2020/01/31

オミナエシの花蜜を吸うニホンミツバチ♀



2019年9月中旬

家庭菜園の一角に咲いたオミナエシニホンミツバチApis cerana japonica)のワーカー♀が訪花していました。
吸蜜している個体の後脚を見ると花粉籠は空荷でした。
複数個体を撮影。

オミナエシという花にこれまで私はあまり馴染みがなかったのですが、今回はなんとも形容し難い独特の悪臭が気になりました。
平凡社『世界大百科事典』でオミナエシの項目を引くと、

においが腐った豆醤とうしょう(豆で作ったひしお)に似ているため中国では敗醤はいしょうの名があり,オミナエシやオトコエシを生けたあとの水には悪臭がある。
この悪臭でハエ類を誘引して送粉者として利用する魂胆なのでしょうか?
確かにこのときキンバエの仲間(およびスコットカメムシ?)も訪花していたのですが、撮り忘れました。

ニホンミツバチ♀@オミナエシ訪花吸蜜
ニホンミツバチ♀@オミナエシ訪花吸蜜

オミナエシ花
オミナエシ花
オミナエシ葉
オミナエシ花・全景

トビイロスズメ(蛾)の幼虫を見つけた!



2019年9月中旬

トビイロスズメ(蛾)幼虫の飼育記録#1


堤防の道端に自生するニセアカシア(別名ハリエンジュ)灌木の葉裏に緑色の丸々と太った芋虫を見つけました。
トビイロスズメClanis bilineata tsingtauica)の幼虫です。
体長を採寸すると約45mm。
腹端に尻尾のような曲がった尾角があります。
本種の食草はマメ科植物で、ニセアカシアも含まれていますが、この個体が休んでいたニセアカシアの葉に食痕は見当たりませんでした。
ニセアカシアの枝には寄生植物のアメリカネナシカズラの蔓が絡みつき、白い花が咲いていました。

下を向いてじっとしているので、脱皮前の眠状態なのかな?
枝ごと採集して持ち帰り、飼育してみることにしました。
剪定バサミを持参し忘れたので、枝の棘が手に刺さらないように注意しながら小型ナイフで鉛筆削りの要領で、葉の付いた枝をそっと切り落としました。



つづく→ニセアカシアの葉を蚕食するトビイロスズメ(蛾)幼虫【30倍速映像】

トビイロスズメ(蛾)幼虫:側面@ニセアカシア葉裏
トビイロスズメ(蛾)幼虫:背面@ニセアカシア葉裏
トビイロスズメ(蛾)幼虫@ニセアカシア葉裏・全景

2020/01/30

探索飛翔を繰り返すウラギンシジミ♂の謎【HD動画&ハイスピード動画】



2019年9月中旬・午後13:06〜13:19・晴れ

昼下がりの公園で見慣れない蝶が激しく飛び回っていました。
冒頭10秒間だけは1/5倍速のスローモーション。
後半は240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:18〜)

日当たりの良い歩道の上を低空で往復するように飛び交っています。
たまに高く飛び上がると、隣の築山に植栽されたコナラの樹冠を飛び回ることがありました。
隣のカシワには興味を示しませんでした。
ちょっと見失いましたが、しばらくすると降りて来て、再び地上付近を低空で飛び回ります。

翅表には赤い斑紋があり、翅裏は白(銀色)でした。
そのため、羽ばたく度に紅白の翅がチラチラと交互に明滅しています。
初めはツバメエダシャクのような純白の翅の蛾を連想したのですけど、翅表が赤い蛾は思いつきません。
公園に植栽されたカシワまたはコナラを食樹とするゼフィルスかな?
帰宅してから調べてみると私の予想は全く外れていて、ウラギンシジミ♂(Curetis acuta paracuta)と判明しました。
南方性の蝶で、図鑑では山形県に分布しないことになっています。
台風による迷蝶にしては、翅の破損が無くてきれいな個体でした。
近年の地球温暖化で北進しているようです。
インターネット検索で調べてみると、1994年に山形県での初記録が報告されていました。

水野重紀; 柴田稔. ウラギンシジミの山形県における初記録. 蝶と蛾, 1994, 45.3: 169-170.

ウラギンシジミと出会ったのはこれが初めてで、一体何が目的で飛び回っているのか初めは分かりませんでした。

幼虫の食草はマメ科植物とのことで、コナラやカシワは関係ありませんでした。
ようやく地上に着陸したので、土を舐めてミネラル摂取するのかと思ったら…。

つづく→謎解き篇



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