2013年3月上旬
前編からのつづき。
ニホンカモシカ(Capricornis crispus)が谷川沿いで潅木の枝先を次々に採食しています。
採食行動のついでに角こすりや眼下腺マーキングも行うかどうか注意して観察していたのですが、はっきり見えませんでした。
(たぶんやってないと思います。)
映像の最後はカモシカの食痕を調べた記録です。
樹種はおそらく柳の仲間だと思います。
春になったらはっきり同定できるでしょう。
枝先がむしり取られ樹皮が剥がれている他、冬芽をしごくように食べた形跡があります。
それにしても厳冬期の採食メニューは粗食ですね。
更にカモシカの観察を続けると、驚きの行動を目の当たりにしました。
つづく→谷川を渡渉
【追記】
中公新書『カモシカ物語』によると、
- 雪が来ると木の冬芽、針葉樹の葉、ササ類を食べはじめる。(中略)いくら嗜好が高い植物が豊富にあっても、カモシカの口が届かないような高木ではえさとはなり得ないのである。(p197)
- 雪の季節にはカモシカは二次林内にえさを求める。植生密度は粗であることはもちろんであるし、採食物の内容もその頃は木の冬芽が主体となる。(中略)カモシカはその行動を積雪によって制限され、同様に採食可能な植物も極度に少なくなっている。(p198)
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