2023年2月下旬・午後16:10頃・大雪
雪が激しく降り始めた午後、郊外の住宅地で道端の看板の上に乗っていたジョウビタキ♂(Phoenicurus auroreus)にカメラを向けると、少し飛んで横の街路樹に逃げ込みました。
(映像はここから。)
私が少し近寄っても、樹上では枝から枝へ少し飛んで移動するだけです。
落葉したハナミズキ(別名アメリカヤマボウシ)の枝に止まったジョウビタキ♂が、何やら奇妙な音を立てています。
ジョウビタキが尾羽根を上下に振り立てるのは馴染みのある行動ですが、このときカタンカタン(パタンパタン、ペチンペチン)♪という音が鳴ります。
これは周囲の混み合った枯れ枝に尾羽がうっかりぶつかる音なのか、それとも尾羽そのものから意図的に鳴らしている(発音)のでしょうか?
なんとなく、近くで撮影する私に対する威嚇音♪ではないかと思いました。
マイクに入る風切り音(ノイズ)のせいで、肝心のカタンカタン♪が聞き取りにくいですね。
後半はいつものように、ヒッヒッ♪と高音で繰り返し鳴きました。
※ 警告音?と鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
残念ながら録画の途中でカメラの電池が切れてしまいました…。
吹雪でカメラをあまり濡らしたくないので、どのみち長時間の撮影は無理でした。
カメラを守る防水カバーを取り出して装着したときには、ジョウビタキ♂はもう居なくなっていました。
石井直樹『鳴き声から種を同定するための日本鳥類鳴き声大辞典』でジョウビタキの項目を参照すると(p146-147)、「カタカタカタ」という「嘴を鳴らす音」が収録されていました。
コウノトリがやるクラッタリングのような発音行動だと言いたいのでしょう。
しかし今回の映像をスローで見直してもジョウビタキ♂は嘴を閉じたままなので、筆者の見解には同意できません。
尾羽を打ち鳴らす音ではないかと私は思います。
ジョウビタキのカタカタカタ♪は、地鳴きでも囀り でもなく、ドラミングの一種と同書では分類されています。
ドラミングには、嘴どうしを打ち合わせたり、尾羽を通過する風により音を立てたりする場合など、発声器官以外で音を出す場合を全て含んでいる。(p14より)との但し書きが巻頭にありました。
「尾羽を通過する風による音」という表現もしっくりきません。
本書がデータベースとして労作なのは認めますが、活字だけなのが残念です。
付属のCD-ROMに実際の音声や動画が収録されているかと期待して買ったのに、エクセルファイルが収められているだけでした。
表紙に声紋(スペクトログラム)が載っているのも紛らわしいです。
様々な鳴き方のひとつひとつに実際の動画(せめて音声)を付けて欲しいものです。
マルチメディアの鳴き声データベースで私が満足できる完全版が無ければ、人任せにせずに、自分でコツコツ撮りためて自作するしかありません。
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