2023年2月下旬〜3月上旬
雪深い里山でスギ林道に通うニホンカモシカ(Capricornis crispus)を自動センサーカメラで記録しています。
シーン1:2/27・午後19:46・気温-2℃・(@0:00〜)
私がトレイルカメラの電池を交換した当日の晩にカモシカが右からやって来ました。
雪面には私がスノーシューで歩いた巨大な足跡が残されています。
カモシカが1歩踏み出す度に中途半端に凍った雪面が割れるので、足がズボズボと雪に潜って、とても歩きにくそうです。
画面左端に立つスギ大木の下で立ち止まり、幹に顔をゴシゴシ擦り付けて眼下腺マーキングしているようです。
残念ながら、肝心の頭部が見切れてしまっています。
カメラをもう少し左に向けて設置するべきでした。
秋にカモシカたちが眼下腺マーキングしていたお気に入りのスギ落枝は、深い根雪の下に埋もれてしまっています。 (画面の左)
対面に見えるスギの木には立ち寄らず、そのまま左へ立ち去りました。
左右どちらの杉の木に眼下腺マーキングするのかは、気分次第で決まるのか、それとも個体によって違うのでしょうか?
シーン2:2/28・午後13:33・気温6℃・(@0:31〜)
翌日の晴れた午後にカモシカが右から登場。
気温が上がると、雪が溶けてシャーベット状の重い「腐れ雪」の状態になり、ますます歩きにくくなります。
今回もニホンカモシカは画面左端にあるスギ大木の下で立ち寄ると、幹の匂いを嗅いでから眼下腺マーキングしたようです。
次に林道を渡って、対面の法面に立つスギへ向かいました。
カモシカは首を伸ばしてスギの幹に顔を擦り付けて、眼下腺マーキングしました。
縄張りで念入りに匂い付けを済ますと、踵を返して左へ立ち去りました。
林道を挟んで左右のスギ両方に眼下腺マーキングするのを見たのは初めてかもしれません。
シーン3:3/5・午前11:22・気温2℃・(@1:47〜)
5日後の晴れた昼前にもカモシカが右からやって来ました。
雪面は固く凍結していて、カモシカが歩いても蹄がほとんど潜らず、楽に歩けるようになりました。
個体識別ができていませんが、今回の個体はなんとなく体型が小柄で、若い個体のような気がします。
食料に乏しい厳しい冬を乗り切って体脂肪を使い切り、やせ衰えて見えるだけかもしれません。
いつものように左のスギ大木で眼下腺マーキングした後は、そのまま左に歩き去りました。
右を向いて対面のスギを見たものの、今回は立ち寄りませんでした。
シーン4:3/8・午前1:47・気温4℃・(@2:29〜)
3日後の深夜にカモシカがいつものように右から登場。
逆に左から右へ行くシーンが全く撮れていないのが不思議です。
積雪期は一方通行の決まったルート(一筆書き)で縄張りを巡回しているようです。
雪面だけが最中 のように凍っているために、一歩ずつ割れて足が雪に沈み、歩きにくそうです。
雪国在住者にとっては馴染みのある現象ですけど、暖地のヒトには経験しないとこの感覚は分からないでしょう。
画面左外のスギ幹に眼下腺マーキングしてから左に立ち去りました。
実はこの日の昼過ぎに、私もトレイルカメラの電池交換のために現場入りしました。
12時間前に雪面を歩いたニホンカモシカの蹄跡を写真に撮りました。
雪面にカラマツの落枝 |
カモシカの進行方向と同じアングルだと、緩やかな下り坂になっているスギ林道。道端の左右両側に立つスギの幹にカモシカが眼下腺マーキングしている。 |
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