2023/09/19

川の岸辺で寝ているカモに2頭のイエネコが深夜に相次いで忍び寄る【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年3月中旬

中州横の川辺に残されたタヌキの溜め糞場wnを監視する自動撮影カメラに、イエネコFelis silvestris catus)が一晩になんと2頭も写っていました。 


シーン1:3/14・午前1:08・(@0:00〜) 
早春の川岸は残雪が溶けてどんどん薄くなり、地面がパッチ状に露出しています。 
深夜にネコが右から登場しました。(赤丸に注目) 
なんとなく三毛猫のように見えますが、モノクロの暗視映像では体色が分かりません。 

倒木を跨ぎ、奥の川辺へ慎重に忍び寄ろうとしています。 
どうやら川の左岸に塒入りしたカモ類(カルガモやマガモなど)を狩ろうとしているようです。 
これまで夜も川の方からときどきカモが鳴き騒ぐ声がするので、それを聞きつけてネコがやって来たのでしょう。 
しかし、ネコが川面を覗き込んでも、寝ているカモ類は居なかったようです。 (逃げられた?)

三毛猫?が振り返ると、両目のタペータムが爛々と光っています。 
赤外線カメラに頼らなくても、暗闇でもよく見えるネコの目が羨ましいです。 

凍結した残雪の上を歩いて戻り始めました。 
雪面の匂いを嗅ぎながら、ゆっくりカメラの方に近づいて来ます。 
左右の肩(首の後ろ)に黒点が目立ちます。 
タヌキの溜め糞場wnの匂いに気づいたようで、頻りに嗅ぎ回っています。(@1:14〜) 
最後は左に(川下へ)立ち去りました。 



雪深い厳冬期にはイエネコはこの河畔林に現れませんでした。
春はネコの発情期ですから、おそらく♀を探し求めて♂が出歩くようになったと考えたくなります。 
しかし三毛猫の♂は極稀なので、空腹の三毛猫♀が狩りモードで探餌徘徊していたのでしょう。 
河畔林の林床には獲物となる野ネズミも出没しているはずです。 


シーン2:3/14・午前5:00・(@1:40〜) 
3時間50分後の未明に、左から別個体のネコbが現れました。 
体の斑紋から明らかに先程の三毛猫とは異なる個体と分かります。 
タヌキの溜め糞場wnを迂回しながら右へ歩いて行きます。 

6分30秒後に、奥の川辺りを右から戻って来ました。(赤丸@1:56〜) 
忍び足で水際に近寄ると、少し背伸びして下の川面を覗き込みました。
川面や中州の様子を窺っています。 
左岸に集まって寝ているカモ類の集団塒を襲う気満々です。 

夜行性のイエネコが野外で狩りをする瞬間がトレイルカメラで撮れたら最高です。 
しかし、獲物の近くまで首尾よく忍び寄ったところで、冷たい雪解け水の川に飛び込んでカモを狩る気が本当にあるのでしょうか? 
野生のイリオモテヤマネコやツシマヤマネコとは異なり、日本の飼い猫は水を嫌いますから、まさか本気でカモを狩るつもりはないでしょう。 
家から抜け出した飼い猫がただ好奇心に駆られて水鳥に忍び寄り、狩猟本能を満足させるのかな?

このとき画面の左で、カモと思しき水鳥が暗い川面をスーッと下流に流されて行く様子がかすかに写っていました。(@2:02〜)
カルガモは警戒心がおそろしく強いので、忍び寄るネコの気配を感じて静かに離れて行ったのでしょう。
逃げる際にけたたましい警戒声を発しなかったのが意外でした。
あるいは暗闇で忍び寄る猫にカモが全く気づいてなかった可能性もあり、夜も寝ないで川面を気ままに遊泳している個体がいるのかもしれません。
カモ類の集団塒にトレイルカメラを設置して夜の様子を撮影するのも面白そうです。
夜は安全な中州に集結して寝るのかな?

※ ネコが遠い川岸に行ったシーンだけ動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 


シーン3:3/14・午前6:14・(@2:50〜)
夜が明けて明るくなりました。
この日の日の出時刻は午前5:50です。 
早朝の川ではカルガモAnas zonorhyncha)の群れが遊泳しています。 
右に(川上に向かって)少し遡上した個体が、朝の水浴びを始めました。(@3:04〜) 
川面をスーッと横に移動して中州の方へ行く個体もいます。 
足の水かきで遡上しながら水流に対して体を少し斜めに向けるだけで、水流の力を利用して対岸へ楽に渡ることができるのです。(ベクトルの合成)
カヌーの経験者にはお馴染みの基本スキルです。 

早春の公園で落ち葉をめくって虫を探し捕食するツグミ(冬の野鳥)

 

2023年3月中旬・午後12:00頃・晴れ 

川沿いの公園に立ち寄ると、雪がほとんど溶けていました。 
水溜りの横に1羽のツグミTurdus eunomus)を発見。 
飲水や水浴を始めるかと期待して私がカメラを向けたら、ツグミは警戒したのか水溜りから離れてしまいました。 
断続的に小走りし、私から少しずつ離れて行きます。 
走る際には頭を下げて前傾姿勢になります。 

地面は枯れ草や落ち葉に覆われ、溶け残った残雪が未だ少しあります。 
そんな環境でツグミが立ち止まると、見事な保護色で見つけにくいのが実感できます。 
私のカメラでは被写体としてツグミを自動認識・追随できません。 
公園の築山に植栽されたカシワには茶色の枯れ葉が枝に残ったまま(カシワの特徴)ですが、一部の枯れ葉は落ち葉となって地面に散乱しています。 

やがてツグミは地面に散乱する落ち葉を丹念にめくって獲物となる虫を探し始めました。(@0:51〜) 
急に振り返って駆け寄ると、地面に居た虫を捕食しました。(獲物の正体は不明 @1:04〜) 
落ち葉をめくるというよりも、嘴で横に素早く跳ね除けることが多いです。 
落ち葉の葉柄を咥えて持ち上げて移動させることもありました。(カシワの落ち葉は裏返らず)(@2:09〜) 
それから、苔や芝生に覆われた地面に嘴を素早く突き刺して、穴を掘ることもありました。 

雪が完全に溶けた築山を駆け上がると、大きな庭石に登りました。 
見晴らしの良い高台から周囲をしばらく見回すと、庭石の背後に下りて姿を消しました。
どうも私に対する警戒を最後まで解いてくれなかった印象です。    



2023/09/18

溜め糞場の近くで残雪に倒れた笹に排尿マーキングするホンドタヌキ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年3月上旬 

笹薮に囲まれた河畔林の溜め糞場に残された最大級の溜め糞場rpを見張る監視カメラの記録映像です。 

シーン1:3/9・午後20:06・気温6℃・(@0:00〜) 
軽い吹雪が降る晩に、オニグルミ大木の背後から右へ回り込むようにホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が登場しました。 
残雪上に倒伏したササの匂いを嗅いでから、跨いで立ち止まりました。 
腰を落として排尿マーキングしたようです。(@0:03〜) 
排尿時に片足を上げるのではなく、腰を落としたので、この個体は♀と思われます。 
溜め糞場rpには立ち寄らずに、右手前に通り過ぎました。 





シーン2:3/10・午前3:41・気温0℃・(@0:14〜) 
3時間10分後に右から♀aがやって来ました。 
溜め糞場rpの匂いをチェックしただけで奥に立ち去ります。 
その途中で、残雪上に倒伏したササを跨ぎながら腰を落として小便を少量ひっかけました。 (@0:24〜)
排尿姿勢から、この個体も♀と分かります。 

♀aと入れ替わるように、右からパートナーの♂bが登場。 
溜め糞場rpには寄り道しないで、先行する♀aの後を追います。 
♀aが排尿マーキングしたばかりの笹の匂いを嗅ぎながら、小声でクゥーン♪と鳴きました。(@0:37〜) 
非常にかすかな鳴き声なので、ボリュームを上げてヘッドフォンを使わないと聞き取れないかもしれません。
尿の匂いで♀の発情状態をチェックしているのでしょう。 
タヌキも異性のフェロモンの匂いを嗅いだ際にフレーメン反応するのでしょうか?
ネット検索で調べると、イヌにもフレーメン反応があるらしいので、同じイヌ科のタヌキもやりそうです。
この後、♂bは残雪上に倒伏した笹を跨いで通り過ぎ、自分ではマーキングしませんでした。 


シーン1と2で同じ対象物に排尿マーキングした♀が同一個体なのか別個体なのか、とても重要なポイントです。 
しかし、私には未だ個体識別できません(見分けられません)。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工し、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 



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