2012/03/25

雪山で採食する野生ニホンカモシカ



2012年3月上旬
雪山で遭遇したニホンカモシカ【前編】

冬も峠を越したようで、晴れると里山に積もった雪も緩んできました。
スノーシューを履いて沢沿いの急斜面を下ると、腐れ雪(シャーベット状の湿雪)で足元のグリップが効かず難儀しました。
同じ斜面の左手に一頭の野生ニホンカモシカCapricornis crispusを発見。
積雪期に出会ったのは初めてです。

雪の斜面で頭を下げ、何かを食べているようです。
手前にある杉木立の陰になり肝心の口元が見えず、もどかしいです。
こちらが風下だったのか食事に夢中だったのか、私には未だ気づいていないようです。
カモシカは少しずつ斜面を登りながら採食を続けるので、何を食べているのか知りたくても益々死角に入ってしまいます。
側面から見ると黒光りする角が立派です。

観察し易いアングルを求めて、撮りながら徐々に斜面をずり落ちるように移動しました。
カモシカは雪面の匂いを嗅ぎ、舌でペロペロ舐めています。
鼻面で軽く雪を掘りました。
(ちなみに、秋に観察した採食行動とメニューはこちら。)

遂にカモシカが気づいてこちらを凝視しました(@5:55)。
顔の毛に油気が無く、老いた個体のような印象を受けました。
厳しい冬越しで消耗しているのでしょうか。
(毛が雪で濡れているだけかもしれません。)
鼻腔を大きく広げて頻りに風の匂いを嗅いでいます。
反芻するように口を少し動かしました。
鼻息を荒げて威嚇すること数回(@7:17~)。
こちらに向き直って数歩近づき、鼻息威嚇を続けます。
対抗してこちらも鼻息を立てたらどうなるだろう?という誘惑を抑え、静かに撮影を続けます。
私が動きを止めていると安心したのか、カモシカは再び斜面を数歩登り採食再開。
頭隠して尻隠さずの状態ですが、何度も幹の陰に隠れて視線を合わさないようにするのは不安の現れなのだろうか。

(採食メニューは後編で判明します。 → つづく)



【参考映像】

ニホンカモシカの冬越し」(157秒)
リンク先はNHK for schoolで、石川県に生息するニホンカモシカの冬の食べ物や行動を紹介します。






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