2018/04/08

昼塒で寝ていたニホンウサギコウモリ?の覚醒と飛び立ち【暗視映像】



2017年9月中旬・午後16:50(日の入り時刻は午後17:43)

山麓に埋設されたボックスカルバートの長いトンネルを探検してみると(†)、野生コウモリの昼塒を見つけました。(@山形県)
コウモリの鳴き声はヒトには聞こえない超音波のはずなのに、トンネルの奥から甲高い鳴き声(ヒトの可聴域)が反響しています。
トンネルの入り口から奥に進むと、初めはコウモリが一匹ずつ天井や壁面からぶら下がっていました。

この個体bは耳が三角形で大きく、ウサギのようです。
一番分かりやすい特徴を持っていたのですが、ニホンウサギコウモリPlecotus sacrimontis)ですかね?
もし間違っていたらご指摘願います。


ニホンウサギコウモリは、小さな声の超音波を使っても聞こえるように大きな耳を持っている。獲物が発する小さな音を直接聞いて獲物の居場所を知ることもできる。   (『身近で観察するコウモリの世界:町を飛ぶ不思議な野生動物 』p72より引用)


コンクリート壁面の割れ目に右後足だけで下向きにぶら下がっていました。
私が近づいた時にはすでに覚醒していました。
顔をよく撮ろうとしたら警戒され、飛んで逃げて行きました。
後半は飛び立つシーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ(@0:26〜)。

『コウモリ識別ハンドブック』によればニホンウサギコウモリの「幼獣は成獣に比べて体色が黒っぽい」らしいのですが、残念ながら暗視映像では体色の情報が得られません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

† コウモリの繁殖期(子育て)が終わったと思われる時期(秋)を見計らい、離塒前の時刻(日没前)に入洞しました。
私もいきなり野生コウモリのねぐらに突入するほど無神経(無鉄砲)ではありません。
昼間に真っ暗な洞内で寝ているコウモリに対する光の影響を最小限に留めるために、懐中電灯も赤色LEDを使い、しかも手のひらで隠しながら弱い赤色光で進路を照らすようにしました。
赤外線の暗視カメラで動画撮影しながらトンネル(幅260cm、高さ170cm)の奥へゆっくり進みます。
寝ているコウモリを見つけたら赤色マグライトを消灯して暗視カメラのモニターのみを頼りにそっと近づくようにしました。
トンネルの底には水が流れていますがこの時期は水深が浅く、長靴のくるぶしにも達しませんでした。


コウモリの調査のために已む無く洞窟に入る場合は、時間は「朝一番に入るのがおすすめ」らしい。
塒入りした直後の時間帯がコウモリへの影響が最も少ないのでしょう。
(『身近で観察するコウモリの世界:町を飛ぶ不思議な野生動物 (子供の科学★サイエンスブックス)』より)


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