2011/03/03
キボシアシナガバチ新女王の羽化
2008年9月上旬
キボシアシナガバチ(Polistes nipponensis)巣の定点観察。
定点観察中の巣dをしばらくぶりに見に行ったら、なんと新女王が一気に羽化していました。
在巣の個体を数えてみると♀25、♂1。
構成員の性比が一気に逆転しました。
羽化後もしばらくは巣で休むらしい。
明らかにワーカーが少ないようですが、これだけ多くの新女王を養えるのだろうか?
直射日光を嫌い、日陰となる巣の下面に集まっています。
扇風行動も見られました(気温27℃)。
日が陰ると巣の上部に移動して休みました。
これで創設女王は無事に役目を全うし、しっかり次世代を残したことになります。
つづく→シリーズ#51
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ハチ・アリ(膜翅目),
発生
2011/03/02
キアシナガバチの巣に寄生したマダラトガリホソガ(蛾)老熟幼虫?
寄生蛾(カザリバガ科マダラトガリホソガの一種)の激しい攻撃を受けて廃巣となったキアシナガバチの巣S9(育房数66室)を2010年9月下旬に軒下から採集し、密閉容器に保管してきました。
寄生蛾の幼虫が少なくとも2頭、巣食っていることを採集直後に確認しています。
(関連記事はこちら→「キアシナガバチの巣に寄生したマダラトガリホソガの仲間の幼虫が糸を張り巡らせる」)
そのまま室内で放置していたら、2ヶ月後の11月下旬にマダラトガリホソガの成虫が季節外れに一頭羽化しました。
(関連記事はこちら→「キアシナガバチ巣に寄生したマダラトガリホソガ(蛾)の仲間の羽化」)
年が明けて2011年2月下旬
新たに寄生蛾の幼虫が一匹、容器の底を蠕動徘徊していることに気づきました。室温16℃
寄主であるキアシナガバチの廃巣から落ちてしまったようです。
糸を吐いて歩くので容器底にも不規則網を張り巡らしています。
体長7.5mmで頭楯は焦げ茶色、腹端は薄い褐色。
クリーム色の胴体に剛毛が生えています。
もしかしたら自然界でも終齢幼虫(の一部)はアシナガバチの巣から脱出落下して地中で蛹化するのだろうか(妄想)。
マダラトガリホソガは蛹で越冬するはずなので、野外に放置されたままならこの幼虫は冬の厳しい寒さで死んでいたはずです。
産卵時期や発達が遅れた個体と思われます。
幼虫のステージでも越冬できるのだろうか。
寄生蛾の幼虫が少なくとも2頭、巣食っていることを採集直後に確認しています。
(関連記事はこちら→「キアシナガバチの巣に寄生したマダラトガリホソガの仲間の幼虫が糸を張り巡らせる」)
そのまま室内で放置していたら、2ヶ月後の11月下旬にマダラトガリホソガの成虫が季節外れに一頭羽化しました。
(関連記事はこちら→「キアシナガバチ巣に寄生したマダラトガリホソガ(蛾)の仲間の羽化」)
年が明けて2011年2月下旬
新たに寄生蛾の幼虫が一匹、容器の底を蠕動徘徊していることに気づきました。室温16℃
寄主であるキアシナガバチの廃巣から落ちてしまったようです。
糸を吐いて歩くので容器底にも不規則網を張り巡らしています。
体長7.5mmで頭楯は焦げ茶色、腹端は薄い褐色。
クリーム色の胴体に剛毛が生えています。
![]() |
2011年2月下旬 |
前回に観察した幼虫はもっとほっそりしていて黒い背面でした(下の写真参照↓)。
今回の個体はそれよりも太く背面の色が違うので、脱皮して齢数が進んだ老熟幼虫なのだろうか。
別種だったらもっと面白いのですけど。
![]() |
2010年11月下旬 |
方眼紙上に乗せてやると蠕動で前進します。
ときどき頭部を持ち上げ左右に振って辺りの様子を窺います。
徘徊する寄生蛾幼虫の近くに寄主の巣を置いても、引き寄せられるような走性は特に見られませんでした。
進行方向に寄主の巣を置いてやっても、自力では這い上がれないでいます。
巣の下の物陰に辿り着いて眩しい光から逃れただけで安心しているようです。
撮影後はピンセットでキアシナガバチの巣に戻してやりました。
ところが巣が虫食い状態でボロボロのためか、しばらくするとまた力無く下に落ちてしまいます。
何度戻しても同じで元気がありません。
せめて蛹化する様子を観察したいのですが無理そうです。もしかしたら自然界でも終齢幼虫(の一部)はアシナガバチの巣から脱出落下して地中で蛹化するのだろうか(妄想)。
マダラトガリホソガは蛹で越冬するはずなので、野外に放置されたままならこの幼虫は冬の厳しい寒さで死んでいたはずです。
産卵時期や発達が遅れた個体と思われます。
幼虫のステージでも越冬できるのだろうか。
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チョウ・ガ(鱗翅目),
ハチ・アリ(膜翅目),
寄生,
発生
キボシアシナガバチ♂への優位行動
2008年8月下旬
キボシアシナガバチ(Polistes nipponensis)巣dの定点観察記録。
在巣を確認できた成虫は♀♂10匹ずつ※1。
※1:♀は顔(頭楯)がオレンジで触角が真っ直ぐ。一方、♂は顔が白く触角がカールしていて体格も華奢。
♂超過だった性比が回復しました。
創設女王が実は死んでいるのではないかという密かな懸念は
解消されました※2。
※2:女王不在で未受精のワーカーが産卵し始めると以降は♂ばかりが生まれる。
特に♂は常に飢えている印象。
♀が帰巣すると狩りが不調でも近くの♂は激しい勢いで餌(肉団子)を求め、巣全体が騒々しくなります。
成虫構成員を養うには栄養液を与えてくれる(栄養交換)幼虫の数も少ない気がします。
育房はほとんど蛹になっています(約40匹)。
時折♀が♂に対して激しい攻撃を加えています(2:1で噛み付くなど)。
これは成熟した♂を巣から放逐して口減らしするためだろうか。
♂は苛められても無抵抗で耐えるのみ。
動画の55秒前後に突然♂が近くの♀の背中にのしかかったのは餌をねだる行為ではなくて偽交尾だろうと教えて頂きました。
つづく→シリーズ#50
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ハチ・アリ(膜翅目),
闘争
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