皮の裏にドングリ堅果を隠した(貯食)可能性もありそうです。 
振り返ってカメラをしげしげと見つめてから、右へ飛び去りました。 

実は同じ映像で、左奥にある常緑ヒメアオキの茂みの奥で別の小鳥が採餌活動していました。 
画面の赤丸に注目。(@0:17〜) 
別個体のカケスがドングリの堅果を貯食中なのかと初めは思いました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイしてみると(@0:29〜)、どうやらアオゲラPicus awokera awokera)のようです。 
地表近くで灌木を嘴で何度もつついています。 


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2024/08/12

スギ林床で落ち葉を寄せ集めて巣口を隠す野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年10月下旬〜11月上旬 

平地のスギ防風林でたまたま見つけた野ネズミ(ノネズミ)の巣穴を自動センサーカメラで見張っています。 

シーン0:10/27・午後13:40(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
画面の左上隅に風倒木の朽ち果てた切株があります。 
 この切株の周囲には、野ネズミが食べた後のオニグルミの殻がたくさん捨てられていました。(門歯で殻をくり抜いた食痕つき) 
その手前の溝に、古い手押し車のフレームが錆びたまま放置されています。 
ここにニホンアナグマMeles anakuma)専用の溜め糞場stmpがあり、黒い軟便が残されています。 

杉防風林の林床にはスギの落ち葉が堆積しているだけでなく、広葉樹の落ち葉もあちこちに散乱しています。 
冒頭画面で示した赤丸が、野ネズミの巣穴の位置です。 


シーン1:10/27・午後18:19(@0:06〜) 
晩に落ち葉で隠蔽された巣口から外に出てきた野ネズミが林床で餌を探し回ります。 
フクロウなど上空から襲ってくる夜行性の捕食者が怖いのか、スギ落ち葉の下に隠れながら移動しています。 


シーン2:10/29・午前2:16(@0:32〜) 
深夜にスギ林床の巣口から外に出てきた野ネズミが、以前と同じルートを辿って探餌徘徊。 
アナグマの溜め糞場stmpには興味がなく、素通りしています。 


シーン3:10/29・午後21:41(@0:45〜)
巣口周辺の林床に散乱している落ち葉を口で咥えて引き寄せ、巣口を隠蔽しています。 
広葉樹の落ち葉だけでなく、針葉樹のスギ落ち葉も少しだけ運んで被せました。 
隠蔽工作が済むと、林床をうろつき始めます。 

手押し車のフレーム直下にスギ落葉層の下に潜り込むための穴が開いているのですが、それは隠蔽しようとしないのが興味深いです。 
あの穴は巣口とは違うのでしょう。 


シーン4:10/30・午後18:09(@1:26〜) 
晩に手押し車のフレームの左下でスギ落ち葉の下に野ネズミの白く光る目が動き回っています。 
用心深く地表にようやく出てくると、落ち葉で隠蔽された巣口に潜り込みました。 
入巣の直前にちょっと迷ったのは、仮想敵に対してフェイントを掛けたのか、それとも暗闇で本当に迷ってしまったのか、どちらでしょう? 
巣口の目印として、落ち葉を被せておいた可能性もありそうです。 


シーン5:10/30・午後23:22(@2:05〜) 
深夜に野ネズミが林床で落ち葉を次々に拾い集めて運び、巣口を念入りに隠蔽しています。 
昼間にスギ林床で採餌するシロハラなどの野鳥が落ち葉めくりをして撹乱するため、夜な夜な修復が必要なのかもしれません。(映像公開予定) 
だとすると、巣口に落ち葉を被せる目的はカモフラージュ(隠蔽偽装)ではなく目印のため、という可能性が高まってきたかもしれません。 

その後は珍しくアナグマの溜め糞場stmpに立ち寄りました。 
黒っぽく見える溜め糞そのものではなく、その周囲の落ち葉を調べているようです。 
アナグマの糞の上を歩くことに野ネズミは衛生的に何ら抵抗を感じていません。 
その後は左から回り込んで切株の裏へ向かいました。 


シーン6:10/31・午前1:40(@3:03〜) 
深夜に巣口から外に出てきた野ネズミが、いつもと同じルートで探索しています。 


シーン7:11/1・午後17:24(@3:36〜)日の入り時刻は午後16:44。 
日没後に野ネズミが手押し車フレーム直下の穴から外に出てきました。 
入巣しかけたのになぜか引き返して、スギ落葉層の下に潜り込みました。 
その後は、いつもの決まったルートで探索開始。 


シーン8:11/2・午前5:16(@4:19〜)日の出時刻は午前6:02。 
夜明け前に雨が降っていました。 
画面の左下から走ってきた野ネズミが、落ち葉で隠蔽された巣穴に入りました。 
ところが、わずか9秒後に同じ巣口から再び外に出てくると、右に立ち去りました。 
(別個体の可能性もありますが、個体識別ができていません。) 


シーン9:11/2・午後18:13(@4:46〜) 
同じ日の晩に、野ネズミが巣口から顔だけ外に出して辺りを警戒しています。 
残念ながら、すぐに録画が切れてしまいました。 


シーン10:11/4・午前4:27(@4:53〜) 
未明に餌探しから戻った野ネズミが、巣穴に戻りました。 


シーン11:11/4・午後21:05(@5:00〜) 
珍しくアナグマの溜め糞場stmpに来ていた野ネズミが、スギ林床をウロチョロし始めました。 
やがて広葉樹の大きな落ち葉を口に咥えて運び、巣口に被せて隠蔽工作。 
次は小さな落ち葉を2枚続けて咥えて運び、巣口に被せました。 


シーン12:11/5・午後21:05(@6:01〜) 
野ネズミが巣口の落ち葉をかき分けるように入巣しました。 



最後に、野ネズミが落ち葉を拾い集めて巣口に寄せ集める行動だけをまとめて、1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@6:09〜) 
この行動は野ネズミの知性を強く感じさせて、個人的にとても好きです。
何度見ても飽きません。



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