2014年8月上旬
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巣材を採土するオオフタオビドロバチ♀
前回の撮影から12日後、里山の山頂広場に再び登ってみると、巣材の泥玉をせっせと集めるオオフタオビドロバチ♀(Anterhynchium flavomarginatum)とまた出会えました。
同一個体の♀なのでしょうか?
採土に通っている蜂は何匹なのか知るために、個体識別のマーキングを施すことにしました。
わざわざ捕獲して麻酔するのも面倒だし蜂の体にも負担になるので、穴掘り中の蜂の腹背に直接白の油性ペンで標識します。
肝心のマーキングする瞬間は手元で蜂が隠れてしまいました。
ペン先で触れられた蜂は驚いて飛び立つも、すぐに採土を再開しました。
このぐらいでは狩蜂に刺される危険がないことが経験で私には分かっています。(それでも怖いと思う人は蜂を麻酔することをお勧めします。)
腹背の白点がよく目立ちます。
標識後も同一個体の蜂が1匹だけ定期的に飛来し、採土を繰り返していました。
撮影時刻も映像に記録しておきましたが、私がよそ見をしていたり撮り損ねがあるかもしれません。
一個の泥玉を作るまで何度も場所を変えながら採土しています。
特にこだわりの採土場所が無いのは前回(12日前)の観察と同じでした。
クロアリ(種名不詳)に邪魔されたり追い立てられたりして飛び去ることもありました。
採土が済んで飛び立つと毎回小さく旋回して場所を記憶してから(定位飛行)帰巣します。
飛び去る蜂を追っても毎回見失ってしまい、巣の位置を突き止められませんでした。
採土中に先回りして林縁で待ち伏せしてみたのですが、一人では難しいです。
超小型の発信機を蜂に取り付けられたら捗るのになぁ…と夢想してみる。
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標識前 |
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マーキング後 |
2014年8月上旬
里山の雑木林で樹液が滲むミズナラの木に集まる昆虫を観察していると、幹を登り下りするキマワリ(Plesiophthalmus nigrocyaneus)も見つけました。
ところが樹液酒場には来ずに、木を下りてしまいました。
この夏は何度も定点観察に通ったものの、キマワリは一度も樹液に訪れませんでした。
キマワリ成虫の食性を知らなかったのですが、幼虫・成虫共に朽木を食べるのだそうです。(wikipediaより)
飼育したら摂食シーンを観察できるかな?
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クリの樹皮を噛り幹を登るキマワリ
2014年8月上旬
▼前回の記事
クロオオアリ♀の喧嘩は蟻酸を噴射する
山道の休憩処(東屋)のコンクリート床面をクロオオアリ(Camponotus japonicus)のワーカー♀(働きアリ)が餌を探して何匹も徘徊しています。
同じ巣(コロニー)出身の2匹が出会うと、喧嘩にはならずに触角で盛んに叩いて挨拶を交わしています。
体表の匂いで出身コロニーを見分けています。
口付けで栄養交換のような挨拶をするときもありました。
頻繁に行う身繕いは各自がやり、相互身繕いは行いません。
童謡「お使いアリさん」の歌詞「あんまり急いでこっつんこ、アリさんとアリさんとこっつんこ♪」にある通りの光景でした。
複数個体を撮影。
【追記】
『アリからのメッセージ (ポピュラーサイエンス)』p46によると、
クロオオアリは、数匹でグループを組んで餌探しに出かけることが知られている。よく観察すると、常に先頭にいる一匹が、チョンチョンチョンと尻を地面につけながら小刻みに進むのがわかる。他の仲間は、そのアリの少し後の方を前後左右に忙しく動きまわりながらついて行く。そして餌場までくると、突然全員がばらばらに散って、餌探しを始めるのである。