2020/01/15

柵の手摺で遊び回るニホンザルの仲良し3頭(追い越し、マウンティング、木登りブランコ遊びなど)



2019年7月下旬・午前7:30頃

山麓の水路沿いのフェンスで朝からニホンザルMacaca fuscata fuscata)の仲良しトリオが遊んでいました。
鉄パイプの手摺に3頭が身を寄せ合うように座っています。
2頭はやんちゃな子猿、もう1頭は年上のようですが、兄弟姉妹なのか親子なのか先輩・後輩なのか、関係性が不明です。
(とりあえず勝手に先輩・後輩と呼ぶことにします。)
残念ながら私にはこのトリオの性別もしっかり見分けられません。
3頭すべて睾丸が見えないので♀だと思うのですが、どうでしょう?
先輩の胸に乳首が見えないので、母親とは思えません。

手摺を先行する子猿を急き立てるように、後ろから先輩が煽っています。
ただでさえ歩きづらいのに後ろから煽られた後輩Aは堪らず水路側のフェンスを伝って少し降りて、先輩に道を譲りました。
ノシノシと追い越した先輩が、手摺に戻って来た後輩Aに振り返りざま掴みかかろうとしたものの、後輩の子猿Aはフェンスから横の道に飛び降りて逃げました。
後続の後輩Bは、大胆不敵にも手摺を先行する先輩の背中にピョンと飛び乗って追い越しました!
そのまま手摺で子猿A、B同士の追いかけっこが始まりました。
2頭の子猿A、Bは同い年ぐらいと思っていたのに、追いついた個体が背後からマウントし、腰を少しスラストしました。
こんなに若い年齢でのマウンティングは交尾行動ではなく、個体間の順位を決める優位行動だと思います。

(夏はニホンザルの発情期ではありません。)
残念ながら私には子猿A、Bの性別が見分けられません。(3頭すべて睾丸が見えないので♀だと思うのですが、どうでしょう?)
そこへ先輩が追いつくと、後輩の子猿が機嫌取りをするように甲斐甲斐しく対他毛繕い(ノミ取り)を始めました。

やがて2頭の後輩(子猿AB)を先頭に手摺の上を歩き去ります。
途中で子猿Aが前を塞ぐ子猿Bを身軽にヒラリと跳び越えました。
少し助走を付けてから、横に生えたコナラ灌木の枝に跳び移りました。
そのままスルスルとコナラの枝を登っていきます。

手摺をゆっくり歩いて来た先輩がコナラの木の下で座り込みました。
コナラの枝葉を手で引き寄せて採食しようとしているのかな?
先にコナラの木に登っていた個体(子猿A)が、しなる枝に逆さまにぶら下がりながら降りて来くると、最後は地面に飛び降りました。(ブランコ遊び)
後輩(子猿A)はすぐにフェンスをよじ登って手摺に戻りました。

採食を邪魔された先輩が 子猿Aを手摺上で軽く追いかけたものの、子猿Aはフェンスを伝って横の道に逃げました。
もう1頭の子猿Bも手摺を走って戻って来ました。
先輩は近寄ってきた子猿Bに対して口を大きく開けて軽く威嚇しています。
左手で後輩(子猿B)の頭の毛を鷲掴みにして手荒に引き寄せ、無理やり腹這いにすると強引に対他毛繕いを始めました。
ところが、ろくにノミ取りもしないで離れました。
素人目には、これも一種のマウンティングのような優位行動(力の誇示、威嚇)のように見えました。
最後はフェンスの手摺から横の地面に飛び降りました。

群れが採食しながら一方向にゆっくり遊動しているという感じでもなく、この3頭はとにかくふざけて遊びながらフェンスの手摺を行ったり来たりしていました。
先輩は後輩(子猿A、B)に対して必ずしもいじめっ子(ガキ大将?)という風でもなく、時には寛大だったり手加減して遊んでやっている印象でした。
ニホンザルは高い身体能力を活かせば狭い1車線の手摺でも追い越し禁止ではなく、あおり運転への対応もヒトより遥かにスマートでした。

たった4分間の観察でもこれだけ面白い物語が生まれるのですから、群れのニホンザルをしっかり個体識別して関係性を把握しつつ行動を観察できれば更に面白くなるに違いありません。


ニホンザル3@用水路・手摺
ニホンザル2:子猿@用水路・手摺+マウンティング
ニホンザル3@用水路・手摺+対他毛繕い

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