2021/06/22

朝の川から群れで飛び立つコハクチョウの雄姿【HD動画&ハイスピード動画】(冬の野鳥)

 

2021年3月下旬・午前6:20、6:55、7:10、735および7:40・晴れ 

コハクチョウCygnus columbianus bewickii)の越冬群が毎晩集まって一緒に眠る集団塒の川があります。 
朝日が登ると白鳥の群れは続々と川から飛び去り、朝の採食に出かけます。 
大型の水鳥であるコハクチョウが一斉に助走を始め、川面から飛び立つ様子は何回見ても感動します。 

白鳥はまず、川面で上流を向いて隊列を整えてから首を上下に動かし、鳴き交わし始めます。 
群れの離陸準備が整い鳴き交わしが最高潮に達すると、翼を広げ力強く羽ばたきながら上流に向かって助走を始めます。 
川から飛び立つとそのまま隊列(雁行陣)を組んで採食地へ向かいます。 
我ながら大迫力の映像が撮れました。 

次は離陸直後の羽ばたきを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:35〜) 
高度が充分に上がるまでは、翼を打ち下ろすたびに先端の羽根が水面に触れています。 
羽繕いで油分を含ませた羽根は水を弾くので、濡れて重くなることはありません。

 

↑【おまけの動画】 
 同じ日の午前5:20分頃、カメラの位置や画角をしっかり決める前に白鳥の第一陣による離塒が始まってしまいました。
慌てて撮り始めたのでいまいちの映像ですが、個人的な記録としてブログ限定で公開しておきます。
単独で飛び去る一匹狼の個体もいるのですね。

浅い繁殖池の底に隠れるヤマアカガエルの群れ

前回の記事:▶ 繁殖池の岸辺の枯草に潜り込むヤマアカガエルの抱接ペア♀♂

2021年3月中旬・午後12:10〜13:15・くもり 

残雪に覆われた里山の緩斜面に2つ並んでいるヤマアカガエルRana ornativentris)の繁殖池のうち、低いところにある小さくて浅い池L(lower)についての記録です。 
深い池Hと異なり、夏になると抽水植物が生えるのがこの池Lの特徴です。 
池Hと比べて池Lに集まるヤマアカガエルの数は少ないようですけど、3日前に見たときは無かった卵塊が岸辺に少し産みつけられていました。
私が現場入りする直前まで♂が鳴いていたのに、残雪の上を歩き回る私の足音に警戒して鳴き止み、水中に潜って隠れてしまいました。 
長時間待っても警戒を解いてくれません。 
私が池畔に近づいただけで驚いたヤマアカガエルが岸辺から水底に慌てて潜ってしまいます。 

この池Lは水深が浅いので、水中に潜んでいるカエルが比較的鮮明に写っています。 
水中に潜んでいるカエルの体表を赤外線温度計で測ってみると、水温は3.1℃でした。
小型の個体は♂だと思うのですが、中型・大型の個体の性別が私には外見で見分けられません。 
水中に♀が単独で居たら周りの独身♂が放っておくはずがありませんから、登場個体はおそらくすべて♂だろうと予想しています。(間違っていたらご指摘願います。) 
池の底で泥の上にじっとしていると、見事な保護色になっていて見つけるのは困難です。 
目をつぶっているので冬眠状態なのかと思いきや、前足で頭を掻きました。 
池の底を移動し始め、泥(堆積物)の底に潜り込んで身を潜めました。 
どうやら私に見られていることを気づいているようです。 

水中で2匹目を見つけて撮り始めたら泳いで移動し、岸辺へ上がってきました。 
ここで縄張りを張り、♀が来るのを待ち構えるようです。 
水中で枯れた抽水植物の上で休んでいる個体もいました。 

池Lの底に隠れているヤマアカガエル♂のうち1匹が少しでも動くと、連鎖反応のように互いに居場所が入れ替わります。 
♀と抱接ペアを形成する♂は早い者勝ちですから、独身♂は近くで動く物に対して何でも反射的に跳びつかないといけないのです(誤認抱接)。 
しかし今回は蛙合戦と呼ぶほど激しい展開にはならず、相手に軽く触れただけですぐに別れたので全て♂なのでしょう。 
岸辺と異なり、池の底では♂同士の縄張り争いは起こりません。 


早春の池でヤマアカガエルの繁殖行動を初めて観察してみたのですが、残念ながら産卵行動まで見届けることはできませんでした。
あえて予習せずに観察を始めたのですけど、とにかく警戒心が強くて難しかったです。 
わずか2回(3日おきの2日間)の観察では分かったことよりも疑問や課題の方が多いので、来季の調査が今から楽しみです。 
抱接ペア形成の瞬間も見れていません。 
池の底で冬眠することも確認する必要があるます。 

雪国のヤマアカガエルの繁殖行動は暖地の個体群と少し異なるのではないか?と個人的には疑っています。 
当地のヤマアカガエルは定説に反して、独身♂が繁殖池の岸辺に並んで縄張り争いをしているように見えたのです。
 
↑ 【おまけの動画】 

この池Lを見ていて不思議だったのは、池の水が一部白濁していることです。
今回メインで紹介した動画でもラストシーンに写っています。
てっきりヤマアカガエル♂が放精したのかと私は早とちりしたのですが、その辺りを探しても抱接ペアや卵塊は見当たりませんでした。 
池の底でカエルが慌てて動き回る際に水底の泥を巻き上げた訳でもありません。

首をひねりつつ観察を続けると、池Lの岸からときどき白い泥が流れ込んで水中に拡散していると判明しました。 
白濁した泥水が雲のようにモクモクと水中に流れ込んでいます。 
斜面の上にある池Hから溢れた雪解け水が常にチョロチョロと下の池Lに流入するのに、白い泥水の流入はなぜか間欠的です。 
2つの池H、Lの間の土壌がときどき崩れているようです。 
ヤマアカガエルの繁殖活動とは直接の関係は無いものの、いずれ池Lの養分となるのでしょう。 
池Lが池Hよりも水深が浅いのは、このように土壌が少しずつ流入してきた結果と分かりました。 
抽水植物が毎年冬に枯れて腐った遺骸も池Lの底に溜まっていきます。 
生態学の教科書に書いてある湿性遷移がまさに進行中の現場なのだと納得しました。 

最後に池Lの全景を撮った写真を掲載しておきます。(別アングル)

2021/06/21

緑のイモムシを巣に運ぶアリ

 

2019年9月下旬・午後14:30頃・晴れ 

河原のコンクリート護岸の上をクロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀が獲物を引きずって巣に運んでいました。 
蟻は緑色の青虫(種名不詳の幼虫)の細長い体の中央部を咥えて、後ろ向きに引きずって歩いています。 
イモムシはなぜか少し萎びている印象で、腹面を向けているために種類が見分けられませんでした。 
面倒でもアリから一時的に獲物を取り上げて、写真に記録すべきでしたね。 


この河原ではジガバチ♀が活動していたので、もしかするとジガバチが麻酔した獲物を運搬中に落としてしまい、その落とし物をアリが持ち去ったのではないか?となんとなく妄想しました。
実はこのコンクリート護岸で借坑性のハキリバチが営巣していて、私はその定点観察観察に来たのです。
妙に細長い葉片を運んでいるように見えてギョッとして撮り始めたらアリでした。

ランダムに記事を読む

  • ソバナの花で採餌するトラマルハナバチ♀09/10/2016 - 0 Comments
  • 落ち葉をめくって獲物を探すスズメ(野鳥)15/05/2016 - 0 Comments
  • 夜のミズナラ樹液酒場に来たオオシマカラスヨトウ(蛾)20/11/2014 - 0 Comments
  • ニラの花蜜を吸うオオフタオビドロバチ24/11/2015 - 0 Comments
  • 虫を捕食するヒガシニホントカゲ幼体20/10/2015 - 0 Comments