2022/12/30

夜にシナノキ灌木を駆け下りるヒメネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年8月下旬 

里山の林道にある水溜り(ヌタ場?)をトレイルカメラで見下ろすように監視していると、深夜に野ネズミが登場しました。 

林道脇の斜面(法面)から若いシナノキがヌタ場に張り出すように湾曲しながら伸びています。 
これは豪雪地帯の斜面に生えた樹木に特有の樹形(成長様式)です。 
実生や幼木の時期に深い雪に埋もれてしまうと、その重い雪の層が重力に従って斜面をずり落ちるために、幼木は斜面に沿って谷側に倒伏してしまいます。 
雪解けまで耐えた個体がようやく幹を上方に伸ばすことができるのです。 
幹がしっかり太くなるまで、積雪による強烈な変形荷重が毎年冬になると繰り返されます。
その結果、根元付近の下部では幹が強く湾曲します。 
そのような不格好な樹形になるのを避けるには、庭木のように補強材で冬囲いして幼木を1本ずつ守るか、ある程度まっすぐに太く育った苗木を山に植えるしかありません。 
画角の外に見切れてしまっていますが、このシナノキ灌木は湾曲のロスを取り返すように結構な樹高があります。(3m以上?)

シーン1:8/25・午後23:00頃 
状況説明が長くなりましたが、その若いシナノキのグィーンと曲がった細い幹を野ネズミが駆け下りてきました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
逆に木登りの様子が記録されていなかったのは残念です。 
これまで私は野ネズミの種類を外見で見分けられませんでしたが、これほど木登りが上手なのは、アカネズミではなくヒメネズミApodemus argenteus)です。 


シーン2:8/26・午前1:20頃 (@0:25〜) 
約2時間25分後、自動撮影カメラが再び起動すると、細かい雨が斜めに降り注いでいました。
体の小さな野ネズミは雨に濡れたら夏でもすぐに低体温症になりそうな気がするのですが、平気で活動しています。 
おそらく毛皮の撥水性が高くて雨水をよく弾くのでしょう。 
雨夜の暗闇で餌を探し回るヒメネズミは若いシナノキの根元に移動し、手前の死角に消えました。 


クサコアカソの群落でアカタテハ終齢幼虫の巣を見つけた!

 

2022年8月下旬・午後13:05頃・晴れ 

里山を下山中、道端に生えたクサコアカソ群落にアカタテハVanessa indica)の幼虫が作った巣を見つけました。 
クサコアカソの花粉が風で飛散しています。(風媒花)
関連記事(1年前の撮影)▶ 風媒花アカソの花粉が飛散する様子【HD動画&ハイスピード動画】
クサコアカソの株の最上部で数枚の若い葉を絹糸で綴り合わせて隠れ家が作られていました。 
花後の果穂も巣材の葉と一緒に巻き込まれています。 
成虫♀(母親)が子供のために作ったものではなく、幼虫自身が食草を綴って作ったものですから、この構造物を「巣」と呼ぶのは昆虫学の定義上は間違っています。 
正しくは隠れ家(シェルター)と呼ぶべきでしょう。 
しかし、「アカタテハ幼虫の巣」という俗称が世間に定着してしまっているので、私も不本意ながら巣と呼ぶことにします。 
アカタテハ幼虫の隠れ家は特徴的なので、予備知識さえあれば逆に探しやすくなってしまうのは皮肉です。

巣内に幼虫が排泄した黒い糞が大量に残されていました。 
糞の匂いで寄生蜂や寄生バエが誘引されそうなのに、どうして放置しておくのか不思議です。 

動画を撮りながら巣材の葉を1枚ペリペリとめくると、巣内に棘だらけの毛虫が現れました。
この棘は見掛け倒しで、ヒトが手で触れても全く痛くありません。 
巣を暴かれたアカタテハ幼虫は少し身動きしたものの、特に暴れたり威嚇したりしませんでした。 

巣ごと持ち帰って飼育してみましょう。 
クサコアカソという植物は今回初めて見つけたのですが、普通のアカソなら近所で調達可能ですし、食草として喜んで食べてくれるはずです。
採集した時点で終齢幼虫であったことが後に判明します。 

2022/12/29

明け方の溜め糞場で虫を探すクロツグミ?(野鳥)【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年8月下旬・

里山のスギ林道にあるアナグマとタヌキの共用溜め糞場sを自動撮影カメラ(トレイルカメラ)で見張っていると、新たな興味深い動きがありました。 

シーン1:8/22・午前4:56・気温20℃(日の出時刻は午前4:57) 
日の出直前の杉林はまだ暗く、暗視モードでの撮影になります。 
現場は東向きの斜面ですが、東の山並みから太陽が昇るので、公式の日の出時刻よりも遅れます。
2羽の黒い野鳥が林道上に来ていました。 
♀♂ペアなのでしょうか?
しかし、1羽が別個体を追い払っているように見えます。 
溜め糞場sに集まる糞食性の昆虫を独占して捕食するつもりなのかな? 
ちなみに、2日前の8/20にタヌキとアナグマがここで排便しています。 

黒い鳥は腹面が白っぽく、クロツグミTurdus cardis)ではないかと思うのですが、どうでしょうか?(自信なし) 
スギの落ち葉が敷き詰められた林道で餌を探し始めました。(探餌行動) 
アナグマが残した溜め糞のすぐ横で、クロツグミ?はスギの落葉を嘴で次々に持ち上げたり払いのけるようにめくったりして、下に隠れている虫を探しているようです。 
もしかして、逃げた個体に対して威嚇誇示する意味もあるのかな? 
残念ながら虫を捕食するシーンは撮れていません。 
ピョンピョン跳んで(ホッピング)林道を右に立ち去りました。 


シーン2:8/23・午前2:12・気温22℃ (@0:40〜) 
翌日の深夜未明にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が溜め糞場sに来て排便しました。 


シーン3:8/23・午前4:56・気温22℃(日の出時刻は午前4:58) (@0:54〜) 
2日連続で同じ時間帯(夜明け直前)に黒い鳥が登場しました。 
この辺りを縄張りとする同一個体なのかもしれません。 
約2時間40分前にタヌキが排泄したばかりの新鮮な糞塊の上にクロツグミ?が乗っていました。 
溜め糞から黒い糞虫?が慌てて這い出て来たのに、鳥は気づかず左に飛び降りて立ち去りました。 
今回は落葉めくりをしませんでした。



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