2013/04/14

モリアオガエルの泡巣に集まるハエ



2013年6月中旬

モリアオガエルRhacophorus arboreus)の集団産卵を観察してから16日後に見に行くと、乾いた泡巣にハエが数匹集まっていました。
よく見ると泡巣の中に産み付けられたモリアオガエルの卵が一部なぜか表面に露出しています。
隣にある別の泡巣で卵が露出していない物にはハエは来ていません。

キンバエ類、ニクバエ類、ベッコウバエの仲間など大小様々のハエが来ています。
別種のハエが飛来すると、先客のキンバエと陣取り合戦のようになっています。
ハエは泡巣上を歩き回ったり、身繕いしたり、口吻を伸ばして舐めたりしています。
撮影後に手で触れてみると、泡巣の表面は乾いていました。
泡巣にハエ♀が産卵を始めるかな?と思ったのですが、はっきりそれと判る産卵行動は見られませんでした。






【追記1】
「キンバエ&カエル」で検索していたら、カエルヤドリキンバエなるものの存在を知りました。
カエルヤドリキンバエはカエルの鼻腔に寄生するというおもしろい習性をもつが、生息環境の減少から絶滅の危険があり、環境庁のレッドデータブック(1991年)に希少種として登録されている。(平凡社『日本動物大百科9昆虫II』p156より) 


おそらく今回の映像には登場していないと思いますが、衝撃を受けたので個人的に覚書を残しておきます。(学名Lucilia bufonivora画像検索すると、かなりグロいです。)

更に調べてみると、その後どうやら日本の種では名前がカエルキンバエ(Lucilia chini)に変更されたようでレッドデータブックにカエルヤドリキンバエは掲載されていません。
参考サイト(レッドデータブック栃木京都


【おまけの動画】
「モリアオガエルの卵を食べるシリアゲムシ」(by H72031610さん)
これ↓を見ていたので少し楽しみにしていたのですが、期待していたシリアゲムシの姿は今回ありませんでした。





【追記2】
別件の調べ物をしていたら、AntRoom管理人さんのありんこ日記ブログに興味深い記事を見つけました。

カエルの卵を捕食するハエ!? その1 正体を知りたい!
ヤエヤマアオガエルの卵の中にいたウジ虫から飼育下で成虫を羽化させ、ウリンクロバエと突き止めています。



小松貴『虫のすみか―生きざまは巣にあらわれる (BERET SCIENCE)』p288によると、
樹上にすむアオガエル科のカエルは、産卵期に木の枝葉へ粘液と水を混ぜて泡状のもの(泡巣)をつくり、その中へ産卵します。ウリンクロバエはこの泡巣に後から産卵し、孵化した幼虫は泡の中に詰まったカエルの卵を食い荒らします。ウリンクロバエは、日本では南西諸島に分布しています。
私のフィールドは寒冷な東北地方なので、ウリンクロバエは生息していないことになります。

川岸の石垣をへつるハクセキレイ【野鳥:HD動画&ハイスピード動画】



2013年3月中旬

街中を流れる川でハクセキレイMotacilla alba lugens)が護岸の石垣で餌を探していました。
水際を下流側へ移動しながら(へつりながら)、石垣の隙間の溝を丹念に物色しています。

両足を揃えてピョンピョン跳びはねるだけでなく、足を交互に出してトコトコ歩くこともあります。
斜めの石垣は滑り易く不安定な足場らしく、ときどきバランスを崩すと(おっとっと)羽ばたいて姿勢を保ちます。

ロッククライミングの練習や沢登りを彷彿としますが、鳥は手で石垣を掴むことが出来ません。



石垣をへつって※ジャンプしたり羽ばたく様子がとても面白く、ハイスピード動画(220 fps)でも撮ってみました。
スローモーション映像で見ると、石垣に面した右の翼は畳んだまま、逆の左翼だけで器用に羽ばたいていることが分かります。

へつる(へつる・へづる)*沢登り* (主に水際の)壁に伝って横に進むこと。~山の用語集~ [tozan.net]より)



2013/04/13

肩におんぶするニホンザル母子の雪原遊動



2013年2月下旬

ニホンザル(Macaca fuscata)の母子がおんぶして雪原を遊動して来ました。
この子猿は珍しく母猿の腰ではなく肩にしがみ付いた姿勢で運ばれています。
ヒトのおんぶと似ていますね。
これは子猿または母猿の癖(個体差?)なのか、子猿の年齢によるものなのでしょうか?
母猿が立ち止まって腰を下ろしかけると、子猿が背中から下りてどこかへ駆けて行きました。
微笑ましいヒッチハイクですね。

子猿が母猿の腰に乗ってしがみ付くのが普通のスタイルです。(別個体)

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