2017年4月中旬・午後14:20~14:44
街中を流れる川の支流沿いで2日前に見つけたハシボソガラス(Corvus corone)の巣を観察に行きました。
昨年観察した高圧線の鉄塔に作られたハシボソガラスの巣よりも低い場所にあるため、撮影しやすくて助かります。
これまでカラスの巣材集めは見ていましたが、カラスの造巣行動を撮影できたのは初めてです。
▼関連記事
・ハシボソガラスの巣材集め(野鳥)@マサキ生け垣 @2013年3月下旬
・巣材を運ぶハシブトガラス(野鳥) @2014年4月上旬
千載一遇のチャンスにとても興奮しました。
冒頭から1羽の親鳥(♀?)が作りかけの巣に座っています。
すぐにもう1羽(♂?)が巣材の細い小枝を咥えて帰巣しました。
♂はお椀状の外巣に持ってきた小枝を組み込むと、すぐに飛び去るかと思いきや、巣の横のアーム(横棒)で休息しました。
私のことを警戒して辺りを見張っているようです。
その間、作りかけの巣に座った♀が嘴で巣材を曲げて外巣に互いに差し込んだり位置を細かく調節しています。
造巣の作業が下からではよく見えないのが残念です。
こういうときにカメラ付きのドローンがあればカラスの巣を空撮してみたい…とよく夢想するのですが、親鳥への影響が懸念されるだけでなく電線の近くでドローンを飛ばすのは問題がありそうです。(飛行禁止空域?)
ようやく電柱のアームから♂が飛び立ちました。(@1:55)
すぐ横を流れる川の下流へ風に乗って滑空して行きました。
川の中に降り立ったようですが、死角に入って見えなくなりました。
しばらくすると、もう1羽の親鳥♀(?)も巣から飛び去りました。(@2:10)
親鳥の留守中に急いで川の対岸にカメラの三脚を立て長撮りし、これ以降、私はなるべく巣の方向を見ないように心がけました。(バリアングルの液晶画面の角度をわざと変えて見ました。)
巣材の小枝を一本ずつ咥えてカラスの♀♂番(つがい)が代わる代わる帰巣します。
カラスの性別を外見で判別できないのが残念。
造巣作業中に巣の右端に伸びた小枝が落下しました(@3:00)。
カメラを下にパンすると、電柱を登るためのボルトにもう1羽の親鳥が空荷で止まっていました。(@4:07)
おそらく私に対して警戒し、巣を警護しているのでしょう。
ようやくボルトから飛び立ったときには、電柱の最上部で造巣作業していた親鳥も居なくなっていました。
営巣地のコンクリート製電柱の根本付近には庭木を剪定・伐採した小枝が切り揃えて大量に積み上げられていました。(@6:52)
実は初めカラスはそこから巣材を集めていたのですが、私が見ていると警戒して他所から巣材を調達するようになりました。
もしかすると豊富な巣材源があったから、ハシボソガラスの番はこの電柱を営巣地に選んだのかもしれません。
巣材を運んできたカラスがなぜか巣に着陸せずに思いとどまり、飛び去ることがありました。
少し離れた電線に小枝を咥えたカラスが止まってこちらを警戒しています。(@7:00)
巣材を咥えたまま小声で鳴きました。(@7:09)
一旦巣材を足で押さえ、咥え直しました。
このときも小声で鳴きました♪(@7:26)
営巣活動を邪魔する(目障りな)私に対する苛立ちの表れかもしれません。
どうしても擬人化して解釈してしまいがちです。
ところがしばらくすると、もう1羽の親鳥が巣材を運んで先に帰巣したのに続いて電線の個体も帰巣しました。
これを見て、私の考え(解釈)が変わりました。
造巣の細かな作業は♀の担当だとすれば、♂は運んできた巣材を♀に渡して巣作りを任せるでしょう。
電線で待機していた個体は♂で、♀を呼ぶために鳴いていたのかもしれません。
性別を見分けられないのが残念です。
後藤三千代『カラスと人の巣づくり協定』によると、
カラスの巣は、電柱の最上部の電線を支えるアーム(横棒)を利用して作られ、10メートル前後の高い位置にある場合が多い。(p45より引用)
つづく→造巣の微速度撮影
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