2022年7月上旬・午後15:40頃・くもり
タヌキの溜め糞場rvがあった河畔林でニセアカシア(別名ハリエンジュ)立木の根際(地上32cm)に見慣れないカタツムリを見つけました。
白っぽくヒビ割れたニセアカシアの樹皮に対して、このカタツムリの茶色い殻は保護色になっていません。
殻の周縁には毛が放射状に生えていて、殻の厚みが薄く、かなり平べったいことが分かります。
ノギスで採寸すると、殻径〜15cm。
『カタツムリハンドブック』で調べると、 東北地方(奥羽)特産のオオウケマイマイ(Aegista pannosa pannosa) と判明。
殻径17mm、殻高9mm分布:東北地方
殻は扁平で、周縁は著しく角張り、鱗片状の毛が放射状に生える。臍孔は広く、深い。オオケマイマイに類似するが小型。和名は奥羽地方のケマイマイの意味で、「オーウ」という発音に従ってオオウになってしまったものと思われる。 (p71より引用)
谷本雄治『週末ナチュラリストのすすめ(岩波科学ライブラリー) 』によると、
殻に毛が生えているオオケマイマイ。長生きすると、次第に毛が薄くなるらしい。 (p14より引用)
動きがないと動画ブログのネタになりませんから、採集シーンも動画に撮ってみました。
地面に落とさないように手で受ける準備をしながら慎重にペリっと幹から剥がしました。
殻の入口(正式名称は?)には透明な膜が張っていました。殻に毛が生えたカタツムリの生体を見つけたのは初めてで、嬉しい収穫でした。
採集したオオウケマイマイを飼育するつもりだったのですが、残念ながら家に持ち帰るまでの間にお亡くなりになってしまいました。
乾燥防止のために生葉と一緒に入れたのですが、小さな採集容器の中は暑くて蒸れてしまったようです。
この河畔林にはカタツムリを捕食するマイマイカブリが生息しています。
関連記事(1.5か月前の撮影)▶ マイマイカブリと野ネズミが出る夜の河畔林【暗視映像:トレイルカメラ】
その上に、オオウケマイマイという珍しい種類のカタツムリも居たことから、陸貝を巡ってそこそこの生物多様性が辛うじて保たれていることが分かります。
しかし河畔林の伐採が年々進んでいるので、風前の灯です。
0 件のコメント:
コメントを投稿