2014年3月上旬・室温20℃
マダラスジハエトリの飼育記録12
マダラスジハエトリ(Plexippoides annulipedis)の幼体および同種の成体♂を同居させています。
▼前回の記事はこちら▼
同種の幼体に威嚇誇示するマダラスジハエトリ成体♂(蜘蛛)
容器の底で静止している幼体に対して、成体♂が威嚇誇示を繰り返しながら上から近づいています。
成体♂は慎重で、なかなか距離を詰めようとしません。
やがて成体♂は歩脚でおずおずと幼体に触れました。
成体♂はときどき腹部を上下に動かしています(尻ピク)。
もしかするとこれは求愛行動なのかな?と思いつつ撮影したのですが、真相は不明です。
それにしても、幼体が全く動かないのが気になります。
もしかすると私が見ていない間に成体♂に噛まれ毒液で麻痺してるのかと心配になりました。
ようやく幼体が動き、慌てたように逃走しました。
下手に動くと大きな成体♂に捕食される!と幼体は考え、危機感から擬死していたのでしょうか?
幼体に跳びついて狩りを行うチャンスは幾らでもあったのに、結局成体♂は幼体を捕食しませんでした。
映像はここまで。
この記事(映像)のタイトルをどう付けようか、悩みます。
その後、2匹を長期間同居させても共食いしないのが不思議でした。
同じ容器に生き餌を投入すると、あるときは幼体が捕食し、またあるときは成体♂が獲物を捕食しました。
獲物の奪い合いなどは見られませんでした。
もし幼体が♀だとしたら、成体♂は同種と認識した上で自らの攻撃性を抑え配偶相手が脱皮・成熟するまで待っているのかもしれない、と思い始めました。
例えばネコハエトリの成体♂は亜成体♀の脱皮室の近くで待ち構え、♀が成体になった直後に交接します。
単独で飼育するよりも、同居相手がいた方が退屈しない気がします。
ところが42日後の4月中旬、遂にマダラスジハエトリの成体♂が同種の幼体を捕食しているのを見つけてビックリ!
私の予想は外れました。
この日たまたま成体♂の虫の居所が悪かったのか、空腹に耐えかねたのでしょうか。
幼体の性別も分からずじまいでした。
その後もマダラスジハエトリ成体♂を飼い続けている間に種々のクモを獲物として与えてみました。
(ネコハエトリ幼体、オオハエトリ♂、オオヒメグモ、ヒラタグモ、キンイロエビグモ幼体など)
日によってハエ、小蛾やカワゲラなどの昆虫類も与えており、クモだけを与えていた訳ではありません。
たまたま私がクモを捕まえた日は構わずそれを与えただけです。
その結果、どうも解釈が変わってきました。
どうやら相手が自分よりも体長の小さな幼体であっても、ある閾値以上大きなクモに対してはひどく警戒してなかなか攻撃・捕食を行わない、という単純な理由だったようです。
獲物を予め採寸するなどきっちり調べた訳ではないので、個人的な印象論です。
メモとして残しておきます。
【追記】
この♂個体は7月上旬まで生きました。
個人的にハエトリグモの最長飼育記録を更新しました。
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