2020/12/18

モンスズメバチの巣の定点観察と温度測定【暗視映像】

 

八重桜の樹洞に営巣するモンスズメバチ:#10

▼前回の記事 
モンスズメバチの巣に繭ができた!【暗視映像】


2020年8月下旬・午前3:40頃・晴れ 

6日ぶりの定点観察。 
いつものように赤外線の暗視カメラを樹洞内にそっと差し入れて、中の様子を撮影してみました。 
樹洞の底に置いた赤外線投光器のうち1台のバッテリーが切れているというトラブルに焦りましたが、残る1台でもなんとか暗視撮影できました。 
樹洞入り口の上部を塞いでいた外皮はわずかに残っているだけで、修復されていませんでした。(※ 追記参照) 
樹洞の外に門衛役のモンスズメバチ♀(Vespa crabro)が居ないのも外役活動が無いのもいつも通りです。 
コロニーの規模が大きくなれば蜂の挙動も変わってくるかと期待していたのですが、私の予想は外れました。
残念ながら、この巣はもうこれ以上大きくならない気がします。 

巣盤全体が保温性の高い外皮でほぼ包まれていますが、外皮の底が開口したままで狭い巣口となっています。 
その外皮にモンスズメバチ♀が2匹が止まっていました。(夜警?) 
互いに逆を向いてじっとしているだけです。 
気温が暑くないので、扇風行動などは見られませんでした。 
寝苦しい巣内を避けて外皮で寝ているだけかも…?と勝手に擬人化しそうになります。 
もう1匹も巣口から外皮に出たり入ったりしています。 

巣口から見える範囲で、育房内には繭キャップおよび老熟幼虫が見えました。 
巣盤の中央部には新たに巣柄が下に伸ばされ、下段の巣盤に新しい育房が3つ作られていました。 
新女王となる卵がこの新しい育房に産み付けられているのかな? 
内役ワーカー♀が夜中も甲斐甲斐しく活動していました。 

樹洞内でモンスズメバチの巣の外周には多数の居候昆虫が潜んでいて、長い触角が蠢いています。 
おそらくヤマトゴキブリと思われますが、この日疲れていた私は、居候には注目せずに撮影を切り上げてしまいました。  

動画の後半は、いつも使っている赤外線のデジタル温度計による巣内温度の測定風景です。 巣盤を覆う外皮の表面温度は25.2℃。 
外皮上に居座る2匹のモンスズメバチ♀は、赤いレーザーポインタに対して無反応でした。 
モンスズメバチは赤色および赤外線が(ほとんど)見えていないのです。 
樹洞の底は25.0℃。 
樹洞内部(開口部の奥)は24.8℃。 
樹洞開口部を覆う外皮の残りの表面温度は24.6℃。 
営巣木の周囲の外気温は25.6℃、湿度73%。 
驚いたことに、巣内温度は6日前の測定値とほぼ同じでした。 
果たしてこれは偶然でしょうか?  
昼間の巣内温度は分かりませんが、少なくとも私が測った深夜はかなり安定しているようです。  



 ※【追記】 
ハンディカムを樹洞から引き抜く際に初めて気づいたのですが、樹洞開口部の上半分を塞いでいた外皮は右にもう1箇所ありました。 
小さな穴を外皮で塞いでいて、ここは破損(悪童の悪戯による破壊?)を免れています。

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