ノシメマダラメイガの飼育記録#14
2015年5月下旬
時期を少し遡りますが、飼育容器内でノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)成虫が活発に飛び回る様子を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
前回(シリーズ#1)は資料で読んだノシメマダラメイガの生態を考慮し(夜行性らしい)、薄暗い条件で撮ったので映像としてはいまいちでした。
今回は補助照明としてLEDリングライトを使い、容器の横から照らしました。
明るくしても飛んでくれることが分かりました。
飼育を続けた結果、照明に慣れてくれたのかもしれません。
スローモーションを見る限り、光源に向かって飛ぶ走光性は特に認められないようです。
互いに飛んだりぶつかったりした結果、連鎖反応で飛び立つことが多いです。
なるべく長く飛んでいるシーンを抜粋しました。
つづく→#15:営繭の微速度撮影
2015年6月中旬・夜23:27
夜中に水田地帯の農道で地面を歩いている蛍の光を見つけました。
初めは苔の上を歩いていたのですが※、赤外線の暗視カメラで動画に撮り始めるとスベリヒユと思われる雑草に登り始めました。
白色LEDを点灯しても強い発光が見えます。
草の天辺から飛び立とうと翅を広げるも、なぜか左の鞘翅が上手く開けないようです。
左翅をようやく開いても飛翔力が弱く、すぐに墜落してしまいます。
捕獲してみると大型のゲンジボタル(Luciola cruciata)で、発光している腹部の体節が1節であることから♀と判明。
※ ゲンジボタル♀は湿った苔に産卵するらしい。
『カラー自然シリーズ46:ホタルのくらし』p12によると、
交尾したホタルの♀は、川岸に近い、日陰の苔などを探し当てて、その上に卵を産みます。
卵を産むのは夜ですが、薄暗いところでは、昼間のこともあります。
また、『科学のアルバム:ホタル 光のひみつ』p10によると、
交尾まではあまり飛ばなかった(ゲンジボタルの)♀は、このころ(産卵期)はさかんに飛びます。
ところで、もし蛍♀が発光している動画を生きた♂に見せたら、♂はフラッシュ発光で求愛してくれるのですかね?
(動画のプレイバック実験)
2015年6月中旬・室温24℃・湿度57%
ネコハエトリ♀(Carrhotus xanthogramma)を幼体から飼育しています。
(亜成体♀だと思うのですが、真面目にステージを検討していません。)
単調な飼育環境でなるべく退屈しないようにトイレットペーパーの芯を入れておくと、キャットタワーのように登り降りしたり隠れ家にもなります。
糸や食べかすで汚れたら使い捨てします。
飼育容器内を掃除したついでにトイレットペーパーの芯を交換すると、容器側面の隙間で新たに造網を始めました。
徘徊性クモに属するハエトリグモの場合、獲物を取る粘着性の罠ではなく、自分が隠れる住居網です。
トイレットペーパーの芯を容器の中央からわざとずらして壁面に近づけて置けば、狙った場所に造網させることができます。
ネコハエトリが住居網を張る様子をプラスチック容器越しに微速度撮影してみました。
30倍速の早回し映像をご覧下さい。
この日は昼間にハエを1匹平らげた後なので、糸の分泌量は充分あるはずです。
背景がトイレットペーパー芯の黄土色なので、クモが紡ぐ白い糸が見えにくいですね。
次回やるとしたら、予め黒く塗っておこうと思います。
ときどき休憩して身繕いしています。
住居網は中で方向転換が可能な大きさです。
途中で住居網の外に出て一回りすると住居網の下側から潜り込みました。
住居網はトンネル状で、どちらからでも出入りできます。
以下の写真は翌日に撮影。
【おまけの映像】
↑同じ素材で20倍速映像
↑10倍速映像
※ これだけ自動色調補正を施したら、容器越しのやや不鮮明な映像が改善されました。